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他にもこれ観ました ~3月編
2019年03月30日


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「アリータ:バトル・エンジェル」

原作は木城ゆきとのコミック「銃夢」(ガンムと読むんだそうてすな)。
申し訳ないが全然知りませんわ。

ギレルモ・デル・トロがオタ友のジェームズ・キャメロンに、このコミックを「読んでみて」と持って行ったのが映画化の発端。 それも25年も前のこと。 映画化権を獲るのにも随分時間がかかったらしいですね。
忙しすぎるキャメロンがザックリと書いたまま置いてあった脚本を、ロバート・ロドリゲスがチョチョイとスマートに書き直したことから、監督も任されることになって、製作がどんどん進んでいったのだそうで。
さすがは我らのアミーゴ、ロバート・ロドリゲスですな。

さて。 この映画の予告編が流れ出した初めの頃。
プリクラ風の異様に目のデカいヒロインにちょっと不気味な印象を持った人は少なくないでしょう。
いくらコミックが原作だといっても、そこまで寄せなくてもと、この映画のデキを危うんでおりました。

結局そういうのも「慣れ」の問題でして、人にもよりけりでしょうが、映画を観てるうちにアリータの魅力は目が大きいからこそと思えるほどになりましたね。
性格描写が行き届いていることもあってか、早い時点で何の違和感も無くなり、むしろリアル。

ミステリー要素を孕んだストーリーはさほど複雑ではなく年齢層を問わず楽しめるものです。
映像もアクションも手が込んでますね。
観る前と観たあとの印象の差が激しく違う映画です。
        


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「サムライマラソン」

「超高速!参勤交代」の作家・土橋章宏の「幕末まらそん侍」の映画化。
なんでも、日本初のマラソンは江戸時代に行われていたのだとか。

安政2年(1855年)。 今で言う群馬県の安中(あんちゅう)。
安中藩主・板倉勝明は藩士を鍛え上げるために、50歳以上の96名の藩士を城門から碓氷峠の大権現までを折り返しとした約七里×2(58キロぐらい)を徒歩競争させたのであります。
これが【安政遠足(あんせいとおあし)】。 日本におけるマラソンの発祥と言われています。

でも徒歩だからね。 それをマラソンと定義しますのかいな?
ともあれ、この史実を舞台に、幕府の陰謀をめぐる藩士たちの攻防というフィクションを織り混ぜた時代劇エンタテインメント。
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時は幕末。 アメリカからの使者ペリーに開国を迫られている日本。
安中藩主・板倉勝明(長谷川博巳)は、アメリカが唱える和平は口先だけで目的は侵略だと疑っていた。
国と藩を守らねばと決意した勝明は藩士たちを鍛えるために十五里の道を走らせる遠足を開催する。
優勝者にはどんな望みも叶えられると聞いて色めき立つ藩士たち。
だが大会の裏では幕府の恐るべき陰謀が進められていた。

藩の勘定方の唐沢甚内(佐藤健)は、実は幕府の隠密である。
急に藩士たちが集められるという事態に、藩が不穏な動きをしていると見た甚内は幕府に報告する。
しかし藩士が集められたのは遠足のためであり、“不穏な動き”は自分の早合点であったことに気づいて報告を撤回しようとする甚内だったが、幕府は遠足の状況を利用して藩をつぶすための刺客をすでに放ったあとだった。
何も知らずに共に暮らしてきた妻(門脇麦)や、藩で出会った多くの仲間を救うために甚内は遠足に参加して刺客を迎え撃つが・・・・・
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「超高速!参勤交代」ほどのコミカルな味付けはほとんどない、シリアスなサスペンス。
かといって重たい話でもないのですが、上映時間100分チョイでは人物描写の不足も含めて、それこそ“駆け足”すぎる語り口。
なにより、ここが面白さではないかというはずのマラソンのシチュエーションはほとんど意味なし。
後半からはマラソンなどそっちのけの緊急事態になって、普通のチャンバラ・アクションになります。
原作未読なので何とも言えませんが、「侍たちのマラソン大会」という魅力的な素材をなんとか生かせなかったものか。
つまらない映画ではないんですけどね・・・。

監督はなんと、ホラー映画「キャンディマン」のバーナード・ローズが起用されております。
それにしては冒険が足らないのでは?
        


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「THE GUILTY/ギルティ」

昨年のサンダンス映画祭で観客賞を受賞した、ワン・シチュエーション・サスペンスのデンマーク映画。

緊急通報指令室のオペレーター、アスガーはある日、イーベンという女性からの通報を受ける。
どうも彼女は車に押しこまれて誘拐されたらしく、今まさにその真っ最中。
彼女は子供に電話するフリをして、移動中の車から緊急ダイヤルに救いを求めてきたのだ。
アスガーに与えられた手掛かりは電話から聞こえる音だけ。
車の発車音、犯人の息遣い、女性の怯える声・・・・
白のワゴン車・・・ 高速道路を北へ?
イーベンの自宅にはマチルデという6歳の女の子が在宅中で「ママを助けて」と訴える。
わずかな音だけを頼りにアスガーは果たして事件を解決できるのか・・・・
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めっちゃ面白いね、これ。
主要登場人物はアスガー役のヤコブ・セーダーグレンだけ。
物語はリアルタイムで進行し、電話のやり取りだけで会話がなされ、その“向こう側”の様子は分からないまま、観客も一緒にアスガーと共に耳を澄まして想像力を働かせることになります。
以前に観た、ハル・ベリー主演の「ザ・コール[緊急通報指令室]」も似通った内容でしたが、こちらは全編、指令室の中だけの舞台設定、しかも出てくるのはオッサン一人だけ。
このシチュエーションで1時間28分の上映時間ながら、よくもたせたなと感心します。

アスガーが推理力と的確な判断力で、女性を救出するのだろうなと思いきや、意外にもほどがある真相がクライマックスで明らかになります。
使われていないオモチャ・・・・ お腹にヘビがいる・・・・
車はそもそもどこへ向かっているのか?
ああ、なるほど・・・

そして最後の最後には、さらなる衝撃が。
アスガーが誘拐犯らしき人物に対し「おまえは加害者だ、罰を受けろ」と言っていたその言葉は、まんまアスガーにハネ返るのです。 それでこのタイトルだったのか。
        


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「翔んで埼玉」

強烈な埼玉ディスと自虐的埼玉愛に溢れたマンガとしてメディアに取り上げられてセンセーションを巻き起こした、魔夜峯央原作のコミック「翔んで埼玉」。
これがまさかの映画化。

埼玉県民が東京都民からひどい迫害を受けており、東京都内を自由に出入りすらできない架空の日本を舞台に、都内の名門私立高校でエリート都民であることを鼻にかける生徒会長の壇ノ浦百美(二階堂ふみ)が、転校生の麗(GACKT)と出会うことで埼玉を開放する闘いに身を投じてゆく・・・・
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大阪人である当方も面白い映画だなとは思うのですが、やはり観ていて、「あっ、ここは関東圏の人だったら大爆笑なんだろうな」と、なんとなく感じる個所がいくつかあります。

日テレでやってる『月曜から夜ふかし』で「東京23区問題」とかその周囲の県が時々イジられてるのを観てて、少々の予備知識はあるとはいえ、それでも関東圏以外の客層はついていくのに、ある程度のビハインドはしょうがないでしょう。

関西じゃ、他県と張り合ったり、ひがんだりとかは、あんまり聞かないですね。
「うちはうち!よそはよそ!」の気質が強いですし。

そんなに埼玉ってダサいの?
プロ野球チームもあるし、サッカーならレッズとアルディージャもあるしさ。
プロスポーツチームが本拠地を構えてるってのはポイント高いって個人的に思うんですがね。
何にしても、日本の国はどこに住もうと、皆いい所ですよ。
        


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「天国でまた会おう」

昨年のセザール賞で13部門にノミネートされ、監督賞、撮影賞、脚色賞など5部門を受賞したヒューマンドラマ。
「ロング・エンゲージメント」のアルベール・デュポンテルが監督・脚本・主演を務め、「BPM ビート・パー・ミニット」でセザール賞有望若手男優賞を受賞したナウエル・ペレーズ・ビスカヤートが共演。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1918年。 休戦間近の西部戦線。
中年兵士アルベールは(デュポンテル)は、上官プラデルの悪事を知ったため、生き埋めにされそうなるが、若い兵士エドゥアール(ビスカヤート)に助けられた。
だがエドゥアールはその時、爆撃で顔の下半分を失う重傷を負った。
戦後、家に帰りたくないというエドゥアールを世話するアルベール。
声を失ったエドゥアールだったが、彼の気持ちを"通訳"できる孤児ルイーズが現れる。
生きる気力を取り戻したエドゥアールは何もかもを奪った国を相手にした大胆な詐欺計画をアルベールにもち掛ける。
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ジャン・ピエール・デュネを思わせるような、ファンタジックな色合いを帯びた語り口。
冒頭、主人公が警察署長に取り調べを受けて回想するという形式で、大人の絵本を見るような映像とストーリーが繰り広げられます。
戦争とは、死ぬ者はもちろん、生き残った者からも多くの何かを奪ってしまうものです。
その悲劇に翻弄されながら、国に対して大胆ながらもささやかな報復を仕掛けて、生き延びた人生の意味に触れる二人の男たち。
そのドラマにはハッキリと戦争への憎悪が込められており、傷ついた者同士の友情の深さと危うさがやがて切ない結末を迎えるのですが・・・
主人公の話を聴き終えた警察署長もまた戦争で「失った人」なのでした・・・
        


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「移動都市/モータル・エンジン」

ピーター・ジャクソンが製作・脚本を務めたSF冒険ファンタジー。
都市が移動しまんねん。 どゆこと?

「60分戦争」というのがあり、人類の多くが死んだんやて。
それから千年以上経って、「都市淘汰主義」という思想が生まれ、人々は移動する都市を作ったんやて。
そして都市が都市を食らう「捕食都市社会」。
捕食した都市から資源や労働力となる奴隷を取り込む、弱肉強食の時代のオハナシですねん。
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「都市淘汰主義」のもと、小さな都市を食らい続ける巨大移動都市「ロンドン」。
一方で「反移動都市同盟」が淘汰主義に反対し、ロンドンと対立する人々もいた。
少女へスターはロンドンの指導者ヴァレンタインに両親を殺され、顔にも心にも大きな傷を負っており、復讐を果たすためにロンドンに侵入。
そんな中で様々な人と出会ったへスターは母の死の真実を知り、思いやりと愛に目覚めていく。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
うーん・・・・・
入ってこんわ! 内容が入ってこんのじゃあ!
体調不良(ただの寝不足)の状態で観に行ったんじゃ。
そのせいか、途中からアホほど眠うなってたまらんかったわい。
途中2~3度オチたの。

いや、これはどうも自己管理を怠ったせいだけではないとアッシは見たのぉ。
ビジュアルは凄くええんじゃ。 メカニカルの造形など男子のツボを突きよるわい。
オープニングなんか興奮したど。 都市が都市を「いただきます」して「ごちそうさま」じゃ。

でもその先からどんどん失速しよる。
ストーリーもキャラクターも、なんかダルいんじゃ。 ビジュアル負けしとるんじゃのぉ。
ヒューゴ・ウィーヴィングぐらいしかスターが出てないからかのぉ。 いや、そうではないか。
「ハウルの動く城」×「天空の城ラピュタ」の実写みたいなもんじゃが、面白さも倍ってわけにはいかん。
体調がバッチリならもう少しまともに観れたがのぉ。
        


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「シンプル・フェイバー」

新鋭作家ダーシー・ベルの処女小説「ささやかな頼み」を「ゴーストバスターズ」のポール・フェイグ監督が映画化したサスペンス。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ニューヨーク郊外に住むシングルマザーのステファニー(アナ・ケンドリック)は育児や料理のブログを運営し、亡くなった夫の保険金を取り崩しながら生活している。
やがてステファニーは同じ学年に息子を通わせるキャリアウーマンのエミリー(ブレイク・ライブリー)と知り合い、互いの秘密を打ち明け合うような親密な仲になっていく。
エミリーの夫ショーンはベストセラー作家だったが今はスランプに陥ってるようだ。
ある日、ステファニーはエミリーから子供の迎えを頼まれるが、エミリーはそのまま失踪してしまう。
ステファニーはエミリーの行方を追い求めるが、ミシガン州の湖でエミリーらしき女性の遺体が発見される。
その後、ショーンと同棲生活を始めたステファニーだが、彼女の周辺でエミリーが生きているかのような出来事が頻発する。
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「ゴーンガール」と似通ったようなサスペンスでして、あちらが"ステーキ"とするなら、「シンプル・フェイバー」は"パスタ"だろうかね。
よく言えばスタイリッシュ、悪く言えば軽薄。
好みが分かれるところでしょうけど、個人的には面白かったというよりも“楽しかった”という感想。
映画のトーンはコメディかと見紛うほどにチャラくて、ミステリーそのものは目新しくありません。
いや、コメディとして観る方が丁度いいかも。

面白いのはアナ・ケンドリックのボケとブレイク・ライブリーのツッコミのような掛け合いが随所に見られ、これが実に楽しいのでありますよ。
アナケンちゃんが高い声でペラペラとタテマエを並べ立て、かたやブレイク様は落ち着きのある声で言いたいことを言う。
タジタジになるアナケンちゃんと、余裕をかますブレイク様。 そのポジションもクライマックスでは逆転。
とにかく、この二人のカラミが本作最大のセールスポイント。

あと、ブレイク様のお召しになるラルフ・ローレンの衣装もね。 それにしても背ぇたっかいなあ、ブレイク様は。 アナケンちゃんがちっちゃいのか? 

劇中に流れるフレンチポップ中心のナンバーもシブい。
ツカミはジャン・ポール・ケラーの「Ca S'Est Arrange」。
フランソワーズ・アルディの「さよならを教えて」や、エンディングのフランス・ギャルの「娘たちにかまわないで」など、そう来るかの曲が目白押し。
        


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「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」

16世紀の英国を生きた二人の女王。
メアリー・スチュアート・・・・・スコットランド女王にしてフランス王太子と結婚し、夫の即位後にフランス王妃となる。
夫の死後にスコットランドに帰国。 再婚して息子を生むが、イングランド王位継承権を持っていたがゆえに、反乱や裏切りに悩まされる。
イングランドに亡命して幽閉されたのちに斬首された。

エリザベス一世・・・・・半世紀近い統治を続けてイングランドの黄金時代を築いた女王。
国際紛争や国内派閥の形成を避けるため、生涯独身を貫いた。
当時は死病と言われた天然痘を患うが命を取り留める。
メアリーとは従姉妹の関係ながら、その存在を警戒する。

互いに恐れ合い、そして惹かれ合った二人。
女王同士という立場だからこそ理解し合えたはずが、権力をめぐる宮廷内の陰謀に翻弄されていく、そんな二人の女王の苦悩の物語。
メアリー・スチュアートにシアーシャ・ローナン。 エリザベスにマーゴット・ロビーが扮しています。

この物語はメアリー・スチュアート寄りに描かれており、エリザベスのエピソードの役割はメアリーの強み弱みを浮かびあがらせる比較素材のようなもの。

エリザベスにあってメアリーになかったもの。 「権力者としての覚悟」。 生半可な気持ちでは王は務まらないのです。
政略抜きの結婚なんて有り得ません。 だからエリザベスは生涯結婚を拒みました。 自分以外はみんな敵だと思うぐらいが丁度良し。
権力を守るためには女の幸せなど不要。
片や。
メアリーにあってエリザベスになかったもの。 「美貌と愛と自由」。 
なんだかんだでエリザベスは、美しいメアリーをうらやんでいたことが描かれています。
メアリーは生涯3度結婚。 宮廷が反対する相手とも自由に恋愛をし、カトリックもプロテスタントも関係なく宗教に寛容な所がありました。 


メアリーにとっては生まれた時代も生まれた国も悪かった。
侍女以外信頼できる者なし。
結婚・出産が結局命取りになってしまう。
この人の人生、なんとかならんかったのだろうかと思いながら映画を観てました。
どこかで何かひとつ妥協していれば、静かな余生を送れていたんではないでしょうかねえ。

メアリーとエリザベスが実際に顔を合わせた史実はありませんが、クライマックスでは創作ながら対面が実現。
このシーンにはハラハラゾクゾク。
        


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「ウトヤ島、7月22日」

2011年7月22日。 午後3時17分。
ノルウェーの首都オスロの政府庁舎前の駐車場に停まっていたワゴン車に積み込まれていた爆弾が爆発して8人が死亡。
さらにその2時間後の5時過ぎ。
オスロから40キロ離れたウトヤ島で銃乱射事件が発生。
ノルウェー労働党青年部のサマーキャンプに参加していた十代の若者たち69人が殺害された。

犯人は当時32歳の極右主義者アンネシュ・ベーリング・ブレイビクという男で、移民を受け入れている政府に強い反感を抱いており、用意周到に計画を練った末に連続テロの凶行に及んだ。
犠牲者は2つの事件を合わせて77人。 単独犯が起こした事件としては最多である。
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「ヒトラーに屈しなかった国王」のエリック・ポッぺ監督が、このノルウェーにおける戦後最悪の大惨事を、ウトヤ島での事件に焦点を絞って映画化。
しかも事件発生から終息までに要した時間と同じ尺の72分間をワンカットで映像にした衝撃作です。

カヤ(アンドレア・バーンツェン)という少女の行動にカメラが張り付く形でその時の状況が進行します。
映像手法は過去のPOV映画とは違い、カメラの眼はその場にもう一人いるような錯覚を与えますが、これはむしろ我々観客がその時その場に引っ張り込まれて、カヤをはじめとした登場人物には姿が見えない「目」となって浮遊しているような感じです。

まず最初に何が起こってるのかを把握するのに、誰もが戸惑い、状況を理解するのに少々の時間を要するというリアルさ。
そして、これはテロなのだと理解した若者たちの右往左往のパニック。
どこに逃げる? どこに隠れる? どこが安全? どこが危険?
動いた方がいいのか、ジッとしていた方がいいのかなどなど、極限状況の判断のドラマはもはや理屈を超えて、運不運しかないギリギリの地獄を見せられることになります。

映像は一応「人の目」なので、見える範囲も限られてる分だけ恐怖感はリアルです。
犯人も1~2度チラッとしか映らないし、何より腹に響くほどの銃声の大音響がこれも恐い。

まあ、72分間のパニックを延々とやってるだけなんで「だからなんだ?」と言われてしまえばそれまでの作品なんですが、大勢の見ず知らずの人々を簡単に殺せる感覚を持っている人物がこの世にいるという恐怖が突き刺さっては来ないでしょうか。
奇しくもニュージーランドでの銃乱射事件が起こった翌日にこの映画を鑑賞。
よそ者をとにかく嫌う排他思想の哀しさを感じると共に、だからといって殺すという愚挙はやめてくれという怒りも込み上げてきます。
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コメント

はじめまして、いつもこっそり記事を読んでいる者です。

「跳んで埼玉」は楽しめましたが埼玉も千葉も野球、Jリーグのチームもあるのに劇中で触れられなかったのが勿体ないと感じました…


「ROMA]も劇場公開されましたね!

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Re: タイトルなし

はじめまして、モンキーDマルフォイさん。
いつもこっそり、ありがとうございます。

> 「跳んで埼玉」は楽しめましたが埼玉も千葉も野球、Jリーグのチームもあるのに劇中で触れられなかったのが勿体ないと感じました…

おっしゃる通り。
そういえば千葉も野球1チーム、Jリーグ2チームありましたな。
埼玉も千葉もそんなに卑下することもなかろうにとは思いますが、でもまあ映画は面白かったですね。

> 「ROMA]も劇場公開されましたね!

恥ずかしながら・・・知らんかった!
今、調べてみました。
イオンシネマさんに感謝。
いや、その前にNetflixさんの寛大さにも感謝。

観に行かねばのぉ!

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