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他にもこれ観ました  ~8月編(下)
2017年09月04日

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「ローサは密告された」

2016年、フィリピンの大統領に就任したロドリゴ・ドゥテルテ。
凄まじい暴言を吐くことでも知られているこの大統領が特に目を血走らせているのが麻薬撲滅。
とにかく自分の国から麻薬を一掃したくてたまらないようで、ヤクの組織や売人、または中毒者に至るまで「一人残らず殺してやる」と言うほど躍起になっている。
ある意味、有言実行と言うのか、麻薬に関わる者は警察や自警団によって合法的に殺されまくっているという。

ドゥテルテ政権誕生から一年の間に警察の手で殺された麻薬関連死者は1800人を超え、ビビって自首する者が後を絶たず刑務所がパンクしているのだとか。
ドゥテルテのやり方もやり方だろうけど、ムショが満員御礼になるほどだから、フィリピンという国の麻薬汚染がそれだけハンパではなかったということ。
そりゃ、これぐらいの荒療治をしなきゃいけないと考えるのもむべなるかな。
しかし、警察をはじめとした権力者側が、殺してもいいというほどの強権を与えられると、新たな腐敗がそこに生まれる。

この映画は、麻薬の売買で逮捕された雑貨屋の夫婦が、警察の恐ろしい横暴の中でもがく衝撃のドラマである。
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フィリピンのとあるスラム街でサリサリストアを営むローサ・レイエス。
夫のネストールと4人の子供がいる。
サリサリストアとはちっちゃなコンビニのようなものだが、スーパーで仕入れてバラ売りをすることで単価を上げる店。 だからタバコなんかは1本からでも買える。
なんでも売ってるということは当然ヤクの方も扱っている。
ローサが街を歩いていると、「アイスはあるかい?」、「アイスを売ってよ」という声が頻繁にかかる。 どうやら"アイス"というのが“それ”を示すらしい。
ローサの店でも家計を助けるために少量ながら麻薬を扱っていた。

ところがある日、店に突如警察が押し入り、ローサとネストールは逮捕される。 誰かに密告されたらしい。
最初は取り調べに対してしらばっくれていたが、かと言って簡単に帰してもらえる雰囲気ではない。
「ブタ箱に入るか売人の名前を言え」と脅されたローサは遂に売人のジョマールを売ってしまう。
密告された側が、今度は密告するというこの皮肉。

だがそれだけでは終わらない。
ジョマールから押収したカネを巡査たちがポケットに入れていく。
上級警部にメールしようとしたジョマールを巡査たちが半殺しにする。
目の前で繰り広げられる光景に慄くローサに巡査は拳銃を突きつけ、「警察にチクッたら殺すぞ」と脅すのである。 言ってることがムチャクチャだ。 架空請求の市議会議員など可愛く見える「警察内無法地帯」。
そしてローサたちには「20万ペソ(約45万)で手を打ってやる」と“見逃し料”が要求される。
そんなカネなどあるはずもない。 しかし、巡査たちもローサたちを法的に処理するよりもなんとかしてカネを作らせようとする圧をかけてくる。

子供たちに頼むしかない。 子供と言ってもそのうち3人はほぼ大人に近い歳であるが。
映画の後半からは子供たちが金策に方々をかけずり回るシークエンスとなる。
テレビや家具を売ったり、果ては次男が男娼という行動に出たりする。
両親のためならエンヤコラ。 このあたりの家族の絆が伺えるシーンはいいといえばいいのだが。
麻薬の売買をしていたのがそりゃもちろん悪いのだろうが、警察の荒れ方は普通ではない。
犯罪者をしょっ引いたら、さあて、そこからどうやってカネにしてやろうかという欲望を露骨に見せるのである。
署内には明らかに子供みたいな奴が関係者のような顔をしてゲームをしていたり、たまにパシリをさせられたりしていたが、あれは何者なのか?

終始、手持ちのカメラが人物の周囲を追うドキュメンタリータッチ。 いや、これはもうドキュメントと言っても遜色ない、力強い感触がびんびん来る。
嫌なことばかりのシーンの中に、ちょっとした希望もある。 あのローサの涙と汗にまみれた顔で団子をほおばる表情がたまらない。
        

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「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」

1993年に放送された岩井俊二監督のテレビドラマをアニメ化。
「バクマン。」の大根仁が脚本を執筆、「魔法少女まどか☆マギカ」の新房昭之が総監督を務めた青春ファンタジー。
ぶっちゃけ「君の名は。」の後追い感は否めないですね。
アレと公開の順が逆になってたらどうでしょうかね?
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打ち上げ花火は下から見るのと横から見るのとでは形が違うのか? 横から見たら平べったいのか、それともどこから見ようとも丸いのか?
なるほど。 考えたこともないけど、どっちゃでもええわいな。・・・ということで盛り上がった茂下町の中学生男子たち5人。
それを確かめに花火大会の夜に、丁度横から見える茂下灯台に向かうことに。
だがそのうちの一人、島田典道はクラスメイトのなずなに思いを寄せていたが、なずなが母の再婚で転校することを知る。
転校したくないなずなから駆け落ちを持ちかけられた典道は、なずなが海で拾った不思議な玉によって時間が巻き戻る経験を繰り返す。
町を出ることを決意した典道となずな。 二人に待ち受ける運命は・・・
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まずは何より映像が神。 神的に美しい。
実写では難しい角度を多用した、アニメならではのアプローチが空気の感覚までも錯覚させます。
「今のシーン、もう一回見せて!」と言いたくなるような神ヴィジュアルがてんこ盛り。
さてストーリーの方はというと。 イマイチ自分の中では盛り上がってこないですねえ。
結局、あの玉はナニ?っていうのはもう別にいいけど。
典道もなずなも共に中一離れしすぎてませんかね。
キャラクター上の演出だからでしょうか、菅田将暉と広瀬すずの抑え過ぎ感のある吹き替えも居座りがよくないような・・・。
すずちゃんの松田聖子の歌は良かったけどね。
なずなのお母さんの乱暴さがスッゲーしゃくに触りました。 なんじゃ、あのオカンは。
        

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「ダイバージェント FINAL」

人類がたった一度の性格診断によって【無欲】【平和】【高潔】【勇敢】【博学】の5つの派閥に分けて管理されている近未来の社会体制。
主人公のトリス(シャイリーン・ウッドリー)は全ての派閥の特性を持った【異端者】(ダイバージェント)。
数奇な運命に翻弄されながら体制の裏側に潜む陰謀に立ち向かっていくトリスの戦いを描くシリーズ3作目です。

1作目では体制支配を目論む【博学】のジェニーン(ケイト・ウィンスレット)のクーデターに立ち向かい、2作目の「ダイバージェント NEO」では人類の秘密が隠された謎の"箱"の封印を解くことができる異端者としてジェニーンに狙われるトリスが最強のダイバージェントとして覚醒。
遂には派閥の管理体制が崩壊するのですが、まだまだトリスの戦いは終わりません。

【無派閥】の勢力が台頭し、抵抗勢力【忠誠者】(アリージェント)と内戦状態にある街を捨て、トリスと仲間たちは150年前の最終戦争以来、封鎖されていたフェンスの向こうの世界を目指すのですが・・・
ずっと街を監視していたという「遺伝子繁栄推進局」に迎えられたトリスは自分が【異端者】として生まれた本当の理由を知って衝撃を受けながらも、やがて恐ろしい陰謀を画策する推進局に立ち向かっていくのです。

それにしても、3作通じてやたらに「実験」が出てきますね。
全ては人類のためながら、結局は争いと陰謀がまかり通ることに。
人間はナニやらしてもダメヒューマン。
このシリーズはVFXが実に凝っていて、なかなかカッチョいいんですよね。
ツッコミどころも逆に面白いのですが、やっぱりというか本国での評価は決して芳しくありません。
邦題のタイトルは「FINAL」になってますが、実は最終章の原作を2部作で映画化すると早くから発表されてるので、本当は最後にもう一作あるのです。 だから、あんな終わり方なのね。

しかし、本作の興行成績がパッとしなかったので、最終作となる4作目をTV映画として製作する動きもあるようで・・・・
これを知ったシャイリーン・ウッドリーは「TV映画に出るために契約したんじゃない」とコメントして、最悪降板の可能性も。
どうなるんでしょうかねえ。
        

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「ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦」

ナチス政権のナンバー3と言われたラインハルト・ハイドリヒ。
ナチス親衛隊大将としてユダヤ人の大虐殺に血道を上げたその残虐性から「金髪の野獣」と恐れられた男ですが、チェコ亡命政府の二人の軍人によって1942年に暗殺されています。
このハイドリヒ暗殺事件に関わった二人の若者の戦いを描くサスペンス映画。
一応チェコの話なんですがキリアン・マーフィーとジェイミー・ドーナンが二人の主人公を演じることもあってか、全編ほぼ英語劇です。
でもチェコのアカデミー賞「チェコ・ライオン」で14部門にノミネート。(受賞はゼロでしたが)

ヨゼフ・ガブチーク(キリアン・マーフィー)とヤン・クビシュ(ジェイミー・ドーナン)。 イギリス政府とチェコ亡命政府の指令を受けパラシュートでプラハに潜入した二人の軍人。
彼らの任務はナチス親衛隊大将ラインハルト・ハイドリヒの暗殺。 コードネーム「エンスラポイド(類人猿)作戦」。
レジスタンス組織の協力を仰ぐのですが、詳しいことを聞かされていなかった幹部のヴァネックは猛反対。
そんな重要人物を殺せば、ヒトラーがどんな手に出るやら。
あとあとのことを考えたらそれはあまりに無謀だと反対するのですが、ヨゼフもヤンも「愛国者なら覚悟が必要」と反論。
しかし、作戦のための下調べを着々と進める中で次第に二人にも葛藤が芽生えていきます。
そして1942年5月27日。
出勤のためにハイドリヒが毎朝車に乗って通る道路の角で待ち伏せしていたヨゼフとヤンが襲撃。
重傷を負ったハイドリヒはその1週間後の6月4日に死亡しますが、もちろんここでメデタシメデタシとなる訳がありません。

その時に限って銃が故障するハラハラの暗殺シーンや、作戦の準備がサスペンスフルに描かれると同時に、暗殺を決行したそのあとの報復に恐れを抱く抵抗組織の人物らの葛藤が整然と描かれています。
しかし、この物語は暗殺のそのあとがメイン。 ともかくナチスの報復が凄まじいこと。
史実でも語られていますが、軍人をかくまったとされる村では男200人がその場で殺され、女子供は収容所行き。
他にも二つの村が壊滅させられるなど、暗殺への報復で殺された人数は1万3千人を超します。 「やり返さなきゃ気が済まん・根性」が強烈です。

やがて教会に潜伏していたヨゼフとヤンら暗殺部隊の同志は親衛隊部隊に包囲されて水責めに遭い、自決の道を辿ることになります。
結局、この暗殺は正解だったのかはなんとも言えないところですが、多くの一般人がトバッチリを食って殺されたことは「これも戦争だから」では割り切れない恐怖と悲哀が込み上げてきます。
        

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「ベイビー・ドライバー」

「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」などの鬼才エドガー・ライト監督待望の最新作。
カーチェイス&ミュージックのキレッキレ・フュージョンに思わず夢精がほとばしる痛快アクションです。
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主人公の名は“ベイビー”(アンセル・エルゴート)。
本名ではなく、コードネームのようなもの。
タモリさん風グラサンをかけ、iPodのイヤホンを耳に突っ込んだオコチャマフェイスの青年ベイビーは、子供の頃に遭った交通事故の後遺症からずっと耳鳴りが止まない。
だがiPodで音楽を聞いていればそれを忘れられるだけでなく、運転テクニックも神の領域に達する。
泣く子も道を譲る天才ドライバーとなるベイビーは大物犯罪者のドク(ケヴィン・スペイシー)が計画する強盗の“逃がせ屋”としてしばしば雇われる。
かつてドクに大損をさせたことがあり、その借りを返すために逃走専門の運ちゃんをやってきたが、あと1回で借りもチャラになるところまできていた。
そんな時、ベイビーはダイナーのウェイトレス、デボラ(リリー・ジェームズ)に恋をした。
最後のミッションをやり遂げて自由の身となり、これからいくらでもデボラちゃんと青春の1ページ2ページ3ページとお楽しみの毎日が送れると思いきや、悪党のしつこさはタチが悪かった。
ドクから「おまえは幸運のお守りだ」と縁起物扱いされたベイビーにまた仕事が。 「断ればかわいこちゃんがケガするよ」と脅されたベイビーは八方ふさがり。
どうするベイビーくん!
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車! スバルWRX、三菱ギャラン、シボレー・アバランチなど登場する車は多士済々。
ギャンギャン唸りながらの四輪ドリフトが炸裂しまくるカーアクションは思わず笑ってしまうぐらいサーカス的。
音楽! 主人公は今これを聴いてますというコンセプトであり、全編に渡って元気ハツラツなナンバーがかかりまくります。
他にもベイビーくんは人の会話を勝手に録音して、それをサンプリングしてミックステープを作るという趣味がある。
♪“トロかったか?”♪
おそらく役者が喋るセリフよりも音楽が流れる時間の方が勝っているのではとさえ思うほどのMTVノリのクセが凄いんじゃ。
ストーリーはまったくシンプルなので、なんにも考えずにひたすら楽しめるアクションです。
         

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「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」

ロンドン在住のジェームズ・ボーエンが自身の実体験を綴ったベストセラー「ボブという名のストリート・キャット」が映画化。
一匹の猫との出会いをきっかけに、どん底人生から這い上がった男性の奇跡の実話。
癒されまくること必至の「猫の恩返し」。
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ストリート・ミュージシャンのジェームズ(ルーク・トレッダウェイ)。
ホームレスでほとんど文なしの彼はゴミ箱を漁るほど食べ物にも困っている有り様。
それに加えてヘロイン中毒の更生プログラムを実施中。
だがホームレス仲間に誘われて出来心でヘロインに手を出してぶっ倒れてしまう。
これが本当に最後のチャンスだと更生担当の女性ヴァルから住居を与えてもらっての生活が始まるが、ある日どこから迷い込んだのか茶トラの猫が家にいた。
飼い主も見つかりそうになく、ボブと名付けたその猫との共同生活が始まる。

ケガをしていたボブを診療が無料の動物病院に連れていくものの、薬は有料。
ポケットからなけなしの金をはたいて薬を買うが、その金は街でバッタリ再会した父(アンソニー・ヘッド)から施された金だった。
幼い頃に両親が離婚して以来、そのトラウマを引きずったまま彼はやがて若くしてドラッグに手を出すようになったのだ。
父親にはすでに新しい家族がいる。 クリスマスには帰りたいと言ったが義母からは邪険にされ、父は済まなさそうにお金を渡したのだった。
父から見捨てられた気持ちに苛まれているジェームズにとっては傷ついた迷い猫でさえも自分の姿のように思えて放っておけなかった。

どうせ誰も聴いてくれないだろうが、路上でのギターの弾き語りをしようと、いつものようにコヴェントガーデンへ向かうがボブがどうしてもついてきてしまう。
仕方なくボブをそばにチョコンと座らせて演奏しだしたら、たちまち人だかりができた。
人寄せパンダならぬ人寄せ猫ではあったが、それでも人の笑顔が自分を取り囲む、この幸福感がジェームズに勇気を与えていく。

隣りの部屋に住む女性ベティ(ルタ・ゲドミンタス)は動物アレルギーなのに動物の扱いにも詳しく何かと力になってくれる。
彼女は最愛の兄を薬物の過剰摂取で亡くしている。 今住んでいる部屋が兄が住んでいた部屋で、あえてそこで暮らしながら立ち直れない自分を慰めていたのだ。
今もドラッグ依存症の人間には嫌悪感を抱くというベティに、更生中のジェームズは本当のことを言い出せなかった。

ボブと一緒の路上ライブはSNSでも話題になるほど好評で、一時は嫌がらせの客ともめて誤認逮捕されたり、ボブが2,3日行方不明になったりしたが、ジェームズは確かに変わろうとしていた。
知らぬ間に帰宅していたボブと共に必死の思いで依存症から脱したジェームズ。
そしていつものようにボブをそばに置いてギターを弾くジェームズに出版社の女性から本を出さないかと声がかかる・・・
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ボブがいなけりゃ、ジェームズの人生はマジでヤバかったかも。
自分の食いぶちを潰してでもボブのためにエサを買ったり薬を買う彼に、ボブもまたジェームズを見捨てなかったね。
猫は自立心が強いのだけど、こんなにもジェームズのそばを離れない姿にはこっちも愛おしくなります。
時には肩の上にチョコンと乗るボブの可愛さがたまりませんねえ。

ジェームズは一人ではありません。 ボブがいるだけではなかったですね。
ジェームズがお父さんに会いに行って「見捨てたことを恨んでいないよ」と言うと、お父さんが財布の中にいつも入れていた幼い頃のジェームズの写真を見せて「見捨てたことなんてない」と言い、二人が和解するシーンは泣けましたねえ。
更生のサポートをしてくれたヴァルさんや、隣人のベティ・・・・ 人がどん底から這い上がるその背中を支えてくれる人の心の温もりがジーンときます。

薬物依存やホームレスの問題もストレートに描いた社会性も併せ持った作品です。
それにしても猫がますます好きになりますねえ。
        

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「スターシップ9」

スペイン=コロンビア合作のSF映画。

近未来、大気汚染の進行により、近い将来滅びゆく地球の代わりに棲める星を目指すスペースシップ。
乗っているのはエレナという女性が一人だけ。 彼女はこのシップの中で生まれて育った。
地球をあとにして20年が経過し、両親は残りの酸素を考慮してエレナだけを生かすべく、船を捨てて人生を終える決断をしたらしい・・・というビデオを観たエレナに両親との別れの記憶はない。
ある日、シップの給気系統が故障し、送った救難信号によって近くのスペースシップが駆けつけてドッキングする。
乗り込んできたのはアレックスというエンジニア。
他人を見るのが初めてのエレナと、どこか物憂げに彼女を気遣うアレックスは互いに恋に落ちる。
まもなく故障は直り、アレックスは帰っていく。
エレナの宇宙の旅は続く・・・・・と思いきや。

映画はまだ中盤にも差し掛かっていない所で、ビックリの急展開を迎えます。
いや確かに男の着ていた宇宙服があまりにショボいので変だなとは思ったんですが。
突然のM・ナイト・シャマラン趣向に変調し「ええーっ!」となりますが、こんなに早くネタばらししてもいいの?と戸惑います。
なるほど、この先からのストーリーが肝心なのねと期待して見守っていましたが。
・・・・ありきたりですな。 結局は「極秘実験」モノでしたか。
主人公の男女が安易にベッドインしたところや、クローンのネタを放り込んできた所から安いなあとは思いましたし、ブレ気味のキャラがその後のストーリー展開を軟弱にしています。
構成の組み換え一つで少しは違ったかも。
        

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「エル ELLE」

ポール・ヴァーホーヴェンがまた挑発的な映画を撮りましたねえ。
ちょっとヤバいんでないかい?という病的なオバハンが周囲をブンブン振り回す、悪女世にはばかる物語。
イザベル・ユペールは本作での演技が絶賛され多くの賞を受賞しています。
"ELLE"とはフランス語で「彼女」の意味。

ミシェル(イザベル・ユペール)はパリ郊外の高級住宅に一人で暮らしているゲーム会社の社長。 バツイチ。
その彼女がある日、家に押し入った覆面姿の男に襲われてレイプされる。
とこが・・・ 男が去った後、むっくりと起きあがった彼女は、まず床に落ちて割れた花瓶の破片を淡々と掃除する。
そして風呂に入ってシャワーで体を洗い流す。 訪問してきた息子とディナー。
警察には通報しない。 翌日には普通に会社に出勤。 ゲームデザイナーにダメだしする。
おかしな人である。

ミシェルの父親は大量殺人を犯して終身刑で服役中。
事件当時は幼かったミシェルまでもが事件の関与を疑われ、それ以来警察には不信感しか持っていない。
簡単な防犯グッズを買っただけで自力で犯人探しを始めるミシェル。

会社の共同経営者である親友の夫と肉体関係を持ちながら、若いツバメと仲良くしてる年老いた母親には暴言を浴びせる。
妊娠中の息子の恋人を、どうせ自分のお金が目当てだろうという目で見る。
別れても友だち付き合いしている元夫の車をなに食わぬ顔でバンパーを破壊。 その元夫と親しくしている女性にもさりげなく嫌がらせする。
お向いさんの奥さんは敬虔なキリスト教徒だが、そのダンナさんがちょっぴりセクシーなので色仕掛け。

万事がこんな嫌な女なのである。
肝心のレイプ犯の正体も判明するにはするが、もうそんなのよりはこの変態オバチャンのイケイケドンドンに勝るものなし。
自分のことを棚に上げ、人のやることなすことをディスり、サディスティックな欲求だけにひたすら突っ走るミシェルを渾身の力で演じたイザベル・ユペール64歳。 凄すぎやしないかい?

ただ映画としてこれは何の話? まあこういうキャラクター映画ってのはあるにはありますけど、これぞポール・ヴァーホーヴェン。
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