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人生タクシー
2017年05月29日

T0021736p.jpgイランといえば核開発問題がくすぶってることもあってイメージはあまり良くない国である。
しかし、イランの映画というと、これがまた名作が多いのでなかなか侮れない。

昨年、惜しくも亡くなったアッバス・キアロスタミ監督の「友だちのうちはどこ?」や、マジッド・マジディ監督の「運動靴と赤い金魚」、バフマン・ゴバディ監督の「亀も空を飛ぶ」。
また、「セールスマン」で2度目のアカデミー賞外国語映画賞を受賞したアスガー・ファルハーディ監督も「彼女が消えた浜辺」、「ある過去の行方」、「別離」など、秀作を多く出している。

個人的にはハナ・マスマルバフ監督の「子供の情景」が最も印象深いイラン映画である。 アフガニスタンが舞台の映画だったが。
あの子役の少女は今頃どうしているだろうか。

そんな名作率の高いイランであるが、かと言ってこの国の映画人たちが自由に作りたい映画を作れる訳ではない。
言論統制はかなり厳しく、政治批判の映画など一発アウト。
表現の規制にしても、女性が髪の毛を見せてはいけないのは、いかにもという感じだが、男女が触れ合うことはたとえ親子の設定でもダメなのだ。

アレはダメよ、コレはダメよとお上から言われて素直に従わないのはアーティストなら万国共通のサガ。
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1960年生まれのジャファル・パナヒ監督はイランという国の実情を遠慮なく描く人で、2013年までに7本の映画を撮っているが、イラン国内で上映されたのはデビュー作の「白い風船」だけで、あとは全部上映禁止。
この人は2回逮捕されており、2010年の2回目の際は、大統領選挙の最中に改革派の候補者を支持したとして、自宅で86日間軟禁状態となった。

裁判で20年間映画製作を禁じる判決を出されたものの、映像が収められたUSBをお菓子の箱に隠してカンヌ国際映画祭に応募したというのも話題になった。
その映像に付けられたタイトルは、『これは映画ではない』。
・・・しゃあしゃあとやってのけるレジスタンスの精神が気持ちいい。
そんなアナーキーなジャファル・パナヒ監督の最新作は、なんと監督自身がタクシーの運転手となってテヘランの街を流し、乗り込んでくる人々の姿を車載カメラで捉えた悲喜こもごもの人間模様。

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ハンチングとメガネをかけると随分印象が変わって、人当たりが良さそうに映るパナヒ監督
実際、人当たりは柔らかい。
人生初のタクシー運転手。 それもモグリの。

基本、ダッシュボードに取り付けたカメラを時折クルクル回して位置を変えつつしながら撮った車内の“目”だけで綴られる作品。
予告編からすると「ドキュメンタリー?」と思うが、どうも違うらしいのである。
そこら辺は明言されていない。 あまりに映画としておあつらえ向きなエピソードが続くと思ったら、車に乗ってくる人物は役者らしいと鑑賞後に判明する。
フェイクなのか・・。 いや、それでもイランというお国柄を伝える意図があるエピソードのネタそのものは嘘ではないのだろう。


それにしても、外国の交通マナーの悪さは東南アジアが有名だが、中東も負けてはいない。 日本だけか?ちゃんとしてるのは?
ゲリラ撮影の様なものなので、演者意外の一般人などの光景はリアル。
映画の冒頭はフロントガラスの向こうの外の風景を映し出すのだが、ヒヤッとするシーンが何度か映り込んでいる。
歩行者! はよ渡らんと! 赤なってるし!車が突っ込んできてるやん! 車は車でさほど徐行せずに歩行者をよけて行く。
ベトナムやタイほどではないにせよ、人も車も「ジコらなきゃいいさ」っていう感じなのが怖ろしい。


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【女教師 VS 謎の男】

イランのタクシーは乗り合いが基本。
その方が貸切よりも5分の1ぐらい料金が安くて済む。

強盗に死刑判決が出た話題で、乗り合わせた男性と女性が死刑の是非をめぐって議論を交わす。
女性の方は、何があろうとも命は大事だと訴える一方、男性は泥棒はみんな絞首刑にすべきだと激しい口調で力説する。
この二人、初対面の全くの赤の他人であるが、かなりマジで死刑是非論を戦わせ、どんどん議論は白熱していく。

イランは中国の次に死刑執行が多いことを嘆く女性に対し、男性は停めておいた車のタイヤを4本全部盗まれたのだと言う。 「俺が政治家なら問答無用で死刑だね」と言う男性は女性に対して「あんた職業は?」と聞く。
「教師」と答えた彼女を「やっぱりな。だから現実ってもんを知らないんだ」
「じゃあ、あなた何をしてるの?」と問われた男性は、タクシーから降り際に「俺は路上強盗をしている」と言ってのける。
「貧乏人からタイヤを盗むような奴とは違う」と言い残して男性は去っていき、女性は「あきれたわね・・・」とつぶやく。

イスラム圏国家というと「家族以外の男と話すな」、「男に口答えをするな」など、女性が抑圧されてる社会をイメージするが、男相手でも自分の意見をハッキリと言っているこの女性を見る限りでは全然そんなことはないようだ。
しかも言ってることは政治批判なのだ。 本音は本音、建前は建前ときっちりしているイランの女性は精神的に自立しているということか。

Taxi 3 
【海賊版ビデオ屋の文化活動】

オミドと名乗るこの男は、海賊版のレンタルビデオ屋を営んでいて、この日も顧客にDVDを持って行く用事でタクシーに乗り込んだ。
「パナヒ監督ですよね?」と目を輝かす。
パナヒの自宅にもDVDを届けたことがあるのだという。

けっこう立派な邸宅の前で停まり、パナヒに待ってもらってオミドは邸宅に入り、やがて顧客の大学生の男と一緒に出てきた。
タクシーの中でDVDを選んでいる大学生は映画監督志望だと言う。
「何を撮っていいか題材を探しているが見当たらない」という彼にパナヒ「映画はすでに撮られている。本もすでに書かれている。 題材はどこにでも存在している」とアドバイス。
 
大学生はオミドから何を聞かされたのか、「オミドと組んでるんですって?」パナヒに聞いてくる。 これにはさしものパナヒも苦笑するしかない。
反骨の映画監督が海賊版の商売にいっちょ噛んでる? 有り得なくもなさそうなオミドの嘘であるが、あとでそのことを突っ込まれた彼は平身低頭謝罪しながらも「こうでもしないと外国映画は観られない」と言うのだった。

オミドがタクシーから降りる際、パナヒ監督「代金はいらないから君の文化活動に充ててくれ」と言って彼と別れる。

他国の文化を見ることは大事だ。 それを見ることで自国の文化について気付かなかったことも見えてくる。
イランは自国の映画の表現にはうるさいのはもちろんのこと、ハリウッド映画は上映されない。
オミド自身も映画を愛する男である。 調子のいい男ではあるが、パナヒと同じ“戦う映画人”なのである。

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【夫は血だらけ、妻はパニック】

まだオミドが乗ってる時のあいだに起きたエピソード。
バイク事故を起こし、激しく流血し苦しんでいる男が通行人の助けを借りながらパナヒのタクシーに押し込まれる。
バイクに同乗していた妻はただただベソをかきながらうろたえる。
「あ~どうしましょう、この人が死んでしまうわ~、あなた死なないで~」

とにかく病院へ急がねばならないが、見たところ命にかかわるほどでもないようなのだが・・・・
もう俺はダメだと苦しむ夫はパナヒ「紙をくれ・・・」と頼む。 ああ、ティッシュですか。 そうじゃない、遺言を書くんだ。 今ここで?
しかもケータイで撮影してくれとも言う。
パナヒのケータイを使ってオミドが撮影している。 タクシーの車内のなんともシュールな光景。

家とか財産は全部妻に遺す。 兄弟は争わずに遺言に従うように・・・・
それだけ喋れれば、死にゃあしないよと思うパナヒオミドだった。
妻は相も変わらず泣きわめき、病院へ着くなり担架で運ばれる夫と共にダッシュで去っていったが、その後、ケータイで撮影した映像のコピーを催促する電話をかけてくるのには、パナヒもちょいと呆れるしかない。

そりゃあ奥さんにしたらコレは重要だ。
夫が妻に遺産を全部与えるなんてことはイスラム法上は通常有り得ない。 せいぜい半分である。
だが実際にはイランの男性は、そんなことは間違っていると思っている人も多いという。
そこだけは愛する妻にちゃんとしてあげたいと考えているのだ。
この夫の遺言の映像がしっかり残されていることをヤケに気にする妻の気持ちはイランの国柄としては分かる。

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【金魚婆さんズ】

金魚鉢を抱えた二人の婆さんが乗り込んでくる。
テヘランの南のレイという町に「アリの泉」という所があり、そこに正午までに着けてちょうだいと言う。
「絶対着くわよね」 かなり急いでいるようだ。
何をそんなに急いでいるのかとパナヒも興味を引かれて聞くが、この金魚を正午までにアリの泉に返さないと自分たちの命にかかわると言う。
なんだかよく分からないが、何かの迷信を信じているのだろう。
その歳で「命にかかわる」とかを気にするのかとパナヒ不謹慎に思ったかどうかは定かではない。

しかし所詮はモグリのタクシーである。
道にも詳しくないし、時間までに着くかどうかパナヒも自信がない。
何かの拍子に急ブレーキを踏んでしまい、金魚鉢が割れて、金魚ちゃんはタクシーの床でのたうち回る。
「キャーッ!金魚が死んじゃう!」 婆さん、大騒ぎ。
パナヒがビニール袋に水を入れて持ってきて金魚ちゃんを救出。(水道水で大丈夫なのか?)

パナヒは焦る。 時間に間に合いそうにない。 実は彼にも大事な用事があるのだ。
そこで彼が取った行動に婆さんたちはビックリ仰天。
タクシーの運転手が「ヘイ、タクシー!」とタクシーを呼び止めているのだ。
パナヒもちゃんとした他のタクシーに任せた方がいいと判断したのだが、婆さんたちにすれば寿命が逆に5年ぐらい若返るような衝撃である。
「何なの、この人?」 「タクシーの運転手がタクシーを拾ってるわよ」 「どういうことよ?」 「信じられないわね」

婆さんたちに正規のタクシーに移ってもらってやれやれ。
だがパナヒがこれから会う人物は負けず劣らずのクセモノだった。

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【怒れる姪っ子】

パナヒの姪っ子である小学生のハナちゃん
学校終わりの彼女を迎えに行く予定だったが1時間遅れである。
予想通りに姪っ子はほっぺたを膨らませ、目つきは「おまえシバくぞ」と言っている。

「なにこの車? なんでタクシーなの? 私の叔父さんは映画監督だって友だちに自慢したかったのに。 もうみんな帰っちゃったし。 私の信用ガタ落ちよ。 私を長い時間一人ぼっちにして、誘拐でもされたらどうするつもり?」
はいはい、私が悪ぅございました。申し訳ございません。 実は仲がいい二人。 まあいつもこんな調子なのだろう。
まずは機嫌を直してもらわねば。
「教養のあるレディはまずオシャレな店でフラッペよ」 はいはい分かりました。

学校の課題で映画を撮ることになっていると言う。(小学校で?)
でもいろいろとルールがあって難しいと嘆く。
女性はスカーフを着用・・・、暴力はダメ・・・、男女は触れ合わない・・・、善人はネクタイをしめない・・・
「どうすりゃいいのよ」
アニメ「アングリー・バード」が表紙になったノートを手にしながら愚痴が止まらないハナちゃんだった。

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【友人の深き苦悩】

パナヒはある幼なじみの友人と待ち合わせしていた。
友人は見てほしい動画があるのだとパナヒにパッドを渡し、ハナを連れてカフェに行く。
待っている間、車内でパナヒが見た動画とは、防犯カメラの映像だった。 それも友人が強盗に襲われてるショッキングな光景である。

戻ってきた友人は言う。
ケガは治ったけど、犯人の男の顔に心当たりがある。 だがその男が金に困っていることを知っているし、先日強盗に死刑判決が出たこともあって、どうしても訴えることができない。
その悩みを打ち明けるために友人はパナヒを呼び出したのだった。

するとカフェの店員がパナヒの注文した飲み物を持ってきた。
店へ戻って行く店員の後ろ姿を見やりながら、友人は「私を襲ったのが彼だ」と衝撃の証言をする。
「力になれず済まない」と言うパナヒに友人は「いいさ。話を聞いてもらえて気が楽になった」とつぶやき、二人は別れた。

店員の顔をよく見ていなかったパナヒは、フラッペを御馳走になってカフェから戻ってきたハナちゃんに、店員がどんな顔をしていたか聞くが彼女は「普通の顔」と答えるだけだった。

パナヒ自身は死刑制度に疑問を持っている方なのだろう。
友人を苦しめた強盗は許し難いが、その張本人の居場所が分かっていてもどうすることもできないもどかしさにパナヒもイヤな気分になる。
死刑にでもしなければ強盗は減らないのか。 それで強盗が減るとも限らない。
カフェで働く“普通の顔”をした青年が強盗に走るこの国の病巣はどこにあるのかとパナヒは憂う。

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【ヒーローになるか、泥棒になるか】

ハナちゃんは学校の課題のために、常時持ち歩いているカメラを回している。
パナヒが私用のために車を離れてる間、待っているハナちゃんは結婚式場から出てきたドレス姿の新郎新婦にカメラを向ける。
すると新郎がズボンのポケットから紙幣を落としてしまった。
そばで見ていた一人の少年が近寄ってきて、新郎が気づかないのをいいことに、お金を拾ってポケットに入れる。

次にゴミ捨て場を漁り始めた少年にハナちゃんは声をかけて呼ぶ。
「あなたのせいで上映できない映画になっちゃったわよ」
最初は否定していた少年だが、ハナちゃんにしつこく詰め寄られて認める。
「お金を返せばヒーローよ」ハナちゃんに説得され、「仕事のない父親に渡したい」と少年はためらいつつも新郎がお金を落とした現場へと戻るのだが・・・。

戻ってきたパナヒハナちゃんがヤケにふくれっ面をしていて、何かあったのかと思いながらも再びタクシーを走らせる。

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【俗悪なリアリズム】

パナヒの知り合いの人権派弁護士と偶然遭遇。
バレーボールの試合を観に行っただけで逮捕された知人女性を見舞う所だと言う。
その女性は今も100日以上拘禁されている。
また弁護士の彼女も“弁護士会から”停職処分を受けていているのだが、それに屈することなく「あなたと同じね」と素敵に笑う。
この弁護士もパナヒも逮捕された経験があるが、「釈放されても外は大きな独房よ」と嘆く。

タクシーの中のカメラを見つけて意図を理解した彼女は微笑みながら「私の今の言葉は“俗悪なリアリズム”と言われてしまうのでカットしてね」と言い残してタクシーを降りていった。

ハナちゃんはちょっと学んだ。 いやむしろ疑問が増えたのだろうか。
「俗悪なリアリズムって何? 学校の先生は現実を撮れっていうけれど、暗くて嫌な現実は見せちゃダメって言うのよ。 自分がやったことを隠したがるなんて信じられないわ」

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【薔薇は見ていた】

ハナちゃんが車内に落し物を発見。
どうやら、あの金魚婆さんズのどちらかの財布らしい。
ここからならアリの泉はそんなに遠くない。
今から行けばまだ婆さんたちはいるだろうとアリの泉へと向かう。

パナヒハナちゃんは車を降りて歩きだす。
ダッシュボードの上の、弁護士さんが分けてくれた薔薇の花一輪越しに車載カメラが二人を見送っている。

そこにやってきたのは男二人乗りのバイク。
男が車に近づき、どうやら窓ガラスを叩き割っているらしい音が入り込む。
そしてガサガサと金目の物を物色し始める。
カメラに気づき、メモリーカードを抜き取ろうとするが、丁度二人が帰って来たので男たちはあきらめて去っていった・・・・・・

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“モキュメンタリー”の手法で、イランという国を様々な角度から映し取っているユニークな社会ドラマ。
楽しめて、さらに実にタメになる。

冒頭に記したようにイランというイメージはあまり良くない。
中東の国って紛争ばっかりって感じだし。 第一「イラク」と名前が似ているし。 アメリカも目の敵にしてるし。
なので余計になんかガラの悪そうなイメージを持っている人も多いだろう。

しかしこれは大きな誤解。
だいたいイラクはアラブだが、イランはペルシャ人の国だからそもそも、そこからが違うし、中東の国では全然治安のいい方だ。

この映画を観ていると、(これだけで判断してはいけないのだろうが)イスラム国家の割には男女間の関わりがまあまあ緩い印象を受ける。
他人同士の男女でも普通に会話しているし、女性も男に対して言いたいことは言いまくっているように、女性を抑圧している感じはないのは、この映画の演出だからだろうか?

それでもザッと通して観ると、この国はやっぱりいろいろあるのだ。
「死刑執行が多い国」というのは初めて知った。
無題
★ 浮気や婚外交渉は死刑。 同性愛も死刑。 バハーイ教という宗教信者も死刑。 麻薬など問題外。
国際法上望ましくないとされる18歳未満の死刑も容赦なく執行する。
死刑の是非については、ここであれこれ書かないが、この厳しさあってのイスラムだ。

★ 外国映画は海賊版DVDでも購入しないと観ることができない。
イランに生まれないでよかったなあ。
パナヒ監督にしても、外国映画を締め出す政府には憤りながらも、では海賊版が出回るのを容認できるかというとそれもまた違う話になる。

★ 映画製作についてのイスラムらしい条件も、学校の生徒手帳に記された変な校則みたいだ。
だけど、そんなハードルをクリアした上で、傑作を世に送り出してきたイラン映画はやっぱりヤバいのだ。

パナヒ監督の「オフサイド・ガールズ」(06)では、男装してまでサッカー観戦に行く少女たちを描いていたように、女性のスポーツ観戦は固く禁じられている。
本作でも、バレーボールを観に行っただけで逮捕された女性を見舞う弁護士さんが出てくるが、彼女もまたフォローしてくれるべき仲間の弁護士会から処分されてしまう。
外に出ても独房にいるようなものだという彼女の気持ちもうなづける。

★ 中東の国の中でも比較的治安がいい方だと言っても、本作の中ではやたらに泥棒のネタが目につく。
最初の死刑是非論議にしてもそうだし、パナヒの幼なじみが遭った災難や、新婚夫婦の夫が落とした金をくすねる少年、ラストの車上荒らしのシーンが象徴するように、イランはなんだかんだで貧しい国なのだ。
核開発に走るぐらいなら金はある国のはずだが、経済制裁のこともあるのだろう。 パナヒのタクシーの車内や車外で交わる人々のライフはどれも余裕がない。

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中盤から登場するハナちゃんは、正真正銘のパナヒの姪っ子。
小学生とは思えない大人びたおしゃべりで場をかっさらっていく、愛嬌たっぷりのキャラであるが、彼女の言葉がこの国の矛盾に対するツッコミとなって、観る者に率直に響いてくる。

何を言っていいのか、何を言ってはいけないのか。
何が正しくて何が悪いのかを決めるのは、社会の上に立つ人の価値観が先に立つことへの胡散臭さをハナちゃんはふくれっ面で口にする。
嫌な現実でも直視しようとする少女の、素直な目線がこの国の救いに思える。
たくさんの"ハナちゃん"がイランにいるであろうし、苛酷な道かもしれないが、隠し事を是とする大人に流されることなく、素直なファインダーで社会を見据えてほしい。
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「賢人のお言葉
 
「現実を直視する心に 、本当の理想が生まれる」
 ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
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