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他にもこれ観ました  ~4月編(下)
2017年05月04日

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「夜は短し歩けよ乙女」

森見登美彦のベストセラー小説がアニメ映画になりました。
原作もすでに読んでいて、この映画を観に行った方は多いとは思いますが、未読の方にこの作品について説明するのは難しいですねえ。
けっこうブッ飛んだ内容ですからね。

小説はですね・・・
舞台は京都でして、「黒髪の乙女」と「先輩」という2人の人物の視点で交互に語られる連作小説です。
大学生の「先輩」が後輩である「乙女」にひと目惚れし、偶然を装って、“るべくのじょのにとまる”[ナカメ作戦]を実行する。
「乙女」の方はというと、好奇心の強さがハンパなく、色んなところに行ってはそこでなんやかんやあって、彼女にある意味つきまとっている「先輩」も巻き込まれての騒動になっていく話です。

四季の話だったのを、映画では大胆に一夜の話にしてあるのですが、よく1時間半にまとめたとは思います。
面白かったですけど、原作のクオリティを求めるのは酷ですな。
でもやっぱりこの世界観は、原作未読の人には「なんじゃこれ?」なゲテモノに感じるでしょうね。
深夜アニメの「四畳半神話大系」だけでも観ていればセーフかも。

原作既読の者にとっては、文字だけでは分からない夜乙ワールドがビジュアル化されるとこうなるよというのが楽しめます。
「おともだちパンチ」は想像つきますが、「偽電気ブラン」、「韋駄天コタツ」、「ゲリラ演劇・『偏屈王』」などなど気になってた描写がひと目で解決。
最も想像つかなかった「詭弁踊り」。 どんな踊り?って思ってたら、あれは恥ずかしい。
代々受け継がれる? 受け継ぎたくねえわ~
        

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「レゴバットマン ザ・ムービー」

良い子のみんな、ごきげんよう。
私だ。 バットマンだ。
みんなはもう名古屋のレゴランドに行ったかな?
子供料金が高い? まあそう言うな。 どうせ金払うのは親だ。
なんだったら年間パスで3回行けば元が取れるぞ。
さあ、ゴールデンウィークはパパとママの首に縄つけてレゴランドへレッツゴーだ。

それともうひとつ。 私の映画を観てくれたかな?
3年前の「LEGOムービー」にも顔は出してるが主役ではなかったしな。 今度は堂々と主役だぞ。
いやあ、自分で言うのもなんだがな。 面白いぞ、この映画は。
この私のキャラクターの屈折した部分を全力でいじりながら、笑いと悲哀のドラマに仕立てた、実に質の高いパロディ・ムービーになっているのだ。
レゴの世界で人形がチョコマカと動き回るだけの子供ダマシだと侮るなよ。 観たらビックリするぞ。 意外に感動してしまうからな。

そもそも私ことブルース・ウェインは両親を強盗に殺されたトラウマから、この世の悪を片っぱしから排除することに人生のすべてを捧げるつもりでバットマンという道に進んだのだ。
だから友だちとか仲間とかはいらない。 もちろん結婚もしないし、家族を持つなどお笑いペンペン草だ。
日夜、ゴッサムシティで悪党をかわいがってやって屋敷に帰れば、一人メシのあとはトム・クルーズ主演の「ザ・エージェント」のDVDを観て大笑いして寝床に就く。 そんな日々の繰り返しだ。
寂しくないのかって? バカを言うな。 私の心には怒りしかない。
アルフレッドは「ブルース様が恐いのは家族を作ることではないのですか」と言う。
最近のアルフレッドは歳のせいか説教臭くてかなわん。

そんな時、私のちょっとしたミステイクの都合で、ディックという一人の孤児を養子に迎えることになってしまった。
こいつがまたやたらにハイテンションなのだ。 どこからそんなに元気がヒネり出せるんだ?
うっとおしい奴だ。 仕事のジャマだけはするなよ。
ある日、遂に私は宿敵ジョーカーをお縄にしてファントムゾーンに飛ばしてやったのだ。 これでゴッサムシティには平和が訪れて万々歳。

ところが・・・ 何もすることがなくなってしまった・・・。
悪党がいなければ私は存在する意味がない。 この先、私は何をすればいいのだ?
ああ、もう一度悪と戦いたい。 ジョーカーがいなければ私などただのネクラなコスプレオヤジではないか。
だが、そうやって私がジョーカーという奴のありがたみを思い知ることも、実はジョーカーのたくらみだったのだ。
そしてジョーカーによってファントムゾーンから解き放たれた悪の軍団がゴッサムシティに襲いかかる。
私一人ではどうにもならないほど、シャレにならん状況だ。
こんな時は・・・ 私は今、仲間というかけがえのない存在の意味を知ろうとしていた。

・・・という具合だ。 良い子のみんな。これだけは言っておくぞ。
「人生には別れが付き物だが、出会いを恐れてはいけない」
そしてもうひとつ。 腹筋を大切に。

        

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「ゴースト・イン・ザ・シェル」

ぶっちゃけ「攻殻機動隊」って、アッシはよく知らないんですよ。
2004年に公開された「イノセンス」だけ観たことあるんですがね。 草薙素子ほとんど出てきませんし、なんか退屈な作品だったなあ。
それ以来、「攻殻」とはほとんど関わってないので、全くのビギナーと言ってもいいでしょう。

ファンの人には色々と思うところはあるんでしょうけど、アッシは普通に面白かったですね。
スカーレット・ヨハンソンかっちょええなあ。
「少佐」役は何もアジア人でなくてもいいでしょう。 むしろスカヨハで大正解じゃないの? ダメ?

ストーリーは意外にシンプル。 これでいいの?って思うぐらいシンプル。 多分そこはダメなんだろうな、ファンの人には。
「ロボコップ」のストーリーに一番似ているかなあ。
ビジュアルは見応えありますよ。 未来の街の3D看板も面白いねえ。

あと、たけしさんね。
あの方、ちょっと滑舌悪いでしょ。 それを意識してか、ハッキリ喋ろうとして、あんな棒読みのセリフ回しになってんでしょうか。
桃井かおりが出てきたシーンは良かったなあ。
        

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「パージ:大統領令」

経済崩壊によって新しく生まれ変わったアメリカでは1年に一晩だけ、夜の7時から翌朝の7時までの12時間、殺人などを含むすべての犯罪が合法化される「パージ」という制度が施行されていた。
法のもとに理性のタガが外れた一般人が嬉々として人を殺し合う恐怖の一夜を描いたバイオレンス・スリラーのシリーズ第3作。
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パージ賛成派の極右現政権と、パージ反対派の女性上院議員ローンが大統領選挙を争っている時期のさ中、パージの一夜が幕を開ける。
ローン候補を亡きものにしようと画策する政権側。 前作で我が子を交通事故で失い、車を運転していた男に復讐しようとパージ真っ只中の街をさまよった刑事レオは、今回はボディガードという職に就いている。
パージの標的となった議員を護衛するためにチームを組んで12時間を乗り切ろうとするが、買収された仲間の裏切りによってレオとローン議員は殺気立ったワシントンD.C.に放り出されてしまう。
なんせ、世界中からアメリカに観光がてらにやってきて、殺人が大っぴらにできるパージを楽しもうとしてる連中までウヨウヨいるのである。
パージ存続を望んで議員を目の敵にする市民だけでなく、議員拉致のために政権側がさし向けた傭兵集団も追ってくる。
こんな状況をサバイバルしなければならないレオとローンは果たして逃げのびることができるのか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1作目、2作目とストーリーのパターンを変えながらも、誰彼でも殺人鬼と化す「パージ」という状況化が生みだす恐さを軸に描いた秀逸なホラーは、3作目にして実に見応えたっぷりの傑作になっています。
もちろんパージなんて間違っているという人も大勢いる訳です。
中にはパージを逆利用し、暗殺による革命で国を変えようとする組織もできていて、一度狂ってしまった世界に立ち向かうためのジレンマも描かれています。
普通は絶対やってはいけないことが許されたら、人間はここまでおかしくなってしまうのかという世界の異常さがメチャクチャ恐いですね。
だからあのラストになってしまうのか・・・。
ちなみにこのシリーズ、まだ続くらしいですよ。
        

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「3月のライオン」[前編]・[後編]

現在も連載中の羽海野チカのベストセラー・コミックの実写映画化。
幼い頃に家族を交通事故で失い、父の友人だったプロ棋士の幸田家に引き取られた主人公・桐山零。
生きていくために将棋に居場所を見つけ、やがて棋士としての頭角を現していく零。
やがて川本家という家族の温かな触れ合いに戸惑いながらも人して棋士として成長していく姿が感動的に描かれています。

スケジュールをにらめっこして、一日で前編・後編をイッキ見しました。 両編併せて4時間37分。
これはいい映画ですねえ。
将棋に疎くても全然OK。 これは主人公だけに限らず、自分にとって幸せに思える居場所を見つける人々の物語。

今や“神ってる”神気隆之介が演じる桐山零の、棋士としてはもちろん、孤独の中から家族という居場所を見つけるための“対局”にも大いに悩みながらも大切なものを見出していく過程がきめ細やかに描かれています。
4時間半超えだから当然でしょうが、人の成長物語としては近年の邦画の中では群を抜いてるクオリティと言えるでしょう。
キャラクター・ストーリー的な色合いを見せる“起承”の前編と、人物の周囲の変化が一気に展開する“転結”の後編へのシフトがナチュラルで物語に厚みとリアリティを与えています。

それぞれの人生を背負っている様々なキャラクターが数多く出てきますが、多過ぎとはまったく思わないですね。 みんな印象深いです。
◆神木君以外に、中でもグッジョブな演技を見せたのは幸田香子役の有村架純ですね。 桐山零の人間ドラマに一本のスジを入れる重要な役を見事に演じてます。
◆後藤正宗(伊藤英明)の「それ必要?」と言われる目ヂカラ! 対局中に奥さんが亡くなった時のエピソードがいい!
◆胃痛もちの山形人・島田開(佐々木蔵之介)との、おやつを食いながらガンの飛ばし合いには笑いました。
◆なんか飄々としてるけど妙な安心感がある担任の村田先生(高橋一生)も不思議なキャラでした。 「また屋上メシかぁ?」 アンタもやんけ。
◆二階堂役は誰?って思ったら染谷将太ですと!? 役作りのためにゲキ太りしたのかと思ったら特殊メイクだそうで安心しました。 あ~ビックリした。
◆川本家3姉妹(倉科カナ・清原果耶・新津ちせ)の「ちゃんと向こうの家族と幸せになってね」も良かったですね。 ちせちゃん可愛いよ。
◆前編のワンシーンだけですが、山崎順慶(奥野瑛太)のビジュアルの強烈なこと!

全編、名台詞の雨アラレ。
「答えは決して誰かの横顔に問うてはならない。 自ら嵐の中で問うしかないのだ」
一手一手で世界が変わる棋士の勝負の壮絶さですねえ。
原作はまだ続いているのですが、この映画では山形の立石寺の階段を上っていく凛々しい姿の零が、宗谷(加瀬亮)との対局に臨むところで締めくくられます。 いい余韻を残すラストですね。
        

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「グレートウォール」

今年のアカデミー賞授賞式で司会のジミー・キンメルから、さんざんイジられたマット・デイモン。
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」に出演せず(製作のみ)、「中国のポニーテール映画に出て8000万ドルの損失を出したんだもんね。 賢いったらないね、このバカチンが。」
そのバカチンが出た映画がこの「グレートウォール」。 監督は巨匠チャン・イーモウ。
正確には米中合作映画で、世界興収の計上ではまあまあ黒字です。 ただし肝心の北米マーケットでは大コケですが。

批評家からもディスられまくってる本作は、中国の代表的な建造物である万里の長城を舞台にしたアクション大作です。
ただし、万里の長城についての歴史的考察モノなどではありません。
謎とされている「そもそも、なんでこんな巨大な長――――い壁が作られたのか」。
パッと見は、やっぱり敵の侵入を防ぐためなんじゃないの?って誰でも考えますが、実はその通り。
この映画に出てくる「敵」というのは人間ではなくて「モンスター」。
さすがレジェンダリー・ピクチャーズだぜ。

60年に一度、山から降りてきて人間を食らう怪物、トウテツ。
馬ぐらいの大きさのトカゲっぽい怪物が、ムチャクチャな数の大群で押し寄せてくるのです。
しかも動きも速いうえに、女王である一頭がパルスのようなものを発して群れに指示を出すという、まあまあの知力もある。
このトウテツに対抗するがために、とりあえず防御壁として建造されたのが万里の長城というわけ。 うん?「進撃の巨人」みたいですね。

マット・デイモンが演じるのは、ある“お宝”を探してひと儲けしようと世界各地を旅する傭兵。
彼は北宋の“禁軍”に捕われるのですが、やがて彼もトウテツと戦う禁軍に協力して大活躍するというお話です。

巷で言われてるほど、ひどい作品ではないと思いますがねえ。
3Dで観ましたが(3D上映しかない)、なかなかのド迫力です。 3D作品としては合格ですね。
甲冑のデザインもシブい。 「キングコング:髑髏島の巨神」にも出ていたジン・ティエンも女司令官として登場。 きれいなお嬢様ですわい。
異邦人の手による怪獣モノのエンタメ作品ですから、別に深く考えずに観ればいいとは思いますよ。
だけどさあ・・・、女王一頭だけ倒したら、あとの残り全部はゼンマイ切れたようにバタバタ死んでいく怪物のなんともいえないガッカリ感はいかんともしがたい。
        

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「バーニング・オーシャン」

2010年4月20日に起きた石油掘削施設「ディープウォーター・ホライゾン」の爆発事故を描いたディザスター・ムービー。
「ディープウォーター・ホライゾン」はスイスのトランスオーシャン社が所有していた巨大な最新鋭の海洋石油掘削施設で、当時は126人の作業員が働いていました。
イギリスの大手石油会社BP社にリースされており、ルイジアナ州沿岸から南東のメキシコ湾での掘削作業中に起きた事故だったのですが、これは世界最大の人災とも言われています。

安全テスト。これをちゃんとやらなかった。 大きな事故のあったニュースで、時々聞くケースです。
作業が大幅に遅れており、利益を優先させたいBP社が重要なセメントテストを省略してテストの担当会社を帰してしまったのが発端。
その次のパイプの負圧テストは行ったのですが、これにもなんやかんやとBP社の幹部が屁理屈をこねて「いけるいける、大丈夫大丈夫」を繰り返す。
慎重になっている現場の人たちに、「おまえら猫みたいに根性がないな」 関係ないやん。
で、作業が強行された結果がボン!ですわ。 油とガスが流出したと思ったら爆発までが早い事。 これ、生きて帰れっちゅうのがムリちゃうの?って思うほどの地獄絵図。

マーク・ウォールバーグが演じるのはトランスオーシャン社のチーフ技師マイク・ウィリアムズ。 カート・ラッセルが施設の主任であるジミー・ハレルに扮して、決死の脱出サバイバル・ストーリーを演じています。
安全軽視で作業強行を主張するBP社のドナルド・ヴィドリン役にはジョン・マルコヴィッチ。 腹立たしい役ですがハマってますねえ。
たくさんの人が亡くなった実際の事故ですので、面白い映画だと表現するのは憚られますが、カット割りやサウンドが凝ってて凄い迫力です。


もともと空調や電話、警報器の誤作動などあちこちが不具合だらけの施設でして、事故の時もおそらく坑井を固めるセメントの強度が不十分だったと思われますが、掘削泥水がパイプから漏れ出し、メタンガスと原油が猛烈な勢いで噴出して引火。 大爆発を起こして、丸2日間の火災の後、ディープウォーター・ホライゾンは沈没。
3ヶ月に渡って2億1000万ガロンという大量の原油がメキシコ湾に流出して環境汚染や沿岸住民の生活にも大きな被害を与えることになりました。
この事故ではトランスオーシャン社の作業員11人が死亡していますが、ちなみにBP社のドナルド・ヴィドリンとロバート・カルーザは故殺罪に問われたものの、その後起訴は取り下げられています。
どういう経緯かは分からんが、11人殺して豚箱に入らんのか?摩訶不思議じゃのぉ。

エンドクレジットでは亡くなった人たち11人が写真とともに紹介されます。
この人たちの無念のためにも、「安全」に対する意識を今一度見つめ直さなければいけないと思います。 金より命だべ。
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