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他にもこれ観ました  ~5月編(上)
2018年05月23日

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「レディ・プレイヤー1」

スティーヴン・スピルバーグはどんなペースで仕事をしてるのか。
こないだ「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」を観たばかりじゃあ~りませんか。
実際、スピルバーグ作品の常連の作曲家ジョン・ウィリアムズは「両方ともムリ!」と本作の音楽をアラン・シルヴェストリに譲ったというほど、キッチキチのスケジュールだったそうで。
そんな“おいそが氏”にも関わらず、スピルバーグが撮った最新作はヴァーチャルリアリティを題材にした冒険ファンタジーであります。
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今から27年後という、そんなに遠くない未来。
2045年のオハイオ州コロンバス。 荒廃した夢も希望もない街で暮らす人々の唯一の娯楽はバーチャルリアリティを体験できる「オアシス」。
子供から大人までゴーグルを着用して観るVR世界では、誰もがなりたいアバターになれるのだ。
ある日、数年前に亡くなったオアシスの開発者の一人ジェームズ・ハリデーからの遺言が全世界に配信される。
「オアシスに隠された3つの謎を解いた者に全財産56兆円を与えて、オアシスの後継者とする」と。
街で叔母と暮らす17歳のウェイド(タイ・シェリダン)をはじめ、世界中のプレイヤーがオアシスに集結し、激しいお宝の争奪戦が展開されるが、そこには世界を支配する陰謀を企てる組織の存在もあった。
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う~ん・・・・・ 歳とったのかなあ・・・。
面白いっちゃあ、面白いんだけど、ある意味、心に刺さらないね。 もっとお気楽に観た方が良かったかね?
VRの中のシーンでは「権利とか大丈夫なのか?」と思うほどに、色んなキャラクターが登場。
ほんのチラッとしか映らないのもいるので、それらをできるだけ確認してやろうと目ん玉をおっぴろげて観てたら、肝心の「陰謀に立ち向かえ!」みたいなストーリーは正直どうでもよろしくなる。
これは4Dで鑑賞した方が絶対に面白いね。
個人的には「シャイニング」のホテルがまるまる出てきたのがツボ。
ガンダム対メカゴジラもなんか笑いそうになったが、森崎ウィンの「俺はガンダムで行く!」のセリフにはひとこと言いたい。
君、そこは「いきまぁーす!」と言わなきゃな。
        

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「君の名前で僕を呼んで」

17歳の少年と24歳の大学院生とのひと夏の忘れられぬ恋・・・・
エジプトの作家、アンドレ・アシマンの同名小説を御歳89歳の巨匠ジェームズ・アイヴォリーが脚色し、「ミラノ、愛に生きる」のルカ・グァダニーノが監督を務めたボーイズ・ラブ・ムービー。
アカデミー賞4部門にノミネートされ、アイヴォリーは脚色賞を受賞。
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1983年の北イタリアのどこか。
17歳のエリオ(ティモシー・シャラメ)は夏になると両親と訪れるヴィラに今年もやってきた。
父パールマン(マイケル・スタールバーグ)は大学教授で美術史を研究しており、母のアネラ(アミラ・カサール)は翻訳家だ。
自然に囲まれ、音楽を聴き、楽器を奏で、読書をし、近所の友人ともふざけ合ったり。 それがエリオの夏の過ごし方だ。
毎年、父の仕事を手伝うインターンを迎える一家だが、今年やってきたのは博士課程に在学中の24歳の大学院生オリヴァー(アーミー・ハマー)だった。
エリオの部屋を使うことになったオリヴァーに家の中を案内したエリオは、知的で自信にあふれているオリヴァーに惹かれるものを感じる。
なぜか二人はお互いを意識し合い、磁石のように惹きつけたり、時に反発したりする。
やがて、自転車で二人で遠出した時、エリオはオリヴァーへの秘めていた思いを告白する。 オリヴァーもまた同じ思いをエリオに抱いていた。

まばゆい夏の光の中で激しく恋に落ちる二人。
しかし、夏の終わりと共にオリヴァーが去る日が近づいてくる。
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同性愛云々ではなく、誰の胸にもある恋の痛みを想起させ、慈しみあふれる語りで傷を包み込んでくれる傑作です。
オリバーのさりげないボディタッチやエリオのすねた態度など、ささやかな感情のディテールを積み重ねながら、やがて二人の想いが結び付いていく過程はみずみずしいの一語に尽きる描写です。

文学的タッチの映像美、スフィアン・スティーブンスの透明感しみる音楽・・・・
はやらず、また鈍重にならず、淡々とした語りの中に濃密な感情の行き交いが伝わりつつ、あまりに繊細で、キラキラした時間が流れていきます。 本当に美しい映画です。

クライマックス、父がエリオに語りかけるシーンがウルウルきますね。
「おまえたちが得た経験を、昔の私は自分で抑えて逃してしまった。 おまえの人生はおまえのものだ。 心と体は一つしかない。 早く立ち直ろうと心を削ってはいけない。 痛みを葬るな」
息子を見ていた父親のこと、そしてオリヴァーがエリオの肩をもむシーンなど「そうだったのか」という感慨と共にもう一度見返したくなりますね。

ラストというか、エンドクレジットはエリオの表情のアップでみっちり3分間。
暖炉の火を見つめるエリオのまなざしはオリヴァーを呼び続ける。 エリオの名前で。
        


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「ザ・スクエア 思いやりの聖域」

カンヌ国際映画祭で是枝裕和監督の「万引き家族」がパルムドールを受賞しましたが、めでたいというよりビックリですね。
そして昨年、カンヌのパルムドールを制したのが、リューベン・オストルンド監督のこちらの作品。
前作の「フレンチアルプスで起きたこと」も面白かったですが、この監督さんの作風がなんとなく分かってきました。

主人公は現代美術館の学芸員をしているバツイチの男クリスティアン(クレス・バング)。
今回彼が企画した展覧会は「ザ・スクエア」という地面に書いた正方形の作品。
「その正方形のエリアの中では、すべての人が平等の権利を持ち、そこにいる人が困っていたら誰であろうと手助けしなくてはならない」という参加型アート。 それが「思いやりの聖域」。
それは常日頃から現代社会の貧富の格差を感じていたクリスティアンの、社会に問題提起をしてやろうじゃねえかという狙いでもありました。
そんなある日、彼はスマホと財布をスラれてしまうという災難に遭いますが、GPS機能を使って犯人が住むらしきマンションを特定。
全部の部屋に脅迫めいたビラを配り、その甲斐あってかスマホと財布は無事に返ってきます。
ところが、これがよもやの波紋を巻き起こし、さらには展覧会の宣伝手法をめぐって、クリスティアンは予期せぬ窮地に立たされることになるのです。

この映画は、劇中で起きる出来事を観ている観客をもさりげなく挑発しています。
"人のことを信頼しましょう。広い心を持って、困っている人を助けてあげたり、平等に扱いましょう"・・・・それはいい考えですね、人間はそうあるべきですよね、などと思うのでしたら、どうぞ、その正方形のエリアの中にあなたのスマホと財布を置いたままにして、展覧会を見学しに行ってください・・・・・それが「思いやりの聖域」のコンセプト。
おそらく実際に自分のスマホと財布を捨て置いたままにできる人は皆無でしょう。 ほおら御覧なさい、人を信頼するなんて無理でしょう?というのがこの映画に散りばめられた毒。

劇中、どうにも居心地の悪くなるシチュエーションがあちこちにあるのがこの監督の人の悪いところ。
ほとんどのシーンでなんらかの”雑音“や”闖入者“を紛れ込ませてあるところも明らかに意図的。

□ 会社の会議の席に赤ちゃん同伴の人がいる。 赤ちゃんがピーピーうるさいのだが、会議は粛々と進む。
□ トークショーの客席に卑猥なヤジを飛ばす客がいて、その男性は神経症を患っている、いわば"そういう人"であって、どんなにトークショーの空気が悪くなろうとも誰もなす術はない。
□ パーティーの企画で登場した猿男。 どうぞノーリアクションでいて下さいとアナウンスされると、その猿男がどんなに傍若無人に振る舞おうとも、女性が暴行されようとも、周囲の人はギリギリまで傍観している。

炎上狙いの宣伝・・・ 脅迫のビラを撒いたことで親から濡れ衣を着せられた少年・・・ コトが済んだあとの中身入りコンドームを渡す渡さないでもめる男女・・・
言うだけなら簡単、でも実際は、言うこととやってることが釣り合わない、というか、おいそれと人を信頼なんてできないのが世の中ってもんです。

これでもかと人の神経をツネってくる、いい意味でへとへとになる映画ですが、やっぱこの内容で150分は長いよね。
        


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「サバービコン 仮面を被った街」

ジョージ・クルーニー監督、コーエン兄弟の共同脚本で描くシニカルなクライム・サスペンス。
理想のニュータウンに隠された恐るべき闇とは・・・
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1950年代。 カラフルな家が立ち並ぶ郊外の住宅地サバービコン。
住人たちはみな幸福そうで、アメリカの理想のファミリーを絵に描いたよう。
サラリーマンの父ガードナー(マット・デイモン)、母ローズ(ジュリアン・ムーア)、幼い息子のニッキー(ノア・ジュープ)、ローズの双子の妹マーガレット(ジュリアン・ムーア二役)のロッジ家もそんな家族のひとつ。
しかし、一家の平和な日々は隣りに黒人のマイヤーズ家が引っ越してきたことで激変する。
彼らの受け入れを巡って自治体は紛糾。 反対派の住民は自宅とマイヤーズ家を隔てる高い塀を築きはじめる。
そんな中、ロッジ家に二人組の強盗が押し入り、ローズが殺されてしまう。
ところが捜査はなかなか進まず、一方で住民たちのマイヤーズ家に対する嫌がらせはエスカレートしていく。
やがてふとしたことから、ニッキーは犯人が捕まらない理由に気づいてしまう。
そしてロッジ家に保険調査員のクーパー(オスカー・アイザック)が訪れたことで事態は恐るべき方向へと転がり出していく・・・
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ペパーミントカラーの外壁以外はどれも似通った様式の家が整列する画一的な無個性の街。 カリフォルニアのフラートンという所に50年代に建てられた実際の住宅街でロケが行われてまして、いかにもこの時代のアメリカ式アットホームを象徴したかのような街並みです。
理想の暮らしがここにあると言わんばかりに、いつもニコニコしている住民の皆さんはいい人たちばかりなんでしょうね・・・という外面とは裏腹に、黒人の一家が越してきただけで住民は怒りだし、暴動にまで発展。
また、ある一軒の家では保険金殺人が企てられており、平和なはずの街がとんでもないカタストロフィに見舞われるという話。

世の中すべて、見かけなんてものはアテにならないという社会風刺のドラマなんですが、1957年にペンシルベニアのレヴィットタウンで実際に起きた人種差別騒動の顛末と、ヒッチコック風のクライム・スリラーが並行して描かれる形になっています。 
しかし、この構成は残念ながらうまく機能していないと言わざるを得ないですね。 別々の話がきれいに融合しておらず、結局テーマそのものが霞んでしまっています。
人種差別問題か、犯罪ドラマか、どちらかに絞ればよかったのでは?
        


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「ホース・ソルジャー」

ニューヨークのグラウンド・ゼロの跡地に騎馬兵士の銅像が建てられているというのは、この映画で初めて知りました。
この像は一体、誰を讃えてのものかといいますと、同時多発テロの直後、アフガニスタンのタリバンの拠点制圧に向かったアメリカ特殊部隊なのだそうです。
敵勢5万人に対してたった12人、それも馬に乗って戦いを挑んだ米軍兵士。
ジェリー・ブラッカイマー製作、"9.11直後の最初の戦い"の知られざる真実の物語。

正確に言えば12人ではありません。 要するに彼ら特殊部隊に課せられたのは、反タリバンの北部同盟の支援。
現地で彼らと合流して、空爆作戦も兼ねながら、北部同盟をサポートするというもの。
しかし、11月になると雪で道が閉鎖されるために3週間のリミットしかありません。
目的地は険しい山道ゆえに馬に乗っていくしかないという状況下。
タリバンと戦っている北部同盟にも異なる3つの軍閥があり、こちらも互いにいがみ合って協力し合わないという、ややこしい事情も。
彼らにも、心底アメリカ人を信用していない部分があるので、ドラマには事欠きません。

戦争をアクション娯楽に落とし込んではおらず、特殊部隊のリーダー、ネルソン大尉(クリス・ヘムズワース)と北部同盟のドスタム将軍(ナヴィド・ネガーバン)との友情の物語に寄せてあります。
この将軍さんが、融通が効かないところもありながら、なかなか"オトコマエ"なところがありまして、いちいちカッコイイセリフを吐いたりするし、最後には「いいとこあるじゃん」みたいなことをするのですよ。

もちろんアクション映画と割り切って観ても迫力十分の内容。
BM-21グラッドロケットがビュンビュン飛ぶその下を、兵士ではなく戦士となった男たちが馬で颯爽と駆け行くシーンがヤバい。
        


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「モリーズ・ゲーム」

ハリウッドスターや一流スポーツ選手、ミュージシャンなどが顧客リストに名を連ねる秘密のポーカールームが実在したそうで、掛け金の最低額は1万ドル。
どんなにキャッシュを積んでもオーナーからの招待がなければ覗くことも許されないというサロン。
そこが違法賭博として摘発された際に、レオナルド・ディカプリオやベン・アフレック、トビー・マグワイアなどが常連客だったとメディアが報じております。
その伝説的ポーカーサロンのオーナーだったのが、当時26歳のモリー・ブルームという女性。

元々スキーのモーグルの選手でしたが大怪我をして選手生命を断たれ、ハリウッドのクラブでウェイトレスをしていた時にポーカーゲームを主催するディーン・キースという男にアシスタントとしてスカウトされます。
モリーはポーカーを通じてたくさんのハイクラスの人々と交流する毎日に生きがいを感じていましたが突然解雇。
すぐさま彼女はプレイヤーたちにメール。 今夜から場所が変更になった旨を伝えて、モリーは自らポーカーゲームの主催者となるのです。
瞬く間に年間数百万ドルを稼ぐまでになったモリーでしたが、違法賭博の容疑でFBIに逮捕されて全財産を没収されてしまいます。

この映画はモリー・ブルームの自伝を元に、「ソーシャル・ネットワーク」、「スティーブ・ジョブズ」の脚本家アーロン・ソーキンが初監督を務めて描く、「女の勝負人生繁盛記」。

モリーを演じるのは「女神の見えざる手」のジェシカ・チャスティン。 孤高の闘いを強いられる女性を演じればこの人は鉄板ですね。
厳しい父親(ケビン・コスナー)への反発から始まって、一瞬にして大金が動くスリリングな世界でのし上がっていくモリーのまさに賭博のような人生は波瀾万丈で、色んな人物が彼女と関わります。
それらのメンツを眺めてるだけでも面白い。
ポーカーがメッチャ下手くそで負け続けるのに飄々とゲームを続けるブラッドという男。 そのブラッドに負けてカッとなって借金を膨れ上がらせてしまうハーランというタマゴ頭のおじさん。 
男気プンプンの弁護士(イドリス・エルバ)と、その娘さん(中学生?)。
守銭奴になると男が下がったプレイヤーX(マイケル・セラ)。

ストーリーはまあ、そんなもんですかねという感じですが、モリーと弁護士の凄まじい早口のディスカッションはなかなかの見せ場。
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