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他にもこれ観ました  ~2月編(下)
2018年03月07日

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「ロープ/戦場の生命線」

1995年、紛争停戦直後のバルカン半島のどこかのある村。
ある日、村人たちの生活用水として使われていた井戸に一体の死体が投げ込まれた。
もちろん井戸は使用できない。
紛争地帯で人々の水を確保する活動を続ける『国境なき水と衛生管理団』の職員マンブルゥ(ベニチオ・デル・トロ)はロープで死体をくくり車で引き揚げようとするが、死体の男はあまりにデブなためにロープが切れてしまう。
死体の腐敗が進めば水の浄化も難しくなるので、一刻も早く死体を引き揚げねばならないが、村には代わりのロープがない。

ベテラン職員のビー(ティム・ロビンス)、新人女性職員ソフィー(メラニー・ティエリー)、現地通訳のダミール(フェジャ・ストゥカン)。 さらにマンブルゥの元カノのカティヤ(オルガ・キュリレンコ)も本部から加わり、また、サッカーボールを不良グループに奪われた少年ニコラを保護した彼らは一本のロープを求めてあちこちを探し回るのだが・・・。
たかがロープ。されどロープ。 これがなかなか手に入らない。
雑貨屋は外国人に物を売るのを拒否し、停戦維持のための国旗をロープで掲揚している家の男にも交渉したがやんわりと断られる。

やがて少年ニコラが自分の住んでた実家にならロープがあるはずと言うのでマンブルゥたちは向かう。
ロープはあるにはあったが、それはニコラの目に触れさせてはならない使われ方をしていた。
やっとロープを手に入れて、さあ死体を引き揚げようとするが、思いも寄らない現実が彼らの活動を阻むのだった・・・
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戦場という特殊な状況で、国際法とか、民族の感情とか、いろいろなしがらみや融通の利かないリアルな一面が垣間見れて勉強になる作品。
まあ実際に戦場に赴くことはないだろうけど、もし行くとなったら覚えておいた方がいいよというシーンが多々あります。
主人公たちの"国境なきなんとやら"はNGOの団体なんですが、彼らにもここまではできるけど、たとえ人道的なことでもそれ以上やったら国際法上ダメよみたいなこともあって、国連が妨害するなんていう状況もあるんですな。 おかしな話です。 それが戦場です。
NGOという、兵士でもないし現地の人でもない、いわゆる「世話を焼きに来た部外者」が突きつけられる自分たちの立ち位置が、戦争で狂った世界の不条理を浮き上がらせる、皮肉たっぷりの反戦ムービーです。
        

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「羊の木」

「がきデカ」の山上たつひこと「ぼのぼの」のいがらしみきおという漫画界の両巨頭がタッグを組んで2011年に発表した問題作「羊の木」を「桐島、部活やめるってよ」、「紙の月」の吉田大八監督が実写映画化したヒューマン・サスペンス。
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関ジャニの錦戸君が演じるのは、とある北陸の過疎の町、魚深市の市役所職員・月末一(つきすえ・はじめ)。 役所っぽい名前だ。
月末はある日、上司から新規転入者の受け入れ担当を命じられた。
すでに雇用先も住居も決まっている男女6人。
「いいところですよ。 人もいいですし、魚もうまい」
6人別々に出迎え、お決まりの文句で歓迎する月末だが、彼らの様子がどうも普通とは違う。
不審に思った月末は上司に問うた。
「あの人たち、刑務所帰りじゃないですか?」

実は彼らは自治体が身元を引き受けて仮釈放された元受刑者で、今回の一挙6人の転入は刑務所のコスト削減と地方の過疎対策を兼ねた国家プロジェクトの一環だった。
6人ともみな犯した罪は殺人。
猛スピードで食事する理髪店員・福元(水澤紳吾)。
妙な色気を発散させる介護士・理江子(優香)。
元暴力団幹部のクリーニング店員・大野(田中泯)。
不敵な態度をとる釣り船屋・杉山(北村一輝)。
生き物の死骸を丁重に弔う清掃員・清美(市川実日子)。
天真爛漫で好奇心旺盛な宅配業者・宮腰(松田龍平)。

魚深市で新しい生活を始めた6人。 だが、やがて彼らの背負った過去は次第に町の人々の心に影を落とし、何かが静かが狂いだしていく・・・・・
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他人に対する先入観。 しかも殺人という大罪を犯した前歴を持った人に、どうしても芽生える一種の畏怖。
もしも、自分の近所や職場にそういう人が来たら、「過去のことなんて気にしないよ」と口ではいくら言えても、本当にフラットな感情を持てるでしょうか?
また逆に、罪を犯した人が「自分は変わるのだ」という決心と、「人からどう見られてるのか?」という疑心がせめぎ合い、自滅してしまうのか、または希望を見出すのか。
人の本質はそう簡単には変わらないことを基本線としながらも、それでも救われる人と自分を止められない者とに分かれて、どこに転ぶのか予想のし難いサスペンスが進行します。 このゾクゾク感がたまりませんねえ。
絶望的な展開と、ホッとさせてくれる展開のこの両極端さが今までにない面白さ。
ある人物の、スマホでツーショットのシーンにホッコリ。
        

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「サニー/32」

「凶悪」の白石和彌監督が"きたりえ"を主役に迎えて描くバイオレンス・サスペンス。
ピエール瀧とリリー・フランキーがなにやらコンビで悪さするらしいので、てっきり「凶悪」のスピンオフみたいなものかと思ってたら違いました。
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“サニー”。 それは「小学生による同級生殺害事件」の犯人の通称。
当時11歳だった小学生の女の子が同級生の子をカッターナイフで殺害したという事件は、その後流出した犯人女児のルックスが人目を引き「犯罪史上もっとも可愛い殺人犯」としてネット上で神格化されていた。
それから14年後。
新潟の或る町。 24歳の中学生女教師の藤井赤理(北原里英)は夜、何者かに拉致される。
首謀者は柏原(ピエール瀧)と小田(リリー・フランキー)という男。
雪山の廃屋に赤理を監禁し、ビデオカメラを回す柏原は赤理に「ずっと会いたかったよ、サニー」と呼びかける。
サニーの狂信的な信者である柏原たちは赤理をドレスアップさせ、写真や動画をサイトにアップしていく。
必死に脱出を試みる赤理だったが、事態はさらに複雑な展開へと雪崩れ込んでいく・・・・
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後半、「キタコレー」、「キタコレー」と劇中で盛り上がってますが、アッシは「ナニコレ?」でしたね。
申し訳ないが、なんかハマらん。
立場が逆転する展開や、門脇麦が登場する後半のムード激変など、色々目が離せないストーリーのはずなんですが、ハラハラもワクワクもせん。
キャラが多いためなのか、それぞれが薄い。
きたりえ、がんばって啖呵を切ってますが、どこかの歌の歌詞みたい。
バイオレンスも予想の範疇で行儀よく収まる。 もっと羽目を外してもいい題材だと思うけど。
        

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「グレイテスト・ショーマン」

19世紀に実在した伝説のプロモーター、P.T.バーナムのサクセスストーリーを描く、ダイナミックかつファンタジックなオリジナル・ミュージカル。
いやあ、これは楽しい。
「ラ・ラ・ランド」のベンジ・パセック&ジャスティン・ポールが楽曲を手掛けており、劇中に流れるナンバーは耳に馴染みやすいキャッチーな曲が目白押し。 ミュージカル・シーンはどれも素晴らしいです。
オープニングとエンディングを飾る「ザ・グレイテスト・ショー」。
バーナム・ファミリーによる「ア・ミリオン・ドリームズ」。
キレッキレの「ディス・イズ・ミー」はキアラ・セトルが圧巻の歌声を聴かせます。
ヒュー・ジャックマンとザック・エフロンがバーのカウンターで踊り倒す「ジ・アザー・サイド」。(これが一番好き)
ザック・エフロンとゼンデイヤの「リライト・ザ・スターズ」も美しいですね。

実在の歌姫ジェニー・リンドを演じたレベッカ・ファーガソンの「ネヴァー・イナフ」にも圧倒されますね。 ♪決して私は満たされない♪ 耳が若返りそうなほどの美声! レベッカ・ファーガソンってこんなに歌うまいの?って思ったら、ローレン・オルレッドの吹き替えでした。(NBCのオーディション番組で有名になった人ですってよ)

とにかくもミュージカルのツボをキッチリと抑え、全編見せ場だらけの連続でグイグイ引っ張ります。
ドラマは予定調和ですが、力強く投げかけられる人生訓は誰の胸にも刺さるでしょう。

実際のP.T.バーナムはどうだったか知りませんが、本作の彼は相当な自信家ですね。 思いついたことが何でも成功すると信じ込むポジティブの鬼。
だから成功と失敗の落差が漫画のように激しい。 映画的には面白すぎる男です。

バレリーナのお姉ちゃんの舞台の後ろで木のコスプレをしていた妹ちゃんに爆笑! かわいすぎる!
        

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「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」

トーマス・カリナンの小説を映画化したドン・シーゲル監督の「白い肌の異常な夜」(71)をソフィア・コッポラが再映画化。

南北戦争末期の1864年のバージニア州。
森の奥にたたずむ女子寄宿学校に暮らす7人の女性たち。
彼女たちは、森の中で負傷していた北軍兵士のマクバニー(コリン・ファレル)を発見し、手当てしてかくまうことになる。
敵軍の兵士であるがキリスト教の教えに従い、回復するまで面倒を見ることにしたものの、男子禁制の園に突如入り込んだ野性的な男の出現が女性たちを静かに狂わせていく。
マクバニーもまた、女性たちをわざと翻弄するように、誰にでも紳士的な態度を取って、7人全員から好意的に受け入れられる。
それまで着飾ることなどしなかった彼女たちは、突然アクセサリーを付けておしゃれをし出したり、マクバニーに色目を使ったりして、それをたしなめる校長のマーサ(ニコール・キッドマン)でさえも胸が高鳴っていた。
一度目覚めた欲望は彼女たちの間に嫉妬や駆け引きを生み、やがてある夜に起きた出来事が一転にしてマクバニーと女性の間に決定的な亀裂を生みだしてしまう。
人が変わったように怒り狂うマクバニーに恐怖する彼女たちはやがて重大な決断を下す・・・
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「白い肌の異常な夜」は兵士マクバニーの視点で描かれてましたが、本作は原作通りに女性側の視点で描かれています。
禁欲がアッと言う間に瓦解し、女性たちが下心丸出しの行動をし出す、そのうろたえ方がユーモアをはらんだ緊張感を盛り立てます。
しかし、「白い肌の異常な夜」のあらすじを大幅に変更でもしない限りはオチも分かっていますし、何かしら斬新なアプローチを見せてくれないかと期待しましたがそれもなし。
まあ、しょうがないか。 

ひとんちで出された自家製キノコ料理には気をつけるべし。
        

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「ザ・シークレットマン」

「あしたのジョー」で矢吹丈と激闘を終えた後のホセ・メンドーサのごとく、リーアムニーソンの頭が真っ白け。
彼が演じるのはニクソン政権下のFBI副長官だったマーク・フェルトという人物。

ニクソンが大統領の座を辞す事態にまで発展した、かの「ウォーターゲート事件」において、マスコミに情報提供した"ディープ・スロート"という謎の人物がいるのですが、2005年に自分こそがディープ・スロートだと正体を明かしたのが、このマーク・フェルト。
FBIは絶対に密告してはならないという法律があるらしいですが、それでも不正を黙っていられなかった身内の男による一世一代の内部告発がニクソンを追い込んだのです。

1976年のアラン・J・パクラ監督作品「大統領の陰謀」は情報提供を受けたワシントン・ポストの記者の話でしたが、この映画は情報をリークしたマーク・フェルト側から描かれた実録サスペンスです。
ウォーターゲート事件の裏側だけでなく、マーク・フェルトという男の私生活面も含めて、人物像が非常にきめ細かく描かれています。
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FBI長官J・エドガー・フーバーをこよなくリスペクトするフェルトは、とにかくクソ真面目。
FBIとかCIAとかって、立場を利用して陰で好き勝手やってそうな印象があるが、このフェルトはそういうことが大嫌い。
裏でコソコソとフーバー失脚の機を伺うホワイトハウスの連中にさえも「おまえらの秘密を知ってるぞ」と脅して追い返す。 そんな男である。
正義にかけてはストイック。 ダメなものはダメ。 アカンもんはアカン。
不正は身内のことでも黙ってはいられない。

あまりに仕事の虫なので奥さんとの仲はよろしくない。 引っ越しは17回。
自分がFBI長官になるまでの辛抱だと奥さんには言ったけど、フーバー長官が脳卒中で死去すると、てっきり後任は自分かと思ってたらヨソ者の司法省の役人、パトリック・グレイが長官代理に。
これにはフェルトもガックリきた。
奥さんはキレる。 家を出た娘は音信不通。 白髪がまた増えそうだ。

そんな中で起きたのがウォーターゲート事件。
さっそく捜査に乗り出すフェルトだが、当然その筋から横ヤリが入る。
大統領がどうなろうと、犯罪は犯罪。 見過ごすことはできない。
思うような捜査ができないのならと、彼は様子見がてらにタイム誌の記者に情報を流す。
どうせ記事にされるということも踏まえて、その時、困る奴らがどう出るかを伺うのだ。
そして彼は素性を伏せてワシントン・ポストの記者ボブ・ウッドワードと密かに会い、事件はニクソン政権によるスパイ工作だという情報をリークする。 この際に記者はフェルトに対して"ディープ・スロート"と名付けた。
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"「ウォーターゲート事件」って、なあに?"という人は十分予習してから鑑賞しましょう。
でもなぜでしょうかね? この事件を扱った映画って、どうしてこうも地味~な作品が多いのでしょうか?
のっぺりとして、一本調子と言うか。
いっそのことドキュメンタリーにすれば?みたいに淡々とし過ぎていた「大統領の陰謀」よりは「フロスト×ニクソン」の方がまだ楽しめましたがね。
この映画も一貫して重く暗く地味なトーンです。 だいたいコトの顛末は知ってますから、むしろ、マーク・フェルトという人物を観察するノリで観た方がいいかも。
観ていて何度も「マジメか!」と突っこみたくなる、FBIに身を捧げた男の正義道まっしぐら。
        

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「劇場版 Infini‐T Force/ガッチャマン さらば友よ」

アッシはこれのTV版を全く知らなかった。
映画館で貼り出されていた予告のポスターでまずこれを知った。
ガッチャマンの映画やんけ! えっ?キャシャーンも出るの? テッカマンも? 破裏拳ポリマーも? なにそれ? どういう世界観?
タツノコプロのアベンジャーズみたいなもんかね?
劇場版ってことは、テレビかコミックが先にあるってことかとようやく気づいて、ググってみた。
月曜深夜3時・・・・ 知らんて。 そら気づく訳ないって。
YouTubeで観てみてさらに驚く。 
3DCGのモーションキャプチャー? う~ん・・・「龍が如く」みたい。
まあでも、面白そうだから拝見しました。

そうですな・・・ 映像は観ているうちになんとか慣れるけれど。
並行世界とか特異点とか、そういう設定にしないとダメなんかね?
ヒーロー大集合に説明付けなくったっていいっすよ。 アッシはなんも気にせんよ。
もっとシンプルな娯楽の方がいいな。

ヒーローそれぞれのデザインが素晴らしい。
ポッチャリしていたテッカマンがシュッとなってるのが特にいい。
南部博士の船越さんの吹き替えがハマりすぎ。
また次やるんだったら「ヤッターマン」も出して下さい。
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