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未体験ゾーンの映画たち2017 PART1
2017年03月16日

e624ba6e9fc1215123698a6d0a6f5465_20170205222229f91.jpg今年で6回目を数えるテアトルシネマグループの名物企画。
年々ラインナップの数が増えてまして、今年は63本(一本上映中止になってしまいましたが)。
毎年全作制覇される方がいらっしゃるらしいですが、今年の62本を全部さらい倒したらこれはマジで凄い。
ひれ伏しますねえ。

プログラムに記された簡単な紹介を見てますと、「おっ、これ面白そう」っていうのが少ないなあ。
「またそういうパターンの奴?」みたいなのが、やたらにありますねえ。
それになんで「チアーズ!」がラインナップに入ってんの? 未公開じゃないのにね。 そんなにリバイバルを求める声があったんでしょうか?

ともかくも、何をチョイスして観ようかと例年悩みますが、今年は12本の作品を選びました。
「PART1」と「PART2」に分けて6作品ずつを例によってラジオ番組スタイルで。


真夜中のラジオから聞こえる謎のDJの声・・・

皆さん、こんばんわ。
謎のDJがお送りする『未体験ゾーンへの招待』の時間です。
今宵も素敵な音楽と、イロモノ映画の話題をお届け。
リスナーの皆様からのお便りもお待ちしております。

それではさっそく参りましょう。
今夜最初に紹介するメールは、岡山県からいただきました。
小学生の男の子ですね。 ラジオネーム「てんてこまい」君です。

「DJさん、こんばんわ。 いつも聴かせてもらっています。 僕のお兄ちゃんはエロDVDを押し入れに隠しています。 この前、偶然に発見してしまいました。 イヤなものを見てしまった気分です。 お父さんやお母さんに言うべきでしょうか?」

本心で言うとるんか君は。
そんなこと御両親にチクるもんじゃない。
君ももう少ししたら、そういうのにアホほど興味を持つし、お兄ちゃんと同じ道を辿るのだよ。
世界の男子共通の生態だからね。
むしろ、お兄さんの方に相談しなさい。 僕にも見せてくれと。 いいね?
そんな君にはこの映画だ。  といっても、あんまり面白い映画ではないが。

cover06.jpg 
「FOUND ファウンド」

いじめられっ子でホラー好きな少年のマーティは兄のスティーヴの秘密を知っている。
クローゼットの中に生首を隠しているのだ。
数日おきに生首の人物が変わるが、大抵は黒人の女性のようだ。
マーティはたまにこっそり兄の部屋に入っては、クローゼットの中のボウリング用のボールバッグに収まった生首を眺める。
ある日、マーティはいつものようにバッグを覗くと、いじめっ子のマーカスの生首が入っていた。
自分が生首のことを知っているのを兄に悟られたかもしれない。
今度は自分の番だろうかと慄くマーティに兄は・・・・
FOUNDEXCCLIPFEAT.jpg
話の取っ掛かりには興味をそそられるけど、後半からバタバタしだして、いかにもB級スリラー。
「ヘッドレス」という劇中映画が出てくるんだけど、そっちのグロさはなかなかの物なのに、肝心の本筋の方は見せるべきモノを伏せるという妙な演出になっていて、全体的にスカスカな内容になっている。
なんとか低予算でも工夫していいモノ作ろうという苦労は伝わってくるけどね。

そんじゃあここで一曲お聴きください。
アヴィーチーで「ヘイ・ブラザー」。

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪


それでは次のメールです。
こちらは栃木県にお住まいの会社員の方。
ラジオネーム「コレがアレしてソレなもんで」さんです。

「いつも聞かせてもらっています。 つい最近、映画「アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男」を観ましたが非常に面白かったです。 ナチスの残党は今もどこかにいるんでしょうか? ヒトラーなんかは本当は自殺しておらず、南米に逃亡してたのではないかという都市伝説もありますけど。」

元ゲシュタポ局長のハインリッヒ・ミュラーは逮捕されないまま、その生死も未だ不明ですけどね。
まあ年齢的に多分生きてないでしょうが。
ヒトラーの真偽はともかくも、逃げおおせたまま罪も償わずに勝手に死んだ戦犯には釈然とはしませんがね。
そういえば、こんな映画を最近観ましたよ。

39_016.jpg
「ヒトラー 最後の代理人」

アウシュヴィッツ強制収容所の所長で、後に逮捕され、ポーランドで死刑に処されたルドルフ・フェルディナンド・ヘスの手記を基にした歴史ドラマ。
ポーランドの刑務所で裁判にかけられるのを待つヘスの元を訪れた若き判事アルバートが彼の取り調べを始める。
やがてヘスの口から収容所での怖ろしい出来事が語られる・・・・

39_032.jpg
それまで収容所で使用されていた虐殺法は一酸化炭素だったけど、実験によってツィクロンBという殺虫剤を使用するのを進言したのがこの男。
彼の手による虐殺の数は100万人とも言われているんだけど。
この虐殺者の口からどれほどのおぞましい内容の裏話が飛び出すものやらと構えてたが、少々肩すかし。
その程度の話?
それならまだ「アイヒマン・ショー  歴史を映した男たち」という映画でアドルフ・アイヒマンが語った証言の方が全然ショッキングでしたね。
アイヒマンもそうだったが、「命令が正しいものだと信じ、我々はそれにただ従っていただけだ」という自己弁護などはもう聞き飽きた。
ほぼ全編が会話劇だというのは気にならないけれど、内容はまるで薄いね。

それでは曲をおかけしましょう。
セックス・ピストルズで「ベルゼンの毒ガス室PART1」。

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

では次のお便りに参りましょう。
秋田県にお住まいのラジオネーム「コングキング」さん、学生の方ですね。

「町のあらゆる所に防犯カメラが設置されるようになりましたよね。 最初はプライバシーを心配する声もありましたが、やっぱり犯罪捜査への貢献度と言うか、その効果はテキメンだと思います。 昔の未解決事件だって、当時防犯カメラさえあれば・・・というのもありますよね。」

おっしゃる通り。 個人的な意見としてはもっと増やすべきと思うね。
「カメラがありますよ」という状況を見せてるだけでも抑止効果があるでしょう。
とは言うものの、これを悪用する輩はやっぱりいるんでね。
このあたりの対策はどうしてるのかも気になりますが・・・ということを考えさせられるのがこの映画。

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「アブノーマル・ウォッチャー」

新婚夫婦のライアンとクレアは、ある郊外の一軒家に引っ越してきた。
クレアは妊娠中。 夫のライアンは不倫中。 そんなチュウチュウな二人の新居での暮らしは実は無数の監視カメラによって筒抜けだった。
この家を貸している大家が玄関、リビング、キッチン、プールから浴室、さらにはトイレの便器の中にまでカメラを仕掛けていたのだ。
夫婦のプライバシー映像を「ハァハァ」言いながら観ている、変態中年男のサイコ趣味はどんどんエスカレートしていく。
やがて、カメラの存在を夫婦に気づかれた変態男は怖ろしい行動に出る・・・・
13-cameras-neville-archambault.jpg
男の名はジェラルドと言いまして、このキャラクターが凄いよね。
口を半開きにしながら荒い息づかいでモニターを凝視している姿も不気味なんですが、こいつがまたアンバランスなマッチョなんだよな。
特に、肩のあたりの三角筋というんですか、この筋肉がやたらにモコモコッと盛り上がってるんですよ。
「北斗の拳」に出てくるウイグル獄長ですよ。 「あ~?聞こえんなあ。」のオッサンね。
必殺技「蒙古覇極道」を思い出さずにはいられませんな。
足を引きずり気味に歩き、汚物の様な体臭を漂わせ、セリフのほとんどが唸り声。
この突き抜けたキャラの存在がこの映画をバッチリ仕上げてるよ。
ラストがまた救い難いんだな、これが。

それでは曲をお聞きください。
ポリスで「見つめていたい」。

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

お次はこちら。
鹿児島県からいただきました、会社員の方ですね。
ラジオネーム「泣きのもう一回」さんです。

「少し前、カナダのケベックで銃乱射事件がありましたが、こういうのには本当にゾッとします。 比較的治安がいいと言われていたカナダでも銃規制が緩ければコレですもんね。 日本での暮らしのありがたみを痛感しますが、それでも将来は我が国でもこんなことが起こりうるんでしょうか?」

日本でも銃乱射がない訳じゃないんですがね。 佐世保の事件とかありましたし。
こういう事件が起きた時、映画館に入るといつも思うのよね。
たくさんの人が集まった空間で、しかも出入り口が限られてるというこの状況。
「今、銃持った奴がここに入ってきたらアウトだな。」 と、いちいち憂いてもしょうがないんだけど。
「灼熱の魂」、「プリズナーズ」などのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の2009年の未公開作を御紹介しましょう。
mpc-hc-2014-09-04-01-48-34-80.jpg 
「静かなる叫び」

実はカナダでは1989年にも悲惨な銃乱射事件が起きている。
モントリオール理工科大学で、14人もの女子学生が死亡した銃乱射事件である。
全編モノクロで描かれる77分の本作は、この実際に起きた惨劇を基にした衝撃作で、カナダのアカデミー賞である「ジニー賞」で作品賞ほか9部門を受賞している。

モントリオール理工科大学に通う女子学生ヴァレリーとその友人である男子学生のジャン=フランソワは、その日もいつも通りの日常を送っていた。
ところが大学構内にライフルを持った一人の学生が現れ、女子学生を標的にして次々と発砲する。
突然の地獄絵図と化した大学。 14人もの女子学生が殺害され、犯人は自殺。
パニックになりながらも救助活動を行ったジャン=フランソワや、奇跡的にも生き延びたヴァレリーらを、心に残された深い傷が苦しめる・・・・
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まだドゥニ・ヴィルヌーヴがメジャーじゃなかった頃の映画とはいえ、未公開というのが不思議だね。
ジニー賞受賞したって箔がつかんのだろうか。
それはともかく、銃撃のシーンの怖さ・・・。
犯人の男の目つきや、淡々とライフルを撃ちまくっていく姿もしかり、教室に入って男子だけを退室させて女子を残すシーン、リアルタイムで事件を知らない学生がいる場所に犯人がフラリと入ってくるシーンなど、怖いシーンの波状攻撃。
フェミニストに凄まじい憎悪を抱いてる犯人の詳しい背景がハッキリしないという点は、実際の事件でもそうなので推測に頼った説明はしていないね。
一説にはゴリゴリの反フェミニストだった父親に虐待されながら、女性憎しの教育をされた影響と言われてるんだけれども、余計な説明は足さないのが正解。 これだけで十分怖い。
生存者のトラウマのドラマがやや薄いけれども、そこはこっちのインスピレーションに委ねられる。
「女性」・・・、それだけの理由。 それで殺される。 女性じゃないから生かされる。 何というこの理不尽。
突然の非日常に襲われた経験は想像以上に人間の心をも殺してしまうのよなあ・・・。

それじゃあ一曲おかけしましょう。
フォスター・ザ・ピープルで「パンプト・アップ・キックス」。

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

どんどん参りましょう。
お次の方は、和歌山県の主婦の方からいただきました。
ラジオネーム「ダンナ帰ってきたらシバいたる」さんです。
・・・えっ? なんかあったの? まあいいか。

「昔のドッキリ番組は一般人の方にも仕掛けてましたが、最近は芸能人をダマす内容の方が圧倒的に多いですよね。 やっぱり人権問題とかあったり、トラブルも多いからなんでしょうか。 『元祖どっきりカメラ』を大笑いしながら観てた頃が懐かしいです。」

今じゃ考えられないことやってましたもんね、あの番組は。
池に落とすんですよ、一般の人を。 いやあ、アッシだったらキレるなぁ。
まあ多分、ヤラセと言うか、仕込みの役者も混じってたかもしれませんけどね。
一般人よりは芸能人の方がリアクションが面白いのは確かだし、万が一訴訟でも起こされたらかなわんからね。
それにしても最近のドッキリは、やたらに手が込んでるよね。・・・と言えばこの映画。
cover27.jpg 
「スケア・キャンペーン」

人気テレビ番組「スケア・キャンペーン」。 一般の人をターゲットにして、ニセの心霊現象などで恐がらせて、その様子を映した隠しカメラの映像を楽しむドッキリ番組である。
しかし最近では動画サイトを見れば、テレビ番組よりも遥かに面白い過激な映像も多く、番組の人気も下降気味。
そこで監督はさらに手の込んだ大掛かりなドッキリを仕掛けることに。
廃墟の病院でいざ本番スタート。
何も知らない一般人の男が一人現れる。
どことなく様子がおかしいと思いきや、実はその男は病的な殺人鬼であり、一人また一人とスタッフたちが惨殺されていく中、仕掛け人の女性キャストのエマは必死に逃げるのだが・・・・

7957-2.jpg
実は殺人鬼のオッサンが、ドッキリをかけられたきっかけで"覚醒"して暴走し始める。
これはえらいこっちゃ、シャレにならんぞという地獄絵図へと発展・・・と思いきや、これまた話が二転三転。
主人公はもちろん、これを観る観客にとっても「ドッキリ」になっている趣向。
ドッキリの逆ドッキリときて、クライマックスはそれまでのものを全部ぶっ壊してしまう救い難さ。
う~ん、これはね。 なかなか面白いと言いたいところなんだけど、途中からおもいっきりネタバレしちゃってんのよね。
あの女の子がタブレットでメールしてるシーンだけど。 わざと、あんなシーン入れたんかね?

ここで懐かしい曲かけちゃおうかね。
スージー・クアトロで「恋はドッキリ」。

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

最後のお便りです。
ラジオネーム「シン・モスラ」さん。
福井県の自営業の方です。

「いつも聴かせていただいております。 先日、友人のホームパーティーに呼ばれてまいりました。 てっきり全員顔見知りが集まると思っていたら、知らない人も混じっておりました。 招待主しか付き合いのない友人だそうで、他の招待客は誰もその人を知りません。 まあ招待する側が誰を呼ぼうと自由ですが、これは少々気まずい思いをしました。 どう思われます? 私の方がもっとオープンになった方がいいのでしょうか。」

ホームパーティーなんか呼ばれたこともないけれど、よく聞く話だね。
アッシは会社の同僚の結婚式の際に、その同僚の学生時代の友人とトイレで鉢合わせして「ああ、どうも・・・」みたいな感じになったけど。
その時はお嫁さんの話でその場がうまくいったけど、ホームパーティーではなぁ。
まあ気まずい思いは相手も同じだけれど、同じ場所に呼ばれてる以上は共通の話題はあると思うけど。 なかなか難しいよね。
それにしても招待客の誰も知らん友人を呼ぶかね?
それにはちょっと用心した方がいいよというのがこの映画だ。

the-invitation.jpg 
「インビテーション」

かつて夫婦だったウィルとイーデンは、ある事故が原因で2年前に別れているのだが、ウィルは未だに心の傷から立ち直れていない。
そんなウィルの元にイーデンからパーティーへの招待状が届く。
ウィルは気が進まないながらも新しい恋人のキーラと共にパーティーに出席する。
出迎えたイーデンにもデヴィッドという新しいパートナーがいるのだが、イーデンは2年前とは見違えるほど陽気なのがウィルには釈然としない。
気心の知れた仲間たちが続々と集まるが、中にはイーデンとデヴィッドしか知らない2人の男女も混じっていて、奇妙な違和感がある。
やけにハイテンションなイーデンと友人たちとの会話が妙に上滑りし、どこかぎこちない。
執拗に玄関を内から施錠しようとするデヴィッド。 あと一人だけ遅れている友人もなぜかなかなか来ない。
デヴィッドが急に宗教の勧誘ビデオの様なモノを見せて熱く語り出し、変な空気になったりする。
やがて、このパーティーは何かがおかしいと感じるウィルさえも予想だにしなかった異様な展開を迎えることに・・・・

cover12.jpg
元夫婦が別れる原因になったある事故とはなんなのかということと、元夫は立ち直ってないのに、元嫁は立ち直ったどころかやけに陽気なのはなぜか。
冒頭で、ウィルがパーティーに車で向かう途中、誤って一匹のコヨーテをはねてしまうんだけど、瀕死のコヨーテを楽にしてやろうとトドメを刺すシーンがちょっとした伏線になってるのよね。
もはや生きる力もない地獄に留まるよりは、せめてすぐにでも死を選んだ方が天国ではないかという、苦しみからの解放・・・・・
まったく展開が読めない先に、そういうことかと震撼するオチが待っております。
余計なお世話ですなあ、という話。
これはなかなか巧い映画ですね。

では最後にこの曲を聴きながらお別れしましょう。
クルーウェラで「パーティー・モンスター」。
See You Again~

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

「PART2」に続く・・・


「賢人のお言葉」
 
「人生には予期せぬ落とし穴がついて回る。」
 土光敏夫
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