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アベンジャーズ/エンドゲーム (其の壱)
2019年05月17日

bb1dec302d34db04.jpgあらためて。
30年に渡った平成の世が終わった。

「笑っていいとも!」や「めちゃイケ」が終わり、「こち亀」の連載も終了。
SMAPが解散し、安室奈美恵が引退し、イチローが現役生活に別れを告げた。

数々の「ひとつの時代」が去って行った中、平成と令和をまたいだ晩春にさらに我々は偉大なる「ひとつの時代」とサヨナラせねばならない。

2008年にスタートし、血湧き肉踊らせ、夢と希望の世界へ誘ったヒーローたちの一大大河、「マーベル・シネマティック・ユニバース」(MCU)もまた、本作「アベンジャーズ/エンドゲーム」をもって、ひとまず区切りが付けられることになる。

アメコミ・ヒーロー。
我々日本人にとっては洋モノのコミックが生んだヒーローとなると、それまではスーパーマンとバットマンというDCの二大巨頭の方になじみがあり、マーベルではせいぜいスパイダーマンくらいしか知名度で勝負できるヒーローはいなかった。

そこに来て、2008年。 日本では「インクレディブル・ハルク」の次に公開された「アイアンマン」という魅力たっぷりのヒーローの出現によって、我々はマーベルの世界に片足を突っ込むことになる。
このアイアンマンの存在という功績は、その後のMCUの展開に取ってかなり大きいものになった。

「マイティ・ソー」、「キャプテン・アメリカ」、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」、「アントマン」、「ドクター・ストレンジ」、「スパイダーマン」、「ブラックパンサー」、「キャプテン・マーベル」・・・・・
正義に燃え、等身大の悩みに葛藤しながら全力で戦うヒーロー。
ヒーローの魅力に国境がないことを改めて知った我々は、次から次へと登場するアメコミヒーローに喝采を贈った。

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そして2012年。 ヒーローたちが一同に介して敵と戦うオールスター映画「アベンジャーズ」の登場が歴史の一歩を刻む。

互いの垣根を越えて団結する心と姿が輝きを放つアンサンブルは、ヒーロー映画にひとつの可能性を示したエンタテインメントの極地ともいえる傑作だった。
もちろんヒーローたちは浅はかな仲良しこよしのまま、汗と涙と血を流してきたわけではない。
敗北の恐怖から間違った道を選択したり、守るべき優先順位と大義の狭間で揺れ動く彼らの間には時として軋轢が生まれ、アイアンマンキャプテン・アメリカは袂を分かつまでに至った。

それでも、そんな彼らだからこそグッと来たのだ。
誰もが何かを犠牲にしてきた。 貴重な“授業料”を払って彼らはヒーローになり、正解のない戦いを続けてきた。
葛藤と決断を繰り返しながら巨悪に立ち向かっていく、人間より人間らしくあったヒーローたち。
そんな彼らの伝説が遂に終わる。

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丁度、昨年の今頃に公開された「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」。
宇宙の均衡を保つためには生命の半数を消滅させるべきという歪んだ信念に囚われた宇宙の暴君サノス
その無限の力を発揮できる6つのインフィニティ・ストーンをすべて奪おうとするサノスとそれを阻止するための戦いに挑んだアベンジャーズだったが、最終的には義理の娘の命さえも差し出す覚悟を見せたサノスに軍配が上がる。

ガントレットを装着したサノスの指パッチンひとつで、人類をはじめとするすべての生命の半分が消滅。
スパイダーマンドクター・ストレンジブラックパンサースターロードスカーレット・ウィッチファルコンウィンター・ソルジャーなどが次々と塵となって消え去って行く、その衝撃のエンディングはトラウマになるほどの絶望感を観客にもたらした。

これを観て、次作の完結編に興味を持たぬ者などいないであろう。
この1年間、ネット上で流出だのリークだのという余計なお世話の情報などには耳目を貸さず、早く観たいという渇望感にジッと耐え続けてきたた。

平成最後に鑑賞する映画をこれに決めて、迎えた4月30日。
退位礼正殿の儀のその日、アベンジャーズもまたひとつの“退位”となったその作品は、これまでのヒーロー映画の鑑賞で経験し得なかった、一つ上の次元の感動があった。

これより語るアベンジャーズ最大最後の激闘の記事『其の壱』。
ここから先の文章は、「もうみんな観たよね」と決めつけて書いていくのであしからず。


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まず、前作終了後、アベンジャーズが直面した未曾有の難局を打破するキーパーソンになるのは誰なのかというのが話題になった。

やはり、1400万605通りの未来を覗いてきたドクター・ストレンジが、トニー・スタークを救うためとはいえ、易々とタイムストーンをサノスに渡すはずがないだろうというのが大方の見方だった。
アッシもストレンジがタイムストーンに、時限的な何かが発動するような仕掛けを施した上で手放したと見ていたが どうやらそうではなかったようだ。

だが、“トニーを救うためにストーンを手放した”ことには重大な理由があったことに違いなく、「これしか道がなかった」というストレンジの選択は、“トニーが生きていなければならない未来”が大きく関わっていたのだと我々は知ることになる。

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その後、公開された「アントマン&ワスプ」では、悪役というほどの悪役が登場するでもなく、ハナからケツまで量子の言葉が飛び交うほど量子世界の関わりが大きく描かれた。

本編が終わり、ミッドクレジット・シーンで量子世界へ行くスコットに声をかけたジャネット・ヴァン・ダインのセリフには「時間の渦(タイム・ヴォルテックス)」の存在が明かされている。
その直後、ピム博士、ジャネット、ホープは塵となって消滅してしまうが、量子世界に行っていたスコットは閉じ込められたとはいえ、難を逃れた形となった。

そして、その後に解禁になった「アベンジャーズ/エンドゲーム」の予告編で、アベンジャーズの基地の監視カメラに語りかけるスコットの映像を見てキャップ「録画映像か?」と驚くシーンを見せられれば、『量子世界』こそが逆転の鍵ではないかと感じた方も多いだろう。
予告編の第2弾でも、アベンジャーズの生き残りメンバーが全員同じ白いアーマーを着て歩いているシーンも『みんなで量子世界へ行くため』という解釈が、ほぼ大方で一致する見方だった。

要するに、というか、結局のところ。 死んだ者を甦らせるためには「タイムトラベル」しか手がなかった訳だ。

ドクター・ストレンジアントマンの他に、アベンジャーズの反撃の鍵を握る人物がこれまでアレやコレやと考察されてきたが、映画を観終わってみると、ほとんどの人物がそれなりに大事な役割を果たしており、“タラレバ”ではなく、「○○が~したから」、「△△が~したので」という「カラノデ」が随所に見受けられる。
ヒーロー集合映画に絶妙なバランスを取った2012年のノウハウが、ここではさらに高いレベルで応用されているのだ。
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物語の大筋と流れを要約すると~~

~ 家族と幸せに暮らしていたホークアイ=クリント・バートン、突然妻子の消滅に遭う
トニー地球に帰還 
~ アベンジャーズ、とある惑星の“農園”に向かってサノスを殺害 ・・・ストーンは破壊されて原子に戻ったとのこと
~~~ 5年経過
アントマンスコットが量子世界から帰還して合流 ・・・ 量子トンネルを使って過去へ行き、消えた人々を戻す計画を提案
バートンナターシャと再会し、計画に参加
~ すでに家族持ちのトニーは当初計画を拒否するも、後に翻意して、“タイム泥棒”作戦開始
~ インフィニティ・ストーン全6個の回収に成功
~ 過去のサノスがアベンジャーズの動きを察知して、ネビュラからピム粒子を奪う
ハルク=ブルースがガントレットを使って、人類復活のための指パッチン
~ ピム粒子で現代にタイムスリップしてきたサノスの軍勢、アベンジャーズ本部基地を襲撃
アイアンマンキャップソーらがサノスと再戦
~ 消滅していたメンバーたちが復帰しての一斉集結しての総力戦
 
アベンジャーズ・アッセンブル!

ポイントとなる個所はあまりに多い。
ストーリーの流れに関係なく、キャラクターごとにチャプターを立てて「アベンジャーズ/エンドゲーム」を説いていこう。

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【我こそは絶対なり。 野望一途の暴君、サノス】

あの手この手でインフィニティ・ストーンを集めて、生命の半分をリストラしてみせた恐怖のコストカッター。
地球での野望を果たしたあと、彼はとある惑星に行き、ストーンを破壊する目的でもう一度ガントレットを使用したらしい。
その後、また別の惑星に行き、自ら“農園”と呼んでいるそのまんまな長閑な場所で夢の田舎暮らしを満喫している。

ストーンをはめたガントレットを使うと強力なガンマ線によって肉体を蝕まれるため、2度も使ったサノスは歩くのがやっとのポンコツ状態。
そこへ居場所を嗅ぎつけた生き残りのアベンジャーズがアポなし訪問。
破壊されたストーンは原子に戻って、この世界にはないのだということを白状した途端、ソーによって首をぶった切られて絶命する。

映画が始まって30分経ったか経たないかの内にサノス死亡というビックリな展開。
しかし、ここからナンヤカンヤあって、アベンジャーズが過去にタイムトラベルしてストーン集めに奔走してることを知った(過去の)サノスが現代にやってきて、結局またオマエとやんのかいという、絶好の仕切り直しへとなだれ込むのだ。

「敗北に耐えられなかったか。 過去を知る限り、新しい世界を拒絶する者が現れる」


さて今一度、映画の冒頭部から。
無題
 前作、タイタン星でサノスと対峙したものの、そのあまりの強さに屈し、ストーンは奪われるわ、ストレンジスパイダーマンも消滅してしまい、ネビュラと二人っきりになってしまったアイアンマン=トニー・スタークは、航行不能の上、残りの酸素がわずかになったべネター号の船内で、あとは死を待つばかりの状態。

アイアンマンのヘルメットに向かって、ペッパー・ポッツに対して「死ぬ時は君の夢を見るよ。 でもSNSには上げるなよ」というメッセージを残すトニー

そんな、“もう、あきまへんわ状態”のトニーを誰がどうやって救出するのかも気になる重要案件だったが、適任者は「そりゃそうだよね」というか、当然彼女しかいない。
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【最強覚醒。 宇宙を救うトップガン、キャプテン・マーベル】

3月に公開された『キャプテン・マーベル』のミッドクレジット・シーンで初めてアベンジャーズの前に参上したマーベル嬢
彼女がいなければトニーはとっくに宇宙空間で即身成仏と化していた。

いや、突き詰めれば、ニック・フューリーが消え去る寸前に、マーベル嬢から渡されていたポケベルを送信したのが超ファインプレイだったかも。
地球で何が起きたかを知った彼女は、宇宙までひとっ飛びし、トニーの乗ったべネター号を軽々と地球まで“お持ち帰り”してくる。

能力はスーパーマン級で、既出のマーベル・ヒーローの中ではスピードもパワーもケタ違い。
地球と同じことが起きた別の惑星に出張してヒーロー活動。
その忙しさから一旦物語から退場するが、クライマックスのオイシイ所で再登場。
「私が手伝おうか? ピーター・パーカー」

出番は少ないが、十分に主役級の動きで貢献。
MCUのフェイズ4以降の主軸となる可能性は高い。


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【未踏領域の希望。 『BTTF』を地で行く専業主夫、アントマン】

『アントマン』(15)で量子世界に入ってしまったスコット・ラングは、とっさの判断で拡大ディスクを作動させて現実世界に帰ってきたが、『アントマン&ワスプ』の最後では拡大ディスクを持たずに量子世界に行ってしまっている。

では今回どうやって帰還できたのか? 確かに謎ではあるが、ちっちゃいことは気にしないワカチコな精神でスルーするのがエンタメ映画を楽しむための鉄則。
まあ、なんやかんやとやってたら帰ってこれたってことだろう。

現実世界に帰ってきたら5年経っていたという浦島さん状態で、愛娘のキャシーちゃんが助かっていたのが何より。 10歳から15歳になってたら全然変わるもんだね。 あたりまえか?

量子世界を使って、消えてしまった人たちを復活させる手立てを提案した言い出しっぺとして、彼もまた重要な貢献者。
「5年は5時間。 量子世界では時間の流れが違う」
トニーから「バック・トゥ・ザ・フューチャーを地で行くつもりか?」とダメ出しされるが・・・。

量子トンネルを使っての実験では赤ん坊になったり爺さんになったりのコメディパートもあるが、バトルでは巨大化ヴァージョンで大活躍。


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【愛か憎しみか。 孤高の暗殺者、ネビュラ】

サノスに忠誠を誓いながらも憎んでおり、ガモーラにも姉と認めながらも、やっぱり対決で勝てなかった憎しみを持っている。
好きと嫌いの感情がややこしくなっている、面倒くさい女だ。

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のシリーズでは、どうもウザく感じて仕方がなかったヴィランだったが、本作の冒頭でトニーと即席のミニゲームをしており、たかがそれに負けたぐらいで、エサをもらえないゴリラのようにキレるキャラの相変わらずさは却って愛おしい。
そんな彼女がよもやのキーパーソンとなる。

野望を果たしたあとサノスがどこへ行くのかを再三聞いてた彼女はそれをリークし、いざサノスに再会した時、(自分には本当のことを言ってたんだな)という複雑な感情を覗かせる。
「お父様は嘘をつかない」

サノスがパワーストーンを手に入れたあとの過去の惑星モラグにローディと向かった時、その時代のネビュラと波長がシンクロしてしまい、サノスにアベンジャーズの作戦がバレてしまう。
しかも捕まってピム粒子を奪われてしまい、バトルへの引き金になるという、ある意味、話を面白い方向に持って行った“立役者”。
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

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「最近ヒーローものの映画多くない?」 「あ、たくさんあるよね」
「なんだっけな?」 「飛ぶやついない?」
「まあ、だいたい飛ぶけどね」 「あ、確かに」
「めっちゃムキムキなのいるよね」 「人間?」
「人間だと思う」 「あとさあ、アライグマみたいなやつ」
「あ、それさあ、アベンジャーズじゃない?」 「なんか、新しいやつあるよ」
「え~?」 「調べてみる?」
「うん」 「グーグルでぇ、『アベンジャーズの・・・』」
「アベンジャーズの?」 「『新しいやつ』」 
「そのままだね」 「これじゃない?」 
「あーっ」 「エンドゲームぅ」 「いや、こっから見れるよ」 (カチッ)
「てかさあ、アライグマ、カッコ良くない?」 「うん」
「アライグマって呼ぶと怒るらしいよ」 「いいじゃ~ん、アライグマでぇ」
「へへへ~」

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「おめえら、そんなにハチの巣にされてえのか?」

【反逆の浣熊。 怒れる顔面ファー、ロケット・ラクーン】

「ケッ、近頃の地球は、くっだらねえCMばかりやってやがんな」
 すいませんねえ。
「腹の虫が収まらねえ。 BPOに言いつけてやろうか」
 いやJAROの方じゃないですかね? 
「どっちでもええわい!」
 アライグ・・いや、ロケットさん、今回も大活躍でしたね。
「そうかあ? ヒゲデブの子守りで精一杯だったぞ」
 それで十分。 神様の顔面を張り倒せるのはアライグ・・いやロケットさんだけ。
「俺の知らんうちにヒーローが増えたなあ。 ちっこくなるオヤジとか、光ってるネーチャンとか」
 マーベル嬢に『顔面ファー君』って言われてましたね。
「ベッピンの言葉責めは嫌いじゃねえ。 例の呼び方さえしなきゃな」
 ハードボイルドなマスコットとして、ちょっとの言動でも場をさらうアライグ・・・いや、ロケットさんのキャラクターは貴重ですよ。
「なあ、おまえ」
 はい
「さっきから“ア”と“ラ”と“イ”と“グ”と“マ”を言いたそうにしてるが、俺の気のせいか?」
 だと思いますよ。 
「宇宙船ぶっ飛ばして銃をぶっ放して、それでケモノ呼ばわりされちゃたまったもんじゃねえ。 ロクに宇宙に出たこともねえヒーローと比べりゃ俺様がどれだけカッコいいか」

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「俺の船で吐くなよ」


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【その力を誰がために。 救いを求める超人、ハルク】

自分の中にあるパワーと、本当の自分との間でこれほど葛藤してきたヒーローは他にいまい。
激しい怒りを糧に得る強大な肉体とパワーは、自分を見失うと共に愛する者さえ傷つけかねないリスクを負っている。

ヒーローとして求められながら力を制御できない自分を常に責めていたブルース・バナーだが、「マイティ・ソー バトルロイヤル」(17)の際には異星で暮らしていたせいか、ハルクの姿のままでも意思疎通能力が向上するまでに至っている。

そして「インフィニティ・ウォー」でサノスに惨敗を喫してから、変身しようにもハルクの人格が拒否してできない体になってしまっていたが、今回は肉体と脳の融合に成功。
ブルースの人格を失うことなく、ちょっと小さめのハルクになったままの状態になった。
字を読む時はメガネもかける。
子供たちとの写真撮影にも気軽に応じるなど、前作からのコメディパートを引きずっているのだが、今回のハルクは相当に重要な役割を果たしてみせるのだ。
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悩める彼をいつも慰め、勇気づけて支えたのがナターシャ・ロマノフであり、ソーでもある。
この二人とのつながりがブルース・バナーの中の使命感を動かす大きな要因ともなっていて、本作ではより深く、いくつかのヤマ場に関わっている。

「インフィニティ・ウォー」でサノスを倒し損ねたソーがその後、“農園”で死にかけのサノスを意味なく殺して、どうすることもできない無力感から隠匿してしまう。 そんなソーを今度はブルースが立ち直らせる。
「君に助けられた」

2012年のニューヨークで、ドクター・ストレンジの師匠エンシェント・ワンと直談判し、タイムストーンを持ち返ることにも成功するが、さらにブルース・バナーには大きな役目をこなす時がくる。 深い悲しみと共に。


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【なりたい己を求めて。 失意の雷神、ソー】

サノスを殺し損ねた失敗を悔い、やっと見つけたサノスのもとには既にストーンはナシ。
くたびれたサノスの首をはねても、これ以上事態をどうすることもできない虚無感に陥った彼は、港町でアスガルドの数少ない生き残りの民と共に隠匿生活に入ってしまった。

酒呑んで寝るだけの生活を5年も続け、ライザップもさじを投げるドスコイボディとなり、モップみたいなヒゲがボーボーという堕落のお手本ヴィジュアルと化した今回のソーはコメディ要素が強め。
神様なのにメンタル弱すぎじゃないかと思えるが、精神的にすんなりと処理しきれない憂い事が彼の場合多すぎるのだ。

アスガルドの王位継承者として国の全滅を防げなかったこと。
目の前で義弟ロキが殺されたこと。
両親や親友ヘイムダルの死。
元カノのジェーンを危険にさらしてしまい、別れてしまったことも未だに引きずっている。
サノスの頭さえ狙っていれば・・・というミステイクは想像以上にソーの心を折ってしまったのだ。
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劇場がざわつくほど激太りしたソー
グラサンをかけ、これにギターを持たせたら完全にZZトップである。
もちろんこれはクリス・ヘムズワースが“頑張った”のではなく、ファットスーツという特殊コスチュームだそうで、かなり重いらしい。

消えた人々を戻す手が残ってることを知ったソーは、ロケットと共に過去のアスガルドへとタイムトラベルし、亡くなる前の母フリッガと再会する。
「善き人、ヒーローとはありのままの自分を受け入れること。 あなたの望む自分になりなさい」

自分の弱さを知ることから前へ進む力が生まれる。
「俺はまだやれる」


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【選ぶべき道のために選ばれた。 雑草の弓世主、ホークアイ】

ホークアイ=クリント・バートンはアベンジャーズを離れ、家族と幸せに暮らしていた(形式上は自宅軟禁)。
しかしサノスの野望が実現した瞬間に、クリントひとりを残して家族は消滅してしまう。

傷心のクリントは『ローニン』と名を変えて、世界各地を周り、悪党たちを問答無用に殺しまくる日々に明け暮れていた。
ローニン来日東京訪問大歓迎。
いきなり真田広之登場。 ローニンに襲撃されるヤーさんの役らしい。 しかし出番はものの数分。

「なぜ、こんなことをするんだぁ!」
「オマエラミタイナクズガナゼ、イキノコッテルノカーッ」
大勢の人が死んだ。 クリントの家族も。 善人悪人関係なく消え去り、もちろん社会のクズも同じように死んだ者もいれば生き残った奴もいる。
クリントは、生き残った悪党どもをどうしても捨て置けない。
この手で悪党を片っぱしから葬らねば、何の罪もない家族が消え去った理不尽に対する気持ちの整理がつかない。

なぜ、「死ぬ方」と「残る方」に人々は選ばれたのか。 自分はなぜ、生き残ったのか。
死ぬべきクズどもを斬るために。 それが己の選ぶべき道。 その道を行くために自分は選ばれたのだとクリントは剣を振るう。
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こんなことをして何になるのかと虚しさだけが募り、どんなに悪党の屍をこしらえてもクリントの心は晴れない。
そこへ彼の行方を追ってやってきたのはブラック・ウィドウ=ナターシャ・ロマノフ

アベンジャーズ結成時からの腐れ縁である二人は共に特殊能力を持ってる訳でもなく、アイアンマンのようなスーパーウェポンもなく、鍛え抜かれた肉体とアナログながら研ぎ澄ました戦闘技術だけでヒーローと肩を並べて戦いに身を投じた。
そんな二人だからこそ、二人のあいだだけに通じ合える特別な共感がある。

それまで二人は意識しなかった。 その感情が愛であることを。
そして、その愛に気づいた瞬間に、どちらかが愛を捨てる道を選らばねばならない修羅場が訪れるのだ。
「お互い、考えてることが違うようだな・・・」


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【Avengers is Family。 殉愛の女傑、ブラック・ウィドウ】

アベンジャーズの紅一点、ブラック・ウィドウ=ナターシャ・ロマノフ。 彼女にとって身も心も拠り所にしているのはアベンジャーズを置いて他にない。
幼少期から数奇な運命を辿り、国家の隠密として諜報の世界で暗躍してきた。
S.H.I.E.L.D.のエージェントからアベンジャーズへ。 とかく戦いだけに費やされてきた彼女の人生。
仲間たちが大切な家族となっていったのも必然だった。

「あたしには何もなかった。 でも手に入れた、この家族を。 離れ離れになってもいい人間であり続けたい」

その家族を取り戻すためにナターシャは、まだあきらめない。
ふいに現れたスコット・ラングが希望をもたらし、「それでも全部は救えない」と言うキャップにナターシャは、あきらめの心の弱さをクールにたしなめてみせる。
「そう思わせたのなら、数少ない私の過ちのひとつ」
ここが現代の豪姫ナターシャ・ロマノフの凄さ。

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彼女は、アベンジャーズという家族の中の母であり、妻であり、姉であり、妹であった。
傷ついた男たちを支え、励まし、時に共に汗と血を流しながら、ナターシャは歓びを知った。

クリント・バートンブルース・バナーに女としての気持ちを抱きながら、アベンジャーズの戦士として、その愛のために殉じる覚悟はいつでもできていた。
孤独で過酷なブラック・ウィドウの戦いの人生は、一つの大いなる決断を持ってピリオドが打たれる。


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【英雄は退かず。 不屈の正義バカ一代、キャプテン・アメリカ】

敗北感に打ちのめされたヒーローたちは5年間もの間、心の傷に苦しんだ。
ソーは堕落し、クリントは殺戮に駆られ、トニー・スタークはヒーロー活動から身を引いた。

ヒーローの存在の意味も失われた世界で、キャップの心境にもさざ波が立つ。
彼は家族を失った人たちの心のケアを努めていた。
「進むしかないんだ。 世界はこの手の中にある。 僕らにしかできないことをする。 そこに生き残った意味がある」

進むしかないと言いながら、キャップ自身もどこへ進めばいいのか分からない。
サムバッキーもいない。 家族は元からいない。 生き残った意味さえもつかめない彼はこの世界で孤独を味わっていた。

同じく身寄りのないナターシャは未だアベンジャーズの活動にすがっている。
そんな彼女にキャップは、進む方向を変えるのも選択肢の一つではないかと聞いてみる。 答えは分かり切っていたが。
「新しい道を行くこともできるのでは?」
「お先にどうぞ」
だがこの会話が後々、意外な形で現実となるのだが。

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思えば70年前。 国にその身を捧げた彼は、いざヒーローへの道を歩みだした矢先に大きく運命が変わってしまった。

愛するペギー・カーターも親友バッキーもいない世界で70年の眠りから目覚めた彼は、その未練を断ち切ろうと戦いの場に自らを埋没させた。

アメリカの希望。 アメリカの理想。 そして、正義へと導くアメリカのキャプテン。
平和のためには寝る間も要らぬ。 孤独を脇に置き、ひたすらにヒーロー道を邁進し続ける。
それ以外は頭になく、少々青いところもあったんだなと、2012年にタイムトラベルでやって来たキャップは当時の自分と対決しながら複雑な思いに駆られていた。

おまえはひとりぼっちじゃないぞ、スティーヴ。 バッキーはまだ生きてるんだ。

「アメリカのケツか・・・」


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【3000の愛をこめて。 不滅の鉄のハート、アイアンマン】

サノスに敗れ、キャプテン・マーベルに助けられて地球に帰還したトニー・スターク
何もかも手遅れで打つ手なし。
スティーヴと幾度となく自衛論を交わしていたトニーの最も恐れていた事態だった。
「負けるときは一緒だと言ったよな? そして負けた。でも君はいなかった。 今やアベンジャーズは報復しかできない」
絶望したトニーはアベンジャーズから距離を取る決心をする。

5年後。 トニーは妻ペッパー・ポッツと幼い娘モーガンと共に幸せに暮らしていた。
量子世界から帰還してきたスコット・ラングからのタイムトラベルの提案を即座にダメ出し。
「プランク単位系を阻害し、ドイチェの定理を引き起こすぞ」
ふ~ん、なるほどなるほど・・・・・ いや、分からん!

彼は恐れていた。 もう、誰かを失うのは御免だ。
「トニー、立ち向かわなきゃ」
「その結果がこれだろ」

 それでもトニーの心にずっとトゲのように刺さっているのは、ピーター・パーカーのことだった。
自分があの坊やをこちらに引き込んでしまった負い目がある。
ピーターを失った家族や友人の心痛はいかばかりか。 
自分は今、のうのうと家族と平穏な生活を送っているというのに。

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人工知能「フライデー」のシミュレーションでタイムトラベルが可能であることを知ったトニーは再びアベンジャーズに戻ることを決意する。
「仲直りだ。 怒りは心を狂わせる」

「シビルウォー」の一件で「父が作った盾を君が持つ資格はない」トニーが預かっていたキャプテン・アメリカの盾が2年越しにスティーヴに返された。
君が必要なのだ、キャプテン・アメリカあってのアベンジャーズなのだという意志をトニーが示してみせた、このシーンはあまりにも新鮮だ。

元より最初の頃から今いちソリの合わなかった二人である。
ヒーローというものの立ち位置に対して幾度となく意見が衝突した。
自分たちを兵士と称するスティーヴトニーは公然と批判し、スティーヴトニーを自己中心的だと嫌悪感を示していたこともあった。

そんな反面、互いに認めっていた部分もあるのだが、「シビルウォー」での一件は決定的な遺恨を残した。
最後にスティーヴからトニーに送られた手紙にまだ救いがあったとはいえ。

両雄並び立たずを地で行く、二人の「ヒーロー観」をめぐる人間ドラマも「アベンジャーズ」シリーズの魅力でもあった。
トニーの父からスティーヴへ、スティーヴからトニーへと渡りゆく盾は再びスティーヴの手に帰る。
両雄は遂に並び立つ。

タイムトラベルしてのストーン奪還作戦が失敗した2012年のニューヨークで、トニースティーヴに秘策を持ち掛ける。
「私を信じるか?」
「もちろん」
男と男の和解は美しい。

無題 i 

今回の記事はここまで。

とにもかくにも、この映画、あまりにも書くことが多い。

あのシーンがどうだ、このシーンがああだと、誰彼となく語り合いたくなる、激押しハイライトシーンの数々を書き尽くす次の記事「其の弐」は近日UP。
しばし待たれい。

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