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他にもこれ観ました  ~1月編(上)
2017年01月19日

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「14の夜」

盗んだバイクで走りだすのが「15の夜」ならば、さて14歳は・・・・
80年代の小さな町を舞台に描く、平凡な中学生のひと夏の「"性春"ドラマ」。
「百円の恋」で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した足立紳の監督デビュー作。
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1987年。 とある田舎町。
ジャッキー・チェンが大好きな中学生の大山タカシは、柔道部の仲間であるミツル、サトシ、竹内らとツルみながら町に一軒だけあるレンタルビデオ屋によく入り浸っている。
色気づきだきしてアソコがパッツンパッツンになってても、18禁の暖簾などくぐれないので、「O嬢の物語」を借りるぐらいが関の山。
タカシは教師をクビになった父親のだらしなさにイラつき、何かとからんでくるヤンキーたちもうっとおしく、悶々とした日々に嫌気がさしていた。
誰が言い出したのか、レンタルビデオ屋にAV女優の「よくしまる今日子」がサイン会にやってくるという噂が流れる。
サインだけでなく、オッパイも揉ませてくれるという夢のようなイベントがこの田舎町に訪れるのだ。
ヘタレの4人組はサイン会が行わる日の夜にチャリンコで待ち合わせして、レンタルビデオ屋を目指すのだが・・・・
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思っていたよりコメディ色は薄く、「百円の恋」の語り口のトーンに近い、ホロ苦な「夏休みの思い出物語」です。
今の時代は18禁なんて名目だけで、あちこちに性的発散の媒体はウヨウヨありますが、80年代の時代は「エロ」など果てしなく遠い存在でした。
レンタルビデオ屋はあっても、一般コーナーにある「エマニエル夫人」を18歳のフリして借りる根性さえなかなか出ません。
せいぜい「週刊プレイボーイ」や「平凡パンチ」、「GORO」などの雑誌で我慢し、夜中になればエロ本の自動販売機にダッシュして「オレンジ通信」を買ってあたふたと家に戻り、それをオカズにしてホニャララと。
あの頃の中坊・高坊は24時間ムラムラしてるのが普通でしたもんなあ・・・。 何の話でしたっけ? ああそうそう、映画でしたね。

とにかくそんな時代背景で、レンタルビデオ屋にやってくるAV女優さんのサイン会に行くことに血道を上げる4人組のひとりである主人公タカシが自身の殻を破る物語です。
教師をクビになって、息子が隠しているエロビデオをこっそり観ている情けない父親に彼は無性に腹が立つ。
だけどサイン会を目指す冒険の中で、情けないのは父親だけではなく、口先番長の竹内とか、暴走族には頭の上がらないイジメっ子ヤンキーたちとか、色んな奴のくだらない一面を見たり、ちょっとした秘密を抱えたミツルや、隣家のエロいネエさんからの「やれよ!揉めよ!オラ来いよ!」とか、一晩で体験するアレコレがこんなに多過ぎたら、そりゃタカシ君、いろんなもんが込み上げるわな。
ああ、泣くがええともさ。 今はまだ「O嬢の物語」で我慢しとけ。
        

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「ストーンウォール」

ニューヨークにあるクリストファー・ストリートというのを御存じでしょうか。
ゲイの街です。 LGBT系のお店がワンサとあり、そこらへんを歩いている人はみんな、そういう人たちです。
このクリストファー・ストリートに「ストーンウォール・イン」というバーがありまして、1969年6月28日にこのお店で大きな暴動がありました。

時代が時代ですから、差別がひどかったのなんの。 警察の不当な捜査など日常茶飯事。
週2回はバーに警察が踏み込んで、IDを所持してない者はもちろん、女装してるだけで連行されます。
その日の夜も、いつものように警察がやってきて、おなじみのことが行われていたんですが、なぜかしら周囲がエキサイトし、警官に物を投げつけたりして、それがどんどん大きくなって暴動に。
この騒動がLGBTの意識を変えました。
反乱をきっかけに同性愛者の権利獲得運動が加速して、LGBTの人たちにとって歴史的な出来事となったとのことです。

オバマ大統領が第二回大統領就任演説の中で、「誰でも奇跡を起こすことができる」と一例に挙げた中の一つである「ストーンウォール」。
この歴史を変える一因になった反乱の裏にあるドラマを映画化したのは、なんとハリウッドの破壊王ローランド・エメリッヒ。 まあこの人もゲイですけどね。 どうしてもやりたい映画だったんでしょうね。

映画は、自分がゲイであることがばれて親に勘当された若者ダニーがインディアナから、クリストファー・ストリートにやってきて、ゲイのギャングのレイと出会い、自分の居場所を見出していくフィクションの物語を綴りながら、クライマックスに「ストーンウォールの反乱」を展開していく構成。
しかし、ストーリーはこの反乱を主旨に置いておらず、あくまでもダニーとレイのラブストーリー。
主人公が白人のシスジェンダーであることから、白人が作った歴史のようにすり替えられたとして、LGBTの人たちをはじめ批評家からは大ブーイングの嵐にさらされています。 何が人の気に障るか判らんもんです。
確かに大部分がフィクションで、実在の重要人物がチョロッとしか出てきませんしね。
ストーリーは悪くはないと思いますよ。 確かに既視感はありますが。
        

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「ブラック・ファイル 野心の代償」

仕事に痴情が絡むとロクなことにならないという見本のようなサスペンス。

主人公は弁護士のベン・ケイヒル(ジョシュ・デュアメル)。
奥さんとの間になかなか子供ができずに、関係はクールダウン。
そんな時、ベンは十年振りに元カノのエミリー(マリン・アッカーマン)と再会する。
彼女は現在、巨大製薬会社に勤めており、CEOのデニング(アンソニー・ホプキンス)と愛人関係にある。
デニングは新薬治験結果をねつ造した疑惑があがっているが、メディアから厳しく追及されても決定的な証拠がなく、不正行為が野放しにされてる状況だった。
エミリーはその証拠となるファイルを持っているという。 あの傲慢なジジイには付き合ってられんわいと。
それを受け取ったベンは自然な流れでエミリーとチョメチョメした。
ベンは弁護士事務所の代表エイブラムス(アル・パチーノ)にデニングを告発するように焚きつけて訴訟の準備を始めるのだが・・・。
その頃から怪しい男(イ・ビョンホン)に付きまとわれるベン。
エミリーの部屋を訪問すると、そこにはすでに死体となったエミリーが。
巨悪を追い詰めるつもりが逆に追い詰められていくベン。
はめられた罠の正体に気づいたベンが知る真実とは・・・
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出世欲ギンギンの主人公。 浮気相手は汚職疑惑の企業主の愛人でもある。
訴訟を起こせば勝てそうな情報が手に入るとなれば、そりゃ飛びつくでしょうな。
欲にかられた奴が、金も地位もある奴にケンカを売るとドツボを踏まされるよという話なのですが、しかし本当の黒幕が果たしてそこまでのことをするかね?というのも甚だ疑問。 
イ・ビョンホンの立ち位置もハッキリしませんでしたね。 あの役、必要? エミリーを殺した犯人が早い段階で見当がつかないようにするカモフラージュだけのため? あっ、言っちゃったね。
        

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「NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム」

ひんしゅくを買うようなバカをやってる動画をアップしてイキってる社会のゴミが時々いるけど、この映画も多少それに近いことが繰り広げられるクライム・スリラー。
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内気で臆病な女子高生ヴィー(エマ・ロバーツ)は進学のことで悩みを抱えていた上に、憧れの男子からもふられてしまう。
やけくそになったヴィーは思わず多人数参加型ゲーム【NERVE/ナーヴ】にアクセスして「挑戦者」となる。

【NERVE/ナーヴ】とは挑戦者が様々な要求をクリアすることで賞金がもらえるゲームなのだが、これがなかなかそう簡単ではない。
◇サイトにアクセスした人は「視聴者」か「挑戦者」を選択する。
◇視聴者は視聴料金を支払い、挑戦者は視聴者が出す課題に挑戦もしくは棄権を選択できる。
◇挑戦者は課題に挑戦しているところを自分のスマホで撮影しなければならない。
どんどん挑戦の課題が難しくなり、賞金の額も跳ね上がるが、制限時間内にクリアすれば、指定していた口座に金が振り込まれるのだ。 ただし、「失敗」もしくは「棄権」をすると、これまで積み重ねた賞金が没収されることに。
そして最も多くの視聴者を獲得した2人が決勝に進み、勝てば大金を手にすることができる。

「ダイナーで知らない男性と5秒間キスをしろ」 これが挑戦者ヴィーの記念すべき最初の指令。
迷いに迷ったあげくに、ひとりで読書中の青年とキスをするヴィー。
青年の名はイアン。 彼もまた「挑戦者」だった。
やがて視聴者からの指令はヴィーとイアンにコンビを組ませて挑戦させる形となり、次々とエスカレートしていく課題を2人は二人三脚でクリアしていく。
今まで何事にも臆病だった自分が変わっていくことを実感するヴィーだったが、危険なゲームと称される【NERVE/ナーヴ】の本当のヤバさはこれからだった。
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以前に観た作品で「13の選択」というのがありました。
ケータイに正体不明の人物から電話がかかってきて、13のレベルのゲームをクリアすれば大金を手にすることができると言われた男の物語でした。
あれは、「殺したハエを飲み込め」だの「公園に行って子供を泣かせろ」、「教会に火をつけろ」、「遺体と一緒にカフェでお茶しろ」だのと、エスカレートの度合いがハンパないというか、次は一体何をさせられるのかという得体の知れなさが面白かったんですが・・・・。
この映画は、ちょっと想像してたのとは違いました。
SNS上での悪ふざけ動画を、視聴者数争いのネットゲームという俎上に乗せた話です。
なので、過激さにはまるでほど遠く、話が進むに連れて恋バナや友情物語みたいな展開になりだすと正直興ざめでした。
SNS批判のようなこともうっすらと臭わされてますが、最後はあまりにも予定調和すぎ。
そんなに聞き分けのいい人たちばっかりなら最初っからこんなゲームは人気になってません。
        

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「アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男」

ナチスドイツ親衛隊中佐で、絶滅収容所の移送責任者でもあったアドルフ・アイヒマン。
戦後はアルゼンチンのブエノスアイレスに潜伏していましたが、1960年に拘束されてイスラエルで裁判を受けて絞首刑になっております。
このアイヒマンが逃亡中の時に、「絶対に捕まえてドイツで裁判を受けさせてやるぞ」と並々ならぬ意気込みで アイヒマン捕獲に精力をつぎ込んだ男、フリッツ・バウアー。
西ドイツの検事総長だった彼の知られざる孤独な闘いを描いた実録物の力作です。

ドイツでの裁判は叶わなかったですが、アイヒマンが捕らえられるという結果は周知なので、ストーリーの流れ自体は多少宙ぶらりんな形で終わらせている分、フリッツ・バウアーという人物そのものが徹底して描かれています。

この人はヒトラー政権発足時に一度ゲシュタポに逮捕されていて、ナチスに忠誠を誓う書類にサインさせられて、あげくデンマークに亡命していた苦い過去があります。
そんな訳でナチスへの恨みつらみは相当でして、ドイツに帰国して検事長になってからはナチスの残党狩りに執念を燃やします。
とにかくクセの強い人でキャラとしては実に面白みの多い人です。

■ヘビースモーカー・・・・締め切った車の中でも吸うので車内には小型扇風機のような換気扇が設置されています。
■意外におしゃれ・・・・雑誌に載っていたモノトーン・デザインの靴下の広告をしげしげと見つめていたかと思うと、いつの間にやらちゃっかり購入。
■フットワークが軽い・・・・イスラエルに2回もスッ飛んで行く。 他国の情報機関に情報を流すのはもちろん大罪。
■男もいけるクチ。奥さんとは別居中。 ■チャイコフスキーの「悲槍」が好き。
 
検察庁にもナチスの残党が潜んでいて、いろんな妨害が入り、相棒の若手検事も罠にはめられてしまいます。
それでも折れることなく執念を燃やすバウアーの鬼気がリアルに伝わります。
「アイヒマンを逃したら、私にはなんの力も残らん。」
「ブリッジ・オブ・スパイ」で東ドイツの司法長官を演じていたブルクハルト・クラウスナーが見事な好演。
        

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「ネオン・デーモン」

「ドライヴ」、「オンリー・ゴッド」などの鬼才ニコラス・ウィンディング・レフン監督の最新作。
モデル業界を舞台にした残酷物語的スリラーでありまして、カンヌ国際映画祭でプレミア上映され賛否真っ二つに分かれた問題作です。
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モデルを目指してジョージア州の田舎からロサンゼルスに来たばかりの16歳のジェシー(エル・ファニング)。
右も左も分からない、全然自信なさげな彼女なんですが・・・・
事務所の面接一発OK! 社長から「君、絶対成功するよ」のお墨付き。
気難しいことで有名なカメラマンでさえも、ガン見したまましばらく固まる。
上から目線なデザイナーも「ガラスの海の中のダイヤだ」と絶賛。
一体何があったん!?
そりゃ、エル・ファニングは可愛いけど、ちょっと人より肌が白いだけですやん。 というツッコミはとりあえずは置いといて。

ライバルたちの羨望をよそに、あれよあれよという間に売れっ子街道まっしぐらのジェシー。
最初は控えめだった彼女も売れるに従い、どっぷり業界にハマっていき、野心を露わにしていく一方で、ライバルのモデルたちの底しれぬ敵意が牙をむこうとしていた。
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賛否両論というのもうなづける、クセの強さ。
モデル業界のドロドロした裏の顔のような話を、ダラダラとしたテンポで描いているのですが、エッジの利いた映像表現などを入れてあるのも誤魔化しのようにしか見えません。
きれいなネーチャンがたくさん出てくるのはこちらも歓迎なんですが、話は本当に退屈。
ただし後半の佳境から、思わずのけぞる展開になります。
ヒロイン、殺されちゃいますからね。
殺した女どもがその死体をですね・・・。 もうエグイことしますからね。
そら腹も壊すやろ。
華やかさと悪趣味のこの落差の面白さも分からんではないですが、ニコレフがこんなチャレンジしなくてもいいだろうに。 いやニコレフだからこそ人を挑発したかったのか。
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