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年末年始にこれ観ました
2020年01月14日

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「テッド・バンディ」

テッド・バンディという男。 1970年代にアメリカで36人もの女性を殺害した連続殺人鬼で、“シリアルキラー”という言葉で表現された最初の人物です。
IQ160の頭脳とハンサムな顔立ちで司法やメディアを翻弄。
裁判でも弁護士を立てずに自ら巧みな弁論を繰り広げて異様なカリスマ性を発揮。
バンディの無実を信じる多くの女性ファンが裁判の傍聴席に詰めかけ、刑務所には連日多くのファンレターが寄せられたとか。
彼はギリギリまで無実を主張してましたが、1989年の死刑執行の数日前になってから30件にも及ぶ犯行をペラペラと喋り出したとのこと。
89年1月24日の死刑執行はテレビでライブ中継され、刑務所前は大勢の人が詰めかけて盛大に盛り上がったそうです。

この希代の殺人鬼テッド・バンディとはいかなる人物だったのかを、彼と一時恋人だったエリザベス・クレプファーの回顧録を基に映画化したのが本作。
しかしこの映画、殺人鬼を題材にした一連のサイコパス映画とは違い、テッド・バンディ(ザック・エフロン)の恋人でシングルマザーのリズ(リリー・コリンズ)の視点を中心に描かれるので、犯行そのもののシーンは最後のギリギリまで出てきません。

もちろん観る我々は彼が殺人鬼だと分かってて映画を観る訳ですが、インテリジェンスに富み、優しい一面を持つバンディの、猟奇殺人者のイメージとはほど遠い好人物ぶりに触れると、ヒロインのリズの心理とシンクロしてしまう錯覚に陥るような感覚を味わいます。
「本当に犯人は彼なのだろうか?」

この映画は犯罪者は昼日中でも、人が多い場所でも、ごく普通の顔をして現れるのだという教訓でもありましょう。
バンディが面会室でリズから「被害者の頭部をどうしたの?」と問われ、曇ったガラスに指で、「HACKSAW(糸ノコ)」と書くシーンが怖いですね。

        


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「燃えよスーリヤ!!」

インド映画としては異色のカンフーアクション映画。

主人公スーリヤ(アビマニュ・ダサーニー)は一見なんの変哲もない青年だが、どんな痛みも感じないという特別な体質の持ち主。
幼い頃に祖父から渡されたVHSのカンフー映画に衝撃を受けて以来、街の悪党を倒すことを目標として独自にカンフーの特訓を積んできた。
ある日、スーリヤは離ればなれになっていた幼なじみのスプリ(ラーディカー・マダン)が街を牛耳る悪の組織に狙われていることを知り、カンフーのほとばしる愛と痛み知らずの体を武器に悪の組織との全面戦争を決意する。
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痛みを感じない=喉の渇きに気づかない=脱水症状・・・ということで水分補給を怠るとぶっ倒れてしまうという弱点があるものの、やはり何をされても痛くないというシステマ芸人(コンビ解散しちゃったらしいですね)のような特異体質ヒーローなら、面白い映画ができそうなもんですが、無駄に張り切り過ぎるのがインド映画の悪いところ。
なんやかんやと詰め込み過ぎ。 サービス精神旺盛なのはよろしいが、その割にテンポがダルい。
あれこれ盛ったら、そりゃ説明が多くなるのも已むなし。 シンプルに、もっとギャグに走ってもよかったのでは?

        


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「だれもが愛しいチャンピオン」

障がい者がプレーするバスケットボールには「車椅子」と「聴覚障がい」、そして「知的障がい」の3つの部門があります。
このうち、パラリンピックの種目があるのは「車椅子バスケ」だけ。
意外と知られていないですが、聴覚障がいはパラリンピックには出られません。
そして「知的障がいのバスケ」は2000年のシドニー五輪まではあったのですが、この大会でスペインによる不正行為(メンバー12人中10人が健常者)が発覚したのをきっかけに、知的障がい者の全競技が現在までパラリンピックから外されているという経緯があります。

この映画は知的障がい者のバスケットボールチームの物語ですが、奇しくもスペイン映画。 それはそれとして。
2018年のスペイン国内の興行収入1位を記録し、スペインのアカデミー賞であるゴヤ賞でも11部門にノミネート、3部門受賞を成し遂げた感動作です。
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スペインのプロ・バスケットボールのサブコーチであるマルコは何よりも負けることが大嫌いで、すぐに頭に血が上ってしまう男。
そんな性格が災いして、試合中にヘッドコーチを罵倒したあげく、飲酒運転で事故を起こしてしまい、チームを解雇されてしまう。
おまけに判事から社会奉仕を命じられたマルコは知的障がい者たちのバスケットボール・チーム「アミーゴス」を指導する羽目に。
あまりにもマイペースで自由すぎるアミーゴスの面々の言動に翻弄されっ放しのマルコは頭を抱えるが、彼らの純粋さと情熱、豊かな個性に触れて一念発起。
やがて全国大会に出場したアミーゴスはチーム一丸となって目覚ましい成長を遂げ、まさかの快進撃を見せるのだが・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アミーゴスのメンバーを演じるのはオーディションを受けた実際の障がい者の人たち。
本作は基本コメディであり、彼らの"症状"をギャグにしたシーンもあります。
これに抵抗を覚える人がいるかもしれませんが、言えるのは彼らは世の中から取り残された敗残者ではないし、"症状"も負の面としてではなく、あくまでも"個性"なのだということが強調されていることです。
一応フィクションなのですが、ドキュメンタリー感覚で観ると感動もひとしお。
彼らなりに苦労はあったでしょうが、この世界で懸命に生きている姿に「人に負けなし、誰もが勝者」という本旨が胸を揺さぶります。

生体組織に異常が出る障がいを持ったヘスス・ビダルはマリン役を演じて、ゴヤ賞で新人賞を受賞。 障がい者では初のゴヤ賞受賞です。
「ママ、私を生んでくれてありがとう」というスピーチが会場を感涙の渦に叩き込みました。
YouTubeにもあがってるので、「goya 2019」でぜひご覧あれ。

        


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「ジョン・デロリアン」

これが2019年最後の鑑賞作品。

デロリアンといえば、言わずもながら「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場するタイムマシンの車。
でも本来は元ゼネラルモーターズの副社長だったジョン・デロリアンという人が独立し、自分で立ち上げた会社が生産した車「デロリアンDMC-12」のこと。
V型6気筒SOHCエンジン、排気量2849cc。 ボディはヘアライン加工のステンレス。
ガルウイングのドアが男子心を刺激しますが、130馬力とスポーツカーにしては物足りないし、燃費もイマイチ、故障も多いという残念な車。
それでも映画の影響か、根強い愛好家もいらっしゃるようで。
そのデロリアンを開発した人の半生を描いた映画なんですが、これがなかなかの破天荒。

ジョン・デロリアンはポンティアックGTOの産みの親として知られ、その功績ゆえに若くして出世したものの、クルマつくりの現場から離れるのが嫌で、48歳の時にGMを退社して「デロリアン・モーター・カンパニー」を設立。
こうして彼は夢の車デロリアンDMC-12を開発するのですが、欠陥だらけの車は全く売れずに3年半で生産は終わり、会社も倒産。 おまけにジョン・デロリアンは麻薬の取引で逮捕されるというドツボな事態に。

実はこの逮捕劇には、デロリアン(リー・ペイス)の近所に住んでいた麻薬の運び屋パイロット、ジム・ホフマンという人物が絡んでおり、一時FBIに逮捕された彼は取引として、資金繰りに苦労していたデロリアンを利用しようと思いつくのです。
危ない橋とはいえ、大金が手に入ることに目がくらんだデロリアンは麻薬取引の片棒を担がされて、まんまとホフマンとFBIのオトリ捜査に嵌められてしまうのです。

そんな顛末を描いた本作ではDMC-12のことはあんまり触れられないので拍子抜けしてしまう分、ジェイソン・サダイキスが演じるジム・ホフマン目線で描かれるドラマに正直身が入らず。
友情の選択のラストがシブいけどね。

        

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「男はつらいよ お帰り 寅さん」

子供の頃は実家に風呂がない時代がありまして、銭湯に通っておりました。
銭湯に行きますとロビーの壁によく近日公開の映画のポスターが貼られていましてね。 ゴジラやガメラや大魔神などのポスターにテンションが上がったもんです。
もちろん「男はつらいよ」のポスターの時もありましたが、これ最初にタイトルを見た時、「オトコワ・ツライヨ」と読まずに「オトコ・ハツライヨ」と読んでしまいまして、「ハツライヨ? なんじゃそれ?」と首をかしげながら、長いあいだ「ハツライヨ」だとばかり思い込んでいた時期がありました。

もうひとつ余談。
実はアッシは「男はつらいよ」を一本も映画館で観たことがありません。
若い頃に、最初にテレビの洋画劇場かなんかで放送された何本かを観て、「映画館に行くまでもない」カテゴリーに入れてそれ以来まったくです。

というわけで、自身初めて映画館で観た寅さん映画がコレなわけですが、何故観ようと思ったのかは、やっぱり「どうやって作るの?」というのが気になったから。 それに、もう寅さん映画を劇場で観る機会はこれが最期だろうと思ったこともありますね。

渥美清が亡くなって24年。
前作からは23年も経ってますし、どんなドラマで構成していくのかというと・・・。
81年の第27作目からずっと出演している吉岡秀隆の満男のその後の物語を中心に、過去作の映像でもって寅さんの思い出にフラッシュバックするという形をとっています。
てっきり、渥美清をCGとかで何とかして登場させちゃうんだろうか思ってましたが、そこまでではなかったですね。

「男はつらいよ」を長年親しんできた方には感慨深いものがあるのでしょうが、残念ながらアッシはそこまでではないので・・・。
それでも共演者や山田監督、スタッフら携わった人たちの"寅さん愛"がジンワリと伝わってきます。
外国暮らしの長いゴクミはちょっと日本語がヘタになりましたかな?

        


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「リンドグレーン」

「長くつ下のピッピ」や「ロッタちゃん」シリーズなどで知られるスウェーデンの世界的な児童文学作家のアストリッド・リンドグレー
ン(1907~2002)。
彼女にとって最も激動の時期だった16歳から20代までの若き日を映画化。

アストリッド・リンドグレーンは旧姓をエリクソンと言います。
映画はまだ彼女がアストリッド・エリクソンであり、作家デビューもしていない時代に絞って描かれますが、ともかく波瀾万丈。

信心深い家庭で、特に母親は厳格な信者。 奔放な性格のアストリッドは神だの教会だのというのが性に合わず度々母親と衝突。
中等学校を卒業した16歳。 新聞社で働きだしますが、そこの編集長ブロムベルイと恋仲に。 ちなみに編集長さんはなかなか別れてくれない奥さんと離婚調停中。
だが、アストリッドは妊娠してしまい、もちろん信心深い両親は許さず、近所に知られないように隣国のデンマークで出産させ、子供は里子に出されます。

1年経っても子供を引き取りに行けないアストリッドの苦悩を解さないブロムベルイとスッパリ別れたものの、デンマークに行く金がない。
国立自動車連盟での仕事を得て、金銭的余裕もできて息子ラッセを引き取りに行くのですが、2歳半になった我が子はすっかり養母が母親と思いこんでしまっていてアストリッドは拒絶されてしまいます。

養母が病気で倒れ、両親の反対を押し切ってラッセを引き取ったアストリッドですが、息子はなかなか懐いてくれない上に、咳が止まらない病気になるわとアストリッドの心身は一杯一杯に。
そんな時に手を差し伸べてくれたのが職場の上司のステューレ・リンドグレーン。
「今すぐ帰りなさい。 息子さんの病気が治るまで会社に出てきてはいけない」 ステューレ、めっちゃいい人!
しかもちゃんと医者の手配まで。 「もうお金は頂いてますよ」とお医者さん。 
イケすぎてるぜステューレ!

ラッセを看病する枕もとでアストリッドが「お話」をしてあげたのが、児童文学作家への萌芽だったのでしょうか。
お母さんと和解するラストのホノボノ感がいいですね。
自立と慈しみ。 女性として母として純粋な気持ちを貫いた文士の波乱のアーリーデイズ・ストーリー。

        


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「ルパン三世 THE FIRST」

なんでまたわざわざ3DCGにするんだろうかと思っていたら、原作者・故モンキー・パンチ氏の念願の構想なんだそうで。
それを山崎貴監督が遺志を受け継ぐ形で実現した新作。

3DCGにすると、それはそれでいい部分もあれば拙い部分もありますな。
大きなスクリーンと併せての3DCGは前後左右のダイナミックなアクションやスペクタクルな描写にきっちり活かされており、視覚的な娯楽は存分に果たしています。
それでも、通常の2Dの「ルパン三世」のキャラクターの動きのエッセンスを限りなく残そうとしているためか、そのリアルさが却って不自然に見える点がなきにしもあらず。

ひょろ長い手足の関節がすばしっこく動くあの独特な描写は2Dだからこその味では?とも思うのですが。 まっ、そんなに気にするほどじゃあないんですけどね。
全体的には十分楽しめたし。 いいんじゃないかな、カリオストロっぽいけど。 今回はあくまで目で楽しむコンセプトのルパンですから。

それにしても悪役がヘボい。

あれ? 五右衛門のあのセリフは?
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