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他にもこれ観ました  ~11月編(下)
2017年12月12日

無題 m 
「マイティ・ソー:バトルロイヤル」

シリーズ3作目。
元々ユーモアが多いこのシリーズですが、今回はさらに強め。
のっけからマット・デイモンがおかしな格好でカメオ出演してるのを観ると、いやでも腰が砕けますな。
笑えるのはけっこうとはいえ、大丈夫か?と心配になるぐらいギャグ路線に走っています。
よくよく考えれば深刻な話ですよ、これ。
アスガルド、めっちゃ人が死にます。 いや、それどころかアスガルド、最後に消滅するし。
オーディンの爺様も死ぬし。
ソーはハンマー壊されるし、右目失うし。 スタン・リーに散髪されるし。
ロキはどんどんお茶目になるし。 それはいいか。

クインジェットのパスワード「サーファーくん」はウケた。
ブルース・バナーがデュランデュランのTシャツ着てたのも、なんかおかしかった。(スタークのお下がりかな?)
このサブタイトル、どこがバトルロイヤル?

まあ楽しいからいいかね。
スケールの大きさとシリアスな中身でも、笑いで丁度いいバランスが取れてるのかも。
今回のヴィランである死の女神・ヘラをケイト・ブランシェットが演じてますが、あそこまでのメイクとコスプレの上にさほど深さのないキャラなので、別に彼女がやらなくても・・・とは思いましたが。

劇中、ツェッペリンの「移民の詩」が2回流れますね。
いろんな映画でよく使われますが、詩はマイティ・ソーにピッタリ。

アフター・エンドロールに出てきたのはサノスの宇宙船?
        

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「ザ・サークル」

時代だなあ。 遂にこういう題材の映画も出てきましたか。
デイヴ・エガーズのベストセラー小説の映画化で、SNS社会の恐ろしい落とし穴を描く震撼のサスペンス。
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難病を患う父と看病に疲れた母と共に同居し、地元で冴えない生活を送っていたメイ・ホランド(エマ・ワトソン)は全世界に30億人のユーザーを持つ超巨大SNS企業「サークル」の面接を受けるチャンスをつかみ見事採用される。
そんな中、「サークル」のCEO、イーモン・ベイリー(トム・ハンクス)が新サービスを発表する。
超小型ワイヤレスカメラ"シーチェンジ"を使い、世界中のすべての人が、世界中の出来事を見ることができるというもの。
要するに至る所に監視カメラがユーザーの任意の場所に設置されて、その映像を誰もが見れるということ。
世界のイベントや美しい景色の映像を共有できるだけでなく、「ソウルサーチ」というシステムで行方不明者や指名手配犯を探すこともできるし、世の中からテロや犯罪が根絶できるとベイリーは力説する。
プライバシー面や過剰なつながりに違和感を感じていたメイだったが、趣味のカヤックで海に出ていた時に転覆事故に見舞われる。
だがシーチェンジを利用していたユーザーの通報により命拾いをした彼女はベイリーの提案を受け、シーチェンジ・カメラを24時間身につけ、自分を完全に"透明化"するという試みのモニターになる。
瞬く間に1000万人を超えるフォロワーを獲得してアイドル的存在になっていくメイだったが、24時間も人々に見られる状況がやがて思わぬ悲劇を招いていく。
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観ていて、終始違和感だらけ。
自分をさらけ出すことが真のつながり? みんなが丸裸になればみんな友だちになれる?
バカを抜かせ。
発表会でマグカップ片手に安物のジーンズを履いて親しみやすさをアピールしてくる、誰かの真似みたいなCEOが「凄い発明だぜ」みたいに言う、プライバシー破壊。
隠し事をなくせばみんな友だちになれるじゃないか~という世迷言に、若い社員たちがヤンヤヤンヤの拍手喝さい。
どうした? みんな揃ってトチ狂ったか?
こんなことをおかしいと思わないのがSNSが身近になりすぎた社会の象徴なのだろうか。
そしてヒロインも自分の私生活を毎日24時間さらけ出す。 そんなことに誰が興味を持つのか? 持つ奴が一杯いるんだよな、この映画の中では。 現実でも考えられること?アッシは全然ついていけない。 

メイが幼馴染のマーサー(エラー・コルトレーン)の作った、鹿の角のシャンデリアの映像を上げたら「鹿殺し」と非難される。
そのことを抗議するマーサーとメイの口論の様子を、周りの何人かがスマホで撮影し始めるという光景の気色悪さ。
誰がどこにいても瞬時に見つけ出すことができるシステムの実験のせいで、マーサーが事故死する。
それについてどこぞの奴が「誰も悪くない」とコメント投稿。 自分たちが悪いと気づけ、バカモノ。

あまりにもおかしいという当たり前のことにようやく目が覚めたメイが会社に巧妙な手段で逆襲するというハッピーエンドも至極当然。
SNSの危うさを言いたい映画ってのは分かるけど、描かれる事象や人があまりに変すぎて・・・
        

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「ジグソウ:ソウ・レガシー」

計7作製作された「ソウ」シリーズ。
回を重ねるごとにグダグダになってきた印象は否めず、7作目はかれこれ7年前。
そして満を持して、8作目となる最新作の登場。
もういいんじゃないの?という世間の声など一切聞く耳持たず、ジグソウの死のお仕置きがまたしても炸裂するのであります。
どうせまた同じことするんだったら、ラストは思いっきり凄いサプライズを見せないと客は納得しませんぜ。
しかし、ラストどころか早い時間で、死んだはずのジグソウことジョン・クレイマー(トビン・ベル)がピンピンした様子で登場。
生きてたの? いや、絶対あの時(「ソウ3」)、確実に死んだよね。 どういうトリック?(つまりここがミソ)
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密室の中でバケツをかぶせられ鎖で繋がれた男女5人が目を覚ます。
この5人はそれぞれ、過去に誰にも言えぬ罪を犯している。
あとで判明するが、とんでもないクズばっかりである。
囚われの身となった彼らが自分の罪を告白することで死を免れるゲームを強いられる。

おまえたちは嘘をついてきた。 
嘘にまみれた日々を悔いろ。
罪を告白せよ。
真実のみがお前らを自由にする。
生きるか死ぬか、お前たち次第だ。
さあ、ゲームをしよう。


さて、彼らは生き残ることができるのか。
そしてこのゲームの被害者らしき死体が次々と街中で発見されて、捜査に当たる刑事たちと検視官がその謎に迫る。
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なぜにまた新作なのかという答えは、このストーリーに仕掛けられたトラップが語ってるようなもの。
そう来たかと思うと同時に、やっぱりジグソウの後継者がいるとなると、ほとんどの人が感じるであろう「アイツが怪しい」という狙いは当たってる。 ヒント出しすぎですよ。
でも、やっぱりこのシリーズは面白い。
いろいろとよく考えつくもんだね。
また次作をやるんなら、時間差トリックはもう禁じ手同然でしょう。
それを乗り越えれるサプライズを見せれるかがポイント。
        

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「ブレイブストーム」

50年代から70年代にかけて数々のドラマ制作を手掛けたプロダクション「宣弘社」。
60年代までに「月光仮面」、「快傑ハリマオ、「隠密剣士」、「光速エスパー」などを製作し、アニメでは「のらくろ」、「忍風カムイ外伝」などがあります。
しかし、何と言っても宣弘社といえば70年代の特撮ヒーローもの、「スーパーロボット レッドバロン」、「シルバー仮面」、「アイアンキング」でございましょう。
「シルバー仮面」はあまり観てませんでしたが、「レッドバロン」も「アイアンキング」もよく観てました。

さて、このほど「シルバー仮面」と「レッドバロン」が世界観を共有してのリブートが実現し、2大ヒーローのコラボによる特撮大作が製作されました。
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キルギス星人に侵略された2050年の地球の未来を変えるために、現代に送り込まれた特殊能力を持った春日3兄弟。
彼らは、対キルギス星人用として紅健一郎博士が開発した兵器「レッドバロン」の操縦を博士の弟・健(渡部秀)に依頼するためにやってきたのだ。
消息不明の兄の遺した遺志を継いでレッドバロンに乗り込む健と、シルバースーツを身にまとう兄弟の二男・光二(大東駿介)は力を合わせてキルギス星人に(立ち向かう・・・・
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ストーリーは多少「ターミネーター」っぽい所がありますが、王道的ヒーローものを踏襲しています。
お子様も十分楽しめるストーリーです。
なによりもデザインがカッコいい。
オリジナルのレッドバロンは、どう見ても「腕、細っ!」みたいなアンバランスさでしたが(それがいいんだけどね)、今回のレッドバロンはこれまたカッチョ良すぎるくらいのガンダム感満載。
シルバー仮面の造形も素晴らしいの一語に尽きます。
キャラクター名もそのまま出てきますが、ラスト近くには「アイアンキング」で石橋正次が演じた静弦太郎(寺脇康文)も登場。
どうなってるの? 続編ありか? いや、是非作ってください。
アイアンキングが出るのか? いや、是非出して下さい。 切に希望します。
        

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「GODZILLA 怪獣惑星」

ゴジラがアニメになりました。 それも完全SFストーリーで、全3部作の第1弾。
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99年に怪獣カマキラスが出現したのを発端に、ラドンやアンギラスなどの怪獣が世界を蹂躙。
そして2030年のゴジラの出現は徹底的な破壊をもたらし、70億人いた人口は7億人まで減少。
2035年から異星人が移民目的で相次いで地球に飛来し、技術提供したにも関わらず、有効な手段が打てないまま、2046年、ゴジラに敗北した人類は地球を捨てざるを得なくなる。
2048年、「地球外惑星移民計画」が実行され、1万5千人を乗せた2隻の移民船が人類移住に適した星を探すという未知の旅に出たのだった。
その中には幼い頃に両親をゴジラに殺された青年ハルオがいた。

20年かけて目指したタウ星eの環境は人類生存可能には程遠く、「移住派」と「地球帰還派」に分裂していた船内はハルオを中心とした「帰還派」が主流となり、亜空間航行によるワープで地球に戻ることになる。
だが帰還した地球はすでに2万年の歳月が経過し、地球の面影がまったくなかった。
地球に降り立ったハルオたちを待ち受けていたのは、尚も地球上で王として君臨するゴジラだった。
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これまでのゴジラ映画とは全く毛色の違うSF色全開の話に多少戸惑いつつも、やはり気になるのはアニゴジのヴィジュアルと動き。
実写のイメージはなるだけ頭の中から排除して観ましたが、そこまでこちらが無理をしなくても十分満足できる仕上がりだと思います。 露出はそんなに多くないですが。
残酷度というか、モンスター・テイストがより強く、人間の命など屁とも思わぬほど目についたら即殺します。
必至のパッチで逃げる小型艇の列を背後から熱戦を放射して殺戮する冷血ぶりが凄い。
その熱戦のスピード感がキレッキレ。 「ピカッ」となったら「ドカン」といくまでが一瞬。 お~スゲェ。

それにしても登場する2種類の異星人は、この第1作目ではそんなにまだウェイトを占めていませんね。 次作以降にもっとストーリーに関わってくるんでしょうが、技術提供をしてもメカゴジラが間に合わなかったというのはオマヌケですなあ。

クライマックスはアニメの強みを生かしたシャープでスピード感のあるアクションで人類がゴジラをやっつける。 よかったよかったと思ったら、ハイ残念。 おみゃあらがブチ殺したゴジ様は本家から細胞分裂した子分だぎゃあ。
本家はもっとこっちの、でっっっっっっかい方だぎゃあ。

悔しがるハルオ君。 「俺は・・・貴様をーっ!」 何回そのセリフ言うとる。

続編は来年5月。 エンドロール後のラストカットはメカゴジラ?
        

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「ローガン・ラッキー」

スティーヴン・ソダーバーグ監督の新作に出演したチャニング・テイタム(以下チャ)とアダム・ドライバー(以下アダ)、そしてダニエル・クレイグ(以下ダニ)は撮影を終えて、打ち上げのために3人で集まった。
ダニ:「ハイ、お疲れさ~ん。 カンパーイ」
チャ:「お疲れーっす」
アダ:「お疲れしたーっ」
チャ:「いきなりだけどソダーバーグ監督って引退してたよね?」
ダニ:「『画家になりたいねん』とかなんとかラリッたようなことを言ってたよな」
アダ:「確か、新人女性脚本家が書いたシナリオを読んで『俺にやらせろや』と前言撤回したんだってさ」
チャ:「その話、ホントかなあ? まあ、でも撮影は楽しかったけどね」
ダニ:「チャニ助とアダ坊は全然似てない兄弟役か」
チャ:「元アメフトの花形選手だったけど膝を故障してプロの道はアウト。 妻には捨てられ、炭鉱夫の仕事もリストラ。 不運の爆買い男、ジミー・ローガンの役です」
アダ:「僕はそのジミーの弟、クライドの役。 イラク戦争で片腕を失くして、今はしがないバーテンダー」
ダニ:「それで俺が、伝説の爆破師にして銀行強盗の常習犯ジョー・バング」
チャ:「どん底人生からの一発逆転を狙って、ローガン兄弟が現金強奪を計画」
アダ:「刑務所で服役中のバングを巧妙に脱走させて計画に協力してもらうという展開」
チャ:「モーターレースの会場の売店でクレジットカードが使用できないようにシステムダウンさせて、キャッシュのみ可能状態にし、地下金庫につながっている気送管で送られる現金を横取りしちゃうという計画」
アダ:「その金庫内へ扉を破壊して侵入するのに、爆弾のプロ、バングさんの出番って訳」
ダニ:「どうでもいいがな。 人様の金を盗んで面倒事を片づけようとする根性だから運が回ってこねえんだよ、ボケ」
アダ:「そんなに怒られても。 僕ら、役を演じただけですし」
チャ:「一発勝負に出たダメ野郎を温かく見守ってくれてるような、いい話じゃないっすかあ。 僕ぁ感動したなあ」
ダニ:「フン。 脳みそにまでプロテインが回ったか、この筋肉バカは」
チャ:「なんです?」
ダニ:「いや、こっちのこと」
アダ:「オーシャンズ・シリーズとカブったような話ながらも、ソダーバーグの「らしさ」は健在。 スキのない娯楽作品です」
チャ:「キャラは濃く、語りは軽く。 独特のペースで知らぬ間に引き込まれる演出テクには感心するよね」
ダニ:「子役の女の子は褒めてやる。 パパのために歌った『カントリー・ロード』は思わず泣きそうになった」
チャ:「どうせなら、リアーナの『アンブレラ』も聴かせて欲しかったね」
アダ:「そりゃそうとダニさん。 グミ(砂糖)と偽塩(塩化カリウム)とブリーチペン(次亜塩素酸ナトリウム)で爆弾なんか簡単に作れるんですか?」
ダニ:「知らん。 そこの筋肉筋太郎に聞け」
チャ:「誰が筋肉クソ野郎ですって?」
ダニ:「言ってねえだろが」
アダ:「セリフにもあったけどYouTube見てみるかな。 ・・・アッ、本当だ」

みなさん、マネをしないように。
        

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「不都合な真実2:放置された地球」

クリントン政権時代の副大統領で現在は政界から引退し、環境活動家として精力的に世界を飛び回っているアル・ゴア氏。
地球温暖化の危機を訴えた2006年の映画「不都合な真実」はアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞及び歌曲賞を受賞。 ゴアさんはノーベル平和賞までもらっちゃいましたね。

あの映画を観て「これは大変だ、なんとかしなくっちゃ」という意見や、「あれは大げさに騒いでるだけのプロパガンダ」という否定的な見方など賛否両論。
いずれにしても大きな反響をもたらした前作はもうひと昔前。
前回はあれだけ言ったんだから、さて、地球の環境や各国の温暖化対策への取り組みはどのように変わったのでしょうかという通信簿的な続編の登場です。

すっかり頭に白い物が多くなったゴアさん。
「通行人の女性が振り返って、『あなた、髪を黒く染めたらアル・ゴアにそっくりよ』と言われましたよ」というジョークでツカミはOK。
「このまま放っておいたら地球は大変なことになりますよ」ということは前作でデータや映像などで訴えてますから、10年そこらの時間が経ったぐらいでは、同じことを言っても始まらないので、このパート2はカメラがピッタリとゴアさんに張り付いて彼の行動を追っているのが中心となっています。
世界各国の意識がどう変わってきたか、変わっていないのか。 どんな取り組みをしているのか、していないのか。
そういった現状を報告する内容と共にゴアさんの活動が描かれてるのですが、前作ほどセンセーショナルではありません。

多くの国が真剣に考えてるんでしょうが、インドがCOP21(気候変動枠組条約締約国会議)において、「国民に仕事を与えるのが先だ」と発展途上国の発展を維持する権利は守りますよという声明を読み上げるシーンが印象に残ってますね。
まあ、分からんではないですがね。
それでゴアさん、アメリカの太陽光発電の会社にインドに技術提供するよう取引して、インドをパリ協定批准にまで漕ぎつけさせるなんてことをします。
インドが動かんと前に進みませんしね。
それで、当のアメリカはというとご存じの通り、パリ協定から離脱。
ゴアさん、トランプさんには何度も電話したらしいですが。

地球温暖化が嘘だとかいう論調も未だありますが、暑くなろうが寒くなろうが、どっちにしても今の気象っておかしいって思いません?
九州の豪雨とか、東京の長雨とか、ヒアリの上陸とか。
いやいや今年だけのことでしょう?で済めばいいですけど、来年も再来年もずっと天気予報で「記録的な大雨」ってフレーズを聞き飽きるほど言うようになったら本当にこれはアカンことです。
        

無題 ds 
「笑う故郷」

アルゼンチンとスペインの合作によるブラックコメディ。
監督は「ル・コルビュジエの家」のガストン・ドゥプラットとマリアノ・コーン。
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作家、ダニエル・マントバーニ(オスカル・マルティネス)はノーベル文学賞を受賞した。
スピーチの席で彼は「嬉しくもなんともねえわい。 こんな賞もらったら作家として完全終了じゃ」と毒を吐いた。
聴衆は一拍も二拍も置いた後、拍手喝采。
ダニエルは(アホか)という思いで聴衆を眺めていた。
それから5年後。
ダニエルは一冊も本を書くことなく、講演依頼やサイン会などのオファーを片っぱしから蹴飛ばして、人と会うことなくスペインのバルセロナで隠遁生活をしていた。
そんなダニエルのもとに、アルゼンチンのサラスという町から「名誉市民の称号を贈りたい」という手紙が来た。
サラス・・・・・ 20代の時に逃げるように出ていって以来、40年間一度も帰っていないダニエルの生まれ故郷。
普通なら「ケッ!」と断るが、彼はこの招待を受けることにし、さっそく次の週にアルゼンチンへ飛んで久しぶりの里帰りを果たす。

小汚い車に乗ったオッサン一人が空港で出迎え、道中タイヤがパンクして野宿するというアクシデントに見舞われながらなんとかホテルに辿り着いたダニエル。
寂れた町を消防車に乗せられてパレード。 (人がいねえじゃねえか)
それでも名誉市民の授与式には大勢の住民が集まって祝福されたダニエルは「ノーベル賞よりも価値ある栄誉です」などとキャラ的に絶対言いそうにもないようなことを口にする。
(やっぱり故郷はええのぉ)
だが、市民たちとの交流を重ねるにつれ、風向きが妙な方向へと変わる。

幼なじみのアントニオからダニエルの元カノと結婚したことを得意気に打ち明けられて、どうにもいたたまれない。
突然ホテルの部屋に押し掛けてきた若い女と勢いでベッドインしたが、その後この女はアントニオの娘だと判明。 やがてそれがアントニオ夫婦の知るところとなり・・・・
絵画コンクールの審査員を嫌々引き受けて、テキトーに「これ合格、これ不合格」と決めたら、美術協会の偉いさんの作品を不合格にしたことが分かり、ヤラセを強要されるも断って、絵を描いた本人と不穏な関係に。
そもそもダニエルの代表作の小説はサラスの町や住民をモデルにしており、決していい感じの内容で書かれてはいなかった。
そのことを根に持っていた人々の心情が次第にダニエルに対する悪意へと変貌していく・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おらが町からスゲェ有名人が出たぜというのを利用したい故郷と、それに乗っかって寂れた町の一人勝ち気分を満喫したかった男。
町の人々をネタにして本を書いたことが、しっぺ返しとなって作家を追い詰めていき、ブラックコメディだった前半から一転してクライマックスは心理スリラーへと展開していくのですが、このあたりは本当にうまいですねえ。
「ル・コルビュジエの家」も最初は隣人同士のトラブルをシュールな感じで見せて置きながら、ラストは「ありゃりゃ」の悲劇に転落します。 それとよく似てますね。
町に来た初日には消防車に乗ってのパレードで浮かれていたのに、数日経てばダニエルがピックアップ・トラックの荷台に乗せられて夜の町を「市中引き回し」のように“パレード”するシーンがブキミで怖い。
題材も面白いし、人物も物語もユニーク。 意外な掘り出し物。
        

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「全員死刑」

なんじゃいな、この映画。 ある意味ゲテモノかもしれないけど、よくぞここまで振り切ったなと感心しますわ。
2004年、福岡県大牟田市で一家4人が殺され、逮捕・起訴された親子4人全員に死刑判決が出たという実際の事件を基にした暴力とエロのやりたい放題風雲録。

弱小ヤクザ一家、首塚家の両親と二人の息子。
上納金も払えず、借金に苦しむ彼らは近所の資産家一家が貯め込んでるらしい2千万円の強奪を企てる。
小心者の父親(六平直政)は計画は立てて、殺しは息子にまかせ、姑息な長男(毎熊克哉)は自分の手を汚そうとせず弟に押し付ける。
ヒステリックな母親は元々、資産家一家の女主人(鳥居みゆき)が大嫌いなので、やっとそいつを殺せることにウキウキしている。
結局弟のタカノリ(間宮祥太朗)は、女主人、長男、次男、長男の友人の計4人を殺害する。
実際に手を下したのはタカノリ一人なのだが、裁判の判決は一家4人に対して「全員死刑」。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
テレビでは絶対口にしてはいけない「禁ワード」の雨アラレ。
イビツでギトギトした性描写や、容赦ないほどストレートな暴力と、ただただ漫然と命を蹂躙していく残酷さはグロいを通り越してるほど悪趣味演出であふれています。
なんだか、「どうぞ批判してください」という挑発が先立ってるように伺えますが、その潔さは称えましょう。
正直、気分のいい映画ではありませんが、少なくともLDHのヤンキー映画よりはマシですわい。
26歳の監督・小林勇貴は、夕張の映画祭でグランプリを獲って注目された人で、今回が商業映画デビュー。
期待できますねえ。 
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