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ジャック・リーチャー NEVER GO BACK
2016年11月25日

T0021151p.jpg 先日東京で行われた音楽イベント「クラシック・ロック・アワード」でジミー・ペイジが演奏しなかったことが、えらい騒ぎになってましたね。
元々演奏する予定はなく、プレゼンターとしてステージに上がってジェフ・べックを表彰して「ほなサイナラ」と帰っていったそうで、その間わずか2分。

広告にはあたかもジェフ・べックとセッションするような表現があっただけに、ジミー・ペイジがギターに触ることもなく引っ込んでしまったら、そりゃ客もキレますわな。
ギターもアンプも用意してたけど断られたとか主催者も言ってますけど、演奏が契約になくても「ノリでやってくれるかも?」」って思ってたんかね?

そうだよなあ・・・。 そこなんだよなあ。
契約は契約かもしれんけど、ジミー・ペイジもエンターティナーのはしくれなら、ちょっとぐらいサービスしてくれてもいいんじゃないの?とは思うけどね。
「せっかくステージに上がったんだし、いっちょ盛り上げてやろうか」っていう気ぐらい起きなかったかねえ。
ジェフ・べックもいるんだし、ヤードバーズの「幻の10年」なんかのリフでも弾きだそうもんならお客さん号泣して喜ぶよね。
レッド・ツェッペリンをバリバリ聴いてたアッシにとっても、今回の件のドライなジミー・ペイジは残念ですね。 まあいろいろ事情もあるんだろうけど。

jack rreacher japan
それに引き換え、我らがトム・クルーズであります。
奇しくもほぼ同じタイミングで、先日22回目の来日を果たしたトム。
六本木ヒルズで行われたジャパンプレミアでも、さすがの神対応を見せ、集まったファンを喜ばせてくれました。
日本びいきだから言うわけではないですが、トム・クルーズのファンを大事にする姿勢は素晴しいですね。

ハリウッドスターの中には、映画だけ出てプロモーションには消極的な人もたまにいます。
記者会見の遅刻などハリウッド・スターには珍しくありませんが、トム・クルーズは違います。。
映画の撮影にも記者会見にも遅刻したことなど一切ございません。 まあ、仕事をする大人なら当たり前のことですがね。
来日するたびに長い時間を費やして大勢のファンと接してくれます。
サインや写真撮影は当然、ハグもOKというこのオープンでフレンドリーな人柄が彼の魅力ですね。
わがままなことも言わず、一方で関係者スタッフへの気遣いが細かいというのもすっかり有名。
スターはやっぱりこうでなくてはなりません。

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そんなトムの最新作「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」は2012年公開作のアクション映画「アウトロー」の続編。
リー・チャイルド原作のベストセラーで現在20作刊行されている「ジャック・リーチャー」シリーズの9作目を映画化した「アウトロー」は、退役軍人で流れ者の主人公ジャック・リーチャーが無差別狙撃事件の真相に迫るという内容。
アクションはもちろんのこと、意外に謎解きミステリーの趣きもあった娯楽作でした。

今回の作品は3年前に発表されたシリーズ18作目の「ネバー・ゴー・バック」の映画化。
監督は「ラスト サムライ」でもトムと組んでるエドワード・ズウィック。
 
物語は、陸軍を退任後に、自分の後任になった同寮の女性少佐がスパイ容疑で逮捕され、彼女の無実を晴らすためにジャック・リーチャーが活躍するというもの。
事件の背後に秘められた軍事会社の武器横流しの陰謀に迫りつつ、敵に雇われた殺し屋との対決に挑むジャック・リーチャーのアクションと冴え渡る推理が見ものです。

正直、「なんじゃそれ!」みたいなツッコミどころも多いのですが、ハリウッドのアクション映画は細かく気にせず鑑賞するのがお約束。
そこんとこも含めて、本作の主人公であるジャック・リーチャーという男の魅力を掘り掘りしてみましょう。


【俺がジャック・リーチャーだ】
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元アメリカ海兵隊員の父親とフランス人の母親との間に次男坊としてベルリンで生まれる。
父親は仕事柄、転勤、転勤また転勤。
そのため世界各地を転々とするというワールドワイドなユース時代を過ごしてきた男である。

ちなみに長男は元米軍諜報員で財務省の役人だったが原作の1作目で殺されている。
両親もすでにホトケサマであり、ジャック・リーチャーに身寄りはない。
老後の心配?それは我々がとやかく気に病むことではない。

陸軍士官学校を卒業してから、アメリカ陸軍憲兵隊で犯罪捜査官として13年間お勤め。
立派な功績を残したが突然ケツを割って自ら除隊。
以来、放浪生活を送る天涯孤独のワンダラーである。

最終階級は少佐だが、関係者がつい「少佐」と呼ぶと、いちいち「元少佐だ。」と訂正を促す細かい一面を持っている。


【わてがジャック・リーチャーでおます】
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ジャック・リーチャーたるもの、安住の地にぬくぬくと腰を落ち着ける生き方をしない。
つまりは・・・ 早い話が・・・ 大きい声では言えないが・・・・
ホームレス!!
“住居を持つべからず”がジャック・リーチャーのポリシーなのだ。

移動は基本ヒッチハイクか徒歩。(たまにはバスも)
モーテルからモーテルへと渡り歩いていくのがジャック・リーチャー・ライフ。

ケータイを持たない。
免許証もない。 クレジットカードもない。
要は身分を明かす類いの物は一切持たない、世捨てのスペシャリストといっても過言ではない。


【オッス! おら、ジャック・リーチャー】
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では、何をやって食いつないでいるのか? どんな仕事をしているのか?
ジャック・リーチャーたるもの、目先のゼニカネのために汗水は流さない。
つまりは・・・ 早い話が・・・ 大きい声では言えないが・・・
プータロー!!

アメリカ軍人は確か20年勤めれば年金が貰えるが、「退役」ではなくて20年未満の「除隊」であるジャック・リーチャーは年金が貰えないか、あるいは貰えてもたかが知れてるはずである。(このあたりは少し勉強不足なのでハッキリしないが)
しかし現に年金を定期的に引き落としてるようなので、やはり貰っているのだろう。
それでも贅沢はできない。
だから、彼がヒッチハイクで移動して住むところも持たないし、ケータイも持たないといったミニマルな生き方の事情はつまり・・・ 早い話が・・・ 大きい声では言えないが・・・
金欠だからだ!!


【誰がジャック・リーチャーやねん!】
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見知らぬ土地を転々とすれば、人恋しくなるのが人情というものだが、ジャック・リーチャーは人とつながることを極力避ける。
友だちとかカノジョなどというのは彼にっとって面倒なものでしかないのだ。
「外を出歩く引きこもりっ子」みたいな訳の分からなさもジャック・リーチャーの魅力。

しかし彼とて、いっぱしの男である。 たまにはアチラの方もたまることもある。
そんな時はそれなりのお店で世話になるか、通りすがりのパンピーの女性に声をかけて一夜だけのネンゴロになるのであろう。
彼いわく「一度寝た女の顔は忘れない。」
・・・・・冷静に考えれば、それは何の自慢にもならない。


【その男、ジャック・リーチャーにつき】
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天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。
悪を倒せと俺を呼ぶ。
聞け悪人ども。 俺は正義の戦士、仮面ライダーストロ・・えっ?ちがうの?
● 
人一倍、悪を憎む男、それがジャック・リーチャー
この世にはびこる悪を捨て置けぬ、シンプルかつカッチカチのモラルこそ、彼の最大の存在意義。

悪を成敗するためには手段も選ばず、彼独自の法的倫理のみを基準に行動する。
「ジャック・リーチャー」=「正義」。これが常識。
過剰と言われようが、非倫理的と言われようが、悪人に慈悲の情など酢豚にパイナップルぐらい無用なのだ。


【君の名は。 ジャック・リーチャー】
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デキる男というのは力任せだけが能ではない。
アメリカ陸軍憲兵隊で内務調査をしていたこともあってか、観察眼や推理力の鋭さには定評があるジャック・リーチャー
現場の状況から、そこにいた人物像や、どんな行動を取ったかを頭の中で論理的に構築していくその速さと正確さは前作「アウトロー」でも証明済み。

根っからの策士でもあり、巧妙な罠を張って相手を躍らせるだけ躍らせつつ、一杯喰わせるのもジャック・リーチャーという男の怖ろしいところだ。
本作の冒頭、ダイナーで喧嘩騒ぎを起こして、人身売買に手を染めていた悪徳保安官を引っ張り出してお縄にするシーンはなかなかのカタルシス。
しかし現場に駆けつけてくるのがなぜ御目当ての保安官だと分かっていたのか。 たまたま忙しくて手が離せずに、違う保安官が駆けつけてきたらどうしたのだろう?・・・というツッコミはナシだ。


【シン・ジャック・リーチャー】
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ジャック・リーチャーの戦闘能力はフリーザもビビるぐらいに高い。
あらゆるマーシャルアーツに精通し、ずば抜けた力量で悪党をフルボッコにしていくケンカのプロでもある。

しかも一切手加減知らずで、「殴る・蹴る」は最低でも骨を折ってナンボというのがジャック・リーチャーのやり方。
悪党などむしろ素手で殺す。 その拳の手ごたえにこそ生きがいを感じているのではないか。
ジャック・リーチャーにステゴロを挑む。それは「死」を意味する。

武器を使うのは嫌いなのかというとそうでもなく、そこは臨機応変にドンパチもドンと来い。
なんせ陸軍時代に射撃大会で優勝した経験があり、インストラクターもしていたほどなのだから、ジャック・リーチャーにハジキを持たせるのは、メッシにフリーでボールを持たせるぐらいヤバいことなのだ。


【ジャック・リーチャーの厳しい目線で精査します】
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ジャック・リーチャーは生来のイラチである。
自分でも認めてるように、「結論を急ぎ過ぎる」というのが彼の悪い癖だ。
彼が以前使っていたオフィスの机には妙な凹みがある。
おそらく彼が尋問していた容疑者の悪党があまりに知らぬ存ぜぬを繰り返すのでブチ切れたのだろう。
容疑者の頭をつかんで机に叩きつけるという紳士的振る舞いの痕跡が今も机に残っているのだ。

自分の周りに悪党がちらついていたら、ほっといて様子を伺うことなどしない。
自分から近づいていって、御挨拶もそこそこに悪党にお礼参りする。
怪しい奴や隠し事をしてる奴など、敵対者の行動や目的などはその時その場でハッキリつかみに行く。
ジャック・リーチャーにとってはスローライフなどクソくらえなのだ。

ジャック・リーチャーの最も嫌がることは「尾行されること」。
「俺を尾行するな。」というセリフが劇中3回ほどあったと記憶している。
尾行されるのは誰でも嫌だが、ジャック・リーチャーはいっぺんに機嫌が悪くなる。 人を尾行するのはためらわないようだが。


【バイトするなら、ジャック・リーチャー】
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今回ジャック・リーチャーが関わる事件は、彼の後任者であるスーザン・ターナー少佐(コビー・スマルダーズ)が突然国家反逆罪で逮捕されるところから始まる。 ついでにジャック・リーチャーも彼女の弁護士を殺害したという無実の罪で逮捕されてしまう。
ターナーの無実を晴らそうとジャック・リーチャーはまずは彼女と共に拘置所を脱走。
背後にある陸軍がらみの陰謀を突き止めるために、二人三脚で追手からの逃亡と真実の追跡に挑むことになるのだ。

ジャック・リーチャーターナーの関係は恋愛まで二歩三歩といったところで、お互い想い合いながらもきっちり引いた線を越えない大人の間柄なのだ。
それはジャック・リーチャーの、一つの場所に安住しない放浪者というNEVER GO BACKな生き方をターナーは尊重しているからだ。
一方のジャック・リーチャーも自らの破天荒な生き方で、スーザン・ターナーのキャリアを振り回そうなどとは思っていない。

劇中では意外(?)にもフェミニストな一面を見せるジャック・リーチャーだが、かと思えば本人を前にして、女性の年齢をびっくりしなが聞き返すという、男として絶対にやってはいけないリアクションをしてしまうのだ。
強奪したパトカーで逃走してる時に、聞こえてきた無線から、逃走者の情報としてターナーの年齢が34歳だと告げられ、それを聞いたジャック・リーチャーは・・・。
「34歳?」 「うるさい!」 そりゃ怒られるわな。
もっと若いと思っていたのだろうか。 失礼千万なジャック・リーチャーだ。


【つまづいたって いいじゃないか ジャック・リーチャーだもの】
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今回の物語はジャック・リーチャーの女難といってもいい。
ターナーに加えてもう一人絡むことになる女性がジャック・リーチャー最大の悩みの種だ。

ジャック・リーチャーに隠し子発覚。
その母親という女性から養育費の請求があり、払えなきゃ訴えますよという状況になってることをジャック・リーチャーは軍を通じて知らされる。
確かにこれまで春を売ってらっしゃる何人かのお嬢さん方と寝たことはあるし、そういうことになっててもおかしくないとジャック・リーチャーは理解する。
「俺、ちゃんと気ぃつけてたし!」と反論するでもなく、アッサリと「俺の子か・・・」とほだされるジャック・リーチャー

娘と思われる女性の名はサマンサ(ダニカ・ヤロシュ)。 絵のうまい子なのだ。
アクティブで勝気なところがあって、初対面の最初の言葉は「尾行はやめて。」
おお、俺の子だ!と思っても仕方がないなこりゃ。


【やっちゃえ、ジャック・リーチャー】
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ジャック・リーチャーの前に立ちはだかる敵、ザ・ハンター(パトリック・ヒューシンガー)。
口だけ出す黒幕オヤジはひとまず置いといて、ジャック・リーチャーとダイレクトで激突して血と汗を流し合う殺し屋である。
相手を拷問して口を割らせる手段はシンプルに「殴る」。 

ジャック・リーチャーと非常に似通っている部分が多く、射撃や格闘技のスキル、身体能力はほぼ互角。
なんせ二人揃って数階建てのビルの屋上から落ちても、たいしたケガもしないのだから色んな意味で驚きだ。
口より先に手が出るせっかちさといい、まるでジャック・リーチャーのコピーだ。

ザ・ハンタージャック・リーチャーとの電話でのやり取りで、「震えてるんだろう?」と小バカにすると、「おまえの腕を折り、足を折り、首をへし折ると思うと嬉しくて武者震いしてるのさ。」と返されるのだが、なんと事実そうなってしまうのだから、ジャック・リーチャー恐るべしだ。


【ジャック・リーチャー NEVER GO BACK】
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ジャック・リーチャーは戻ってこない”。
事件が解決して、めでたしめでたしならばジャック・リーチャースーザン・ターナーがくっつけば?と思うのは下世話なこと。
陸軍の建物の前で別れた二人は、お互いこの対面が最後になると分かっている。
もう二度と会うこともないと受け入れた上での、あの別れなのだ。

進むべき道をあけて見送る。 これも愛。
ターナーが陸軍に復帰した時、部下たちが廊下の端に立って彼女のための凱旋の道を作ったように、ターナー自身もジャック・リーチャーの旅を祝福する。


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ちょっとネタバレになってしまうかもしれないが、養育費を請求したあの母親は結局なんだったのか?
彼女の完全な勘違いか? それはあまりに迷惑すぎやしないか?
ジャック・リーチャーが顔を覚えていなかったということは、つまり床を共にしたことなどない。
なのに、なぜジャック・リーチャーという名前を名指ししたのか? 不思議だらけだ。


「賢人のお言葉」
 
「『生きる』とは真剣に放浪し、探し、見つけることにほかならぬ。 社会となれ合いにならぬこと。 これが青春の貴さであろう。 それは決して年齢の問題ではない。 悟りは老人のもので、放浪は青年のものだ。」
 深代惇郎
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