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ヒトラーの忘れもの
2017年01月12日

T0021402p.jpg戦争というのは終わったあとでも様々な傷を残す。
人の心、身体、建物、生活などダメージの形は多様だが、中でも特殊と言える戦争の傷は「地雷」であろう。

「地雷」。 使う方は埋めるだけ。 やられる方は踏むだけ。
シンプルだが怖ろしいことこの上ない兵器だ。
どこに埋められてるか分からない。 踏んだら即あの世行きの恐ろしい『悪魔の兵器』。
これが生鮮食品みたいに、長く置いとくと腐ってしまうのならいいが、残念ながら地雷は埋められた以上は永久不滅に効果が生きたまま。

戦争が終わっても、埋められた地雷は片づけられることなく、いつどこで無関係の誰かが踏むとも知れぬ恐怖と共に残される。
未だに世界の64ヶ国で不発の地雷が埋まったままになっている。
その数・・・約1億1千万個。

1975年以降の地雷による死傷者は100万人を超え、毎月800人が死亡する。 そりゃそうだろう、それだけの数が埋まってれば。
地雷の除去には今でさえ機械を使った方法もあるが、それだけに頼るのも無理があり、なんだかんだで手作業が一番確実とも言われる。
今でも紛争地では新たに地雷が埋められるという現状では、世界中の地雷を取り除くのに千年以上かかるという算出も驚く数字ではない。


無題 第二次世界大戦中、ナチス・ドイツは英米軍の侵攻に備えて、ヨーロッパ大陸の大西洋側、スカンジナビア半島のノルウェー沿岸と、デンマークから南下してオランダ、ベルギー、フランスの西岸全域の海岸戦に「大西洋の壁(Atlantic Wall)」という防御線を築いた。

総延長約2600kmという長大な防御線にナチスは多くのトーチカや砲台、地雷原を築いたのだが、この「壁」の400kmを占めるデンマークの西岸には実に200万個以上もの地雷が埋められたという。

1945年にドイツが降伏。
デンマークには海岸に埋められたままの地雷を除去せねばならない大仕事が残ってしまった。
イギリスはデンマーク政府に対し、「そんな仕事、捕虜のドイツ兵にやらせなよ」と提案。
デンマークにすれば「それイイね」である。
別にこっちがムリして危険なお片付けなどしなくったって、埋められた地雷は埋めた奴に責任もって処理させればいいじゃないかと。

デンマークに駐屯していたドイツ兵は20万人。
終戦後19万人がドイツに送られたが、1万人は様々な名目で残されて、約2600名のドイツ兵が地雷の除去を強制されたのだという。

これは本来なら、ジュネーブ条約の4項のうちの一つ『俘虜の待遇に関する条約』の立派な違反なのだが、デンマークの場合はドイツの「保護国」であって交戦はしていないので条約適用外だったのだ。
強制労働に駆り出された、そのほとんどは『国民突撃隊』と呼ばれる市民兵で、大多数が15歳から18歳までの少年だった。 もちろん、彼らは地雷に関する知識に乏しく何の訓練も受けていない者が多い。
強制労働は1945年の5月から10月の5ヶ月にわたり、半数が死亡、または重傷を負ったという。


デンマーク人にさえもあまり知られていない、この歴史上の残酷な真実を題材にしたデンマーク映画「ヒトラーの忘れもの」。
祖国に帰るために、危険な任務に挑む11人のドイツ人少年兵と、彼らを監督するデンマーク人軍曹の、憎しみを越えた絆の物語である。

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第二次世界大戦が終わり、デンマークに駐屯していたドイツ兵たちが引き揚げていく行列を見届けるデンマーク軍のカール・ラスムスン軍曹(ローラン・モラ)。
デンマークの国を無茶苦茶にした憎きドイツ兵たちへの罵声が止まらない。
「さっさと歩け! ここは俺の国だぞ! とっとと消え失せろ!」

ドイツ兵の中にデンマークの国旗を持って帰ろうとしている者を発見したカールは一気に逆上する。
「何のつもりだ! うちの国旗をおまえみたいなもんが触るな!」
ドイツ兵の顔面をしこたま殴って国旗を奪うカール
それにしても、よほどの恨みがあると見える。

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一方では工兵部隊を仕切るエベ・イェンセン大尉(ミゲル・ボー・フルスゴー)が、集められたドイツ人少年兵たちに地雷の除去についてのレクチャーをする。
「おまえたちに戦争の後始末をしてもらうぞ。」

十数名の少年たちの中で地雷を触ったことがあるかと問うと手を挙げたのは3人ほど。
だからといって大尉にとっては一応聞いてみただけに過ぎない。 彼にとっての“心の準備”のためだ。

砂浜で模擬訓練したのち、一人ずつトーチカに入って、本物の地雷の解体をする実習に入る。
スプリングでねじ込まれている信管を抜き取り、雷管を外せば行程完了である。
もちろん慎重にやらねばならないが、時間の速さも要求される。
いざ本番になった時には、埋められた地雷の数を考えると悠長にやってられないからだ。
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どうしても速さに個人差があり、恐怖のあまり手が震えるなど、慎重になり過ぎてなかなか捗らない者もいる。
外で他の少年たちと待っている大尉は、しびれを切らして様子を見に行く。
「辞めるか?」と聞くと少年は「やります。」と言う。
外に出た大尉「耳を塞いどいた方がいいな。」とつぶやいた。

だが、その少年はなんとか作業を終えて戻ってきた。
しかし、その次の順番が回ってきた別の少年は自信満々の表情でトーチカに入っていったにもかかわらず、ものの数秒後に・・・・・・
大尉は「やれやれ」という顔をして、吹き飛んでしまった若い命のことなど気にも留めない。

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地雷除去作業の監督担当をしているカールの管轄場所である海岸に、イェンスン大尉のもとで形だけの訓練を終えた11人の少年たちが送られてきた。

カールの担当している一帯の海岸には、4万5千個もの地雷が埋まっている。
それを3ヶ月ですべて取り除く。
一人につき1時間で6個の地雷を処理せねばならない。

一列に整列させた少年たちに名前を名乗らせながら、カールは容赦なく感情をぶつける。
「こんな所に送られ来て不満か!? 文句があるのか!?」
「ありません!軍曹殿!」
「おまえらの国がした仕打ちを忘れるな! 責任を持って地雷を全部除去しろ!」
「はい!軍曹殿!」
「謝罪なんかいらん!言われたことだけやれ! このドイツ人どもが!」
「はい!軍曹殿!」
「目を見て話せ!」 「はい!軍曹殿!」

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砂浜に一列に這いつくばりながら、斜めの角度に鉄芯を砂地に刺し込んで地雷を探し当てる作業。
1ヶ所につき、わずかに位置をずらしながら計4回鉄芯を刺し込んで、金属の感触がなければまた少しづつ前進する。
カツンと当たれば地雷発見。

慎重に土を払い除け、地雷の天面をむき出しにした状態で中心部分から信管を外す。
数回ひねって真上に持ち上げて取り出した信管の下部から雷管を抜き取ればOKだ。

雨の日も風の日も、死と隣り合わせの緊張感の中で黙々と作業を続ける少年たち。
寝泊まりする場所は、近くに住んでいる地元の主婦と幼い娘が暮らす家に隣接した納屋である。
簡易の木製のベッドがあるだけまだマシと言えるが、毎日の食事は保証されていない。
軍からの配給次第だが、少年兵たちに回す分などカールにとっては正直どうでもいいことで、食料の調達を訴えられても冷たく突き放す。
「それがどうした? 俺が同情するとでも思うか? 勝手に飢え死にしろ。」

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少年兵たちの体調はどんどん悪化していく。 そんな中。
ある日、ヴィルヘルムという少年は作業中、地雷を見つけた瞬間に激しく嘔吐した。 地雷の上に。
あっという間の爆発でヴィルヘルムの両腕は無残にちぎれていた。
「痛い痛い。」と泣き叫ぶ。
「ママー、ママー! 家に帰りたい! もう嫌だ、ママー!」
ヴィルへルムは駐屯所へと向かう車に乗せられていった。

後日、あまりの空腹に耐えかねて家畜の餌を口にしてしまった何人かの少年たちが食中毒にかかってしまいダウンする。
やむなくカールは駐屯所へ出向き、わずかな食料を調達する。
その際、先日ここに運ばれてきたはずの少年兵の様子を聴くと、もうすでに死んだと聞かされる。
食料を携えて戻ったカールはみんなに「ヴィルヘルムは回復している。故郷に帰すことにした。」と嘘をつく。

だが、ピュアな心を持ち、強い意志の炎を瞳に宿らせている少年セバスチャンカールの“気遣い”を見抜いていた。
みんなの士気が下がれば、それだけ作業も遅れて故郷に帰れる日が遅れることになるからだ。

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カールの心は揺らぎ始めていた。
母親を呼び続けながら苦しんでいたヴィルヘルムの顔と泣き声が脳裏から離れない。
そもそも・・・この海岸に地雷除去作業をしに来るのが子供だとは聞いていなかったのだ。
動揺を押し隠したまま、それでもカールはドイツという国への憎悪をぶちまけることで、そこにいるのが子供だということを忘れようと務めたが・・・。

これは一体なんなのか。
もう戦争は終わったのではないのか。
毎日誰かが傷ついて悲鳴を上げ、老いも若きもバタバタと死んでいく、そんな悲劇はもう終わったはずなのに。
青い空と青い海が広がる、美しいビーチでまだそんな地獄が繰り返されている。
確かに、愛する祖国からたくさんのものを奪っていったドイツへの憎しみは和らぐことはない。
だが、異国に置き去りにされた年端もいかない少年兵に、ナチスの鬼畜が垂れ流した汚物を頭からぶっかけるようなことをして一体何になる?
ドイツ人だから何をしてもいいのか。 相手が子供であろうと、命をかけた償いをさせるのか?
そんなことで満足できるのか?
それでは、ユダヤ人だからという理由だけで、600万人もの老若男女を殺したナチスの蛮行と同じではないか。

終戦以来ぶつけようがない怒りの深さをこの少年たちにも分かってほしいという、ずるい気持ちもある。
だから任務は任務として、彼らの祖国がやった罪を知ってほしいという思いで、この海岸の地雷を取り除いてほしいのだ。
地雷が全て無くなった時に自分の憎しみも消えて楽になれそうな気がする。
そして何もかも終わったら、彼らを国に帰してやるのだ。

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少年兵たちも辛い日々の中で、「これが終わったら」という希望を胸に自らの心を慰める。
左官になってドイツの街を復興させたいという者。
美味しいビールを飲んで、きれいな女を抱くんだという者。
兄弟で一緒に会社を興したいという者。
しかし、こんな所は早いとこ脱走しようという者もいる。
こんな所で死ぬよりは、一か八かで脱走して撃ち殺される方がまだマシだと反発するが、多くの者は当初の気持ちよりは前向きに運命と向き合っていた。

彼らの中にも、自分の祖国が置いていった、この忌まわしい死の兵器を片っぱしから片付けてこそ、自分の中で踏ん切りがつくのではないかという想いも芽生えていたのであろう。
正直、理不尽な気持ちはあって当たり前。
だが前を向く選択肢しかないのも事実だった。
セバスチャンは効率的に地雷探しができるための道具を自前で作ったりしながら、一日も早い帰国を目指す決意を新たにする。

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次第に少年兵たちとカールはお互いの気持ちに歩み寄り、一体感が芽生えていく。
任務の合間の休日には浜辺で一緒にサッカーをしたりするなど、当初の頃のような、少年兵を何かと罵倒するカールの姿はもうなかった。
みんなで励まし合いながら作業をこなす日々。
それでも一瞬の油断が命取りになる極限状況が変わる訳ではなく、悲惨な出来事が絶えることはない。


帰ったら兄弟で一緒に会社を始めたいと言っていた双子のレスナー兄弟の兄ヴェルナーは、弟エルンストの見てる前で爆死してしまう。
人の形さえ残らないほどに砕け散ってしまった兄を、それでもエルンストは錯乱しながら探し続ける・・・。
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ある時には、サッカーを楽しんで引き揚げる時、安全地帯になっていたはずのエリアに走っていったカールの愛犬が爆死してしまう。
この時ばかりはさすがにカールも現実に引き戻され、感情を露わにして少年たちに怒りをぶつける。
束の間、気を許した自分を責めるカールは、本当にもう地雷が残っていないか確かめるために、少年たちを横一列に腕を組ませて砂浜を歩くことを命じた。

理不尽な怒りを彼らにぶつけまいと決めたはずが、どうしても耐えられなかった。
たくさんのものを失ったはずの自分からまだこれ以上奪うとは、つくづく戦争というものは残酷にできている。
自分は何かに試されているのだろうか。
果たして寛容は憎しみを越えるのか。


そんなある日、主婦の娘イリザベトが何も知らずに地雷原に入ってしまう出来事が起きる。
うろたえる母親が助けを訴えて、みんなが駆けつける。
そこから一歩も動いてはいけないとイリザベトを諭し、彼女を救い出すためにさて誰がこの地雷原へと進んでいくかという時、フラリと姿を現したのは兄を亡くして以来抜け殻のようになっていたエルンストだった。
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エルンストはためらいなく地雷原を歩き、イリザベトを抱き上げて安全な所まで運ぶのだが・・・、そのあと再び背を向けて一人歩き出した彼は兄のあとを追う。


少年たちに食料を持って帰った軍曹の行為を訝しんで偵察に来たイェンスン大尉は、カールにプレッシャーをかける。
「何をしているのか分かってるのか? あんたらしくもないな。 情でも移ったか?」
「子供とは聞いていないぞ。 こんなことは間違いだ、 私は絶対彼らを死なせはせん。」

一刻も早く、こんな地獄は幕を引かねばならないとカールは腹をくくった。
子供たちを国に帰すためには、今やらねばならないことからは逃げれない。
悲しみに暮れて心折れてはいけない。
強い意志こそが残された武器だった。
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「セバスチャン、言うんだ。 『もうすぐ終わる』と。 口に出して言うんだ。」
「もうすぐ終わる。」
「そうだ! 『家に帰る』。 『家に帰る』だ、セバスチャン!」

「家に帰る!」

そうだ。 終わりにしよう。
そして帰ろう。 平和だったあの日に。

決意をひとつにするカールと少年たちだが、まだその先には思いがけない苦難が待ち受けていた。
カールにとって重大な決断を下す時が迫っていた・・・・・

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ふと思ったが、地雷はそもそも埋めた国が責任を持って除去するのは当然だろうと思うが、実はどうも「対人地雷全面禁止条約」に加盟していない国にはそんな義務はないらしい。
「地雷埋めましたけど何か? え?片付けろ? やなこったね。」
殺人兵器をばらまいておいて、あとのことは知らんという態度ができる。 それこそが、地雷が「非人道的兵器」と呼ばれるゆえんとも言えるのではないか。

もちろん我が国は条約に加盟しているが、アメリカ、ロシア、中国の大国をはじめ40ヶ国がサインを拒否している。
何がイヤなん? こんな便利な兵器はないから? 作って売ったら、高く買ってくれる国があるから? 除去責任を負わされたらめんどくさいから?
そうか。勝手にしろ。


この物語のように、デンマークがドイツに地雷の除去を押し付けるのは、ジュネーブ条約云々を抜きにして、感情的には理解はできる。
埋めた国に片付けさせる。 それがスジだ。
しかし、ろくに経験もない少年たちを地雷原に引っ張り出し、食事もまともに与えない劣悪な条件のもとで、危険極まりない強制労働を強いたという史実は、これもまた非人道的で、極めて遺憾でならない。
つまりは単なる意趣返しなのだ。
地雷の除去の意味などどうでもよくて、戦争に負けたナチスに対してここぞとばかりの鬱憤晴らしを子供に向けただけなのだ。

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地雷除去作業のシーンは、とにかくヒヤヒヤさせられる。
目隠ししながら包丁持ってキャベツの千切りに挑戦したら、こんな気分だろうか。
下っ腹が涼しく感じるほど、地雷のハラハラのシーンはなかなかのリアルさでけっこう怖い。

真上から信管を押さない限りは大丈夫だろうが、斜めから鉄芯を刺し込んでいる、その角度がまかり間違って信管をトンと叩けばアウトである。
地雷を見つけても信管の分解をしなければいけないので、その危なっかしさは観ていて心臓に悪い。
また、時には地雷の下にもう1個、銅線で繋がった地雷が仕掛けられていて、持ち上げると爆発するブービートラップがある。
レスナー兄弟の双子の兄がこれで爆死してしまう。

カールの愛犬が、除去し切れていなかった地雷の犠牲になってしまうシーンがある。
犬の体重で爆発するだろうか?と、ふと思ったが、“その時”は爆発音だけの演出なので、はしゃいで飛び跳ねでもした高さから着地した荷重ならそういうことも有り得るかも。

信管を外しても起爆薬が本体に残っていて、扱いに慎重さを欠くと爆発するのだから、爆発物というのは侮れない。
なんにしても、この映画では地雷の恐ろしさがこれでもかとばかりに描かれている。

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前半はドイツという国に憎悪を剥き出しにし、やがて人間性を取り戻していくカール・ラスムスン軍曹個人の来歴はほとんど語られない。
占領下とはいえ、戦闘状態でなかった保護国のデンマークでもナチスへの反感は相当高かったという。

カールの家族は一切登場しないし、どこで何をしているのかも語られない。
冒頭でデンマークから引き揚げていくドイツ兵を異常なほどのテンションで罵倒するカールの姿は、どうみても『かたき』相手の物言いである。
地雷除去現場にやってきたのが子供だと知って少なからず戸惑っても、それでも彼は遠慮することなく子供相手に罵声を叩きつけるのだ。
やはり、相当な恨みがあるのは間違いない。

おそらくは大方が想像する通りに、家族をナチスに殺されたのだろうという見立てが正解だろう。
少年兵たちと同じぐらいの年の子がいたのかもしれない。
そんな彼が少年たちの心に寄り添い、憎悪から解放されていくくだりには、人は変われるのだというメッセージがある。
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多くの人間がいる世界で、主義主張も違って当たり前なのに、それも当然のごとく戦争が始まる。
そして戦争は憎悪しか残らない。 その憎悪がまた戦争を産む。
このスパイラルを断ち切らないと、いずれ必ず人類は自らの手で滅ぶだろう。

だが戦争とて、かかわる一人一人は人間である。
憎しみだけで呼吸できないのが人間だ。
今さらながら平和というものが、どれほど尊いか。
この映画に出てくる空と海のコントラストが映える楽園のような場所で、子供が地雷を持ち運んでいる異様な対比の光景が、平和のありがたみを直に訴えてくる。
理想論かもしれないが、過去や現在の独裁者にも、銃を乱射するテロリストにも、誰の胸にも平和な楽園を夢見る少年の心が残っているはずと信じたいし、世界も人も変われると願わずにはいられない。

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ただ、この「ヒトラーの忘れもの」というタイトルはいかがなものかとも思う。
ひと目で「ナチスもの」の映画と分かるだろうけど、配給会社が「ヒトラー」という、ある種映画的にはブランドと化した名刺に懲りもせずに頼ってるのかという風にも感じてしまうのだがね。

「ヒトラーの忘れもの」の“忘れもの”は、地雷のことを指すと同時に、異国の地に置き去られた少年兵のことも意味しているのだろうと解釈して、このタイトルを褒めてもあげたいのは山々だが、やはり原題の巧さもひけを取らない。

「LAND OF MINE」・・・「地雷の地」という意味だが、「地雷」は正確には「Land Mine」。
そこに「OF」を入れたことで、「地雷の地」と「私の土地」の二重の意味になっている。
まあ、そっくりいただいて横文字タイトルにするのも、それはそれで・・・
邦題を考える人は苦労しますな。


「賢人のお言葉」
 
「憎しみは憎しみによって止まず、愛によって止む。」
 ブッダ
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