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他にもこれ観ました  ~9月編(下)
2016年10月06日

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「超高速!参勤交代 リターンズ」

享保20年。 磐城の弱小貧乏藩、湯長谷藩が江戸幕府の老中・松平信祝の差し金により、突然4日以内の参勤交代を命じられ、通常8日はかかる道のりを奇想天外な作戦で切り抜けてゆく痛快時代劇「超高速!参勤交代」(14)。
意外や意外な大ヒットを記録して、まさかの続編製作で、湯長谷藩がスクリーンにリターンズ。

そもそも幕府が諸国大名に対して、将軍への忠誠を示させると共に、金を使わせて藩を弱体化させるのを目的とした制度が「参勤交代」。
行きを「参勤」、帰りを「交代」というのですが、前作は「参勤」で終わったので、もちろん続編は「交代」の巻。
しかし、これまた一筋縄ではいかない難題だらけで、またもや湯長谷藩大ピンチ。
「一同、走っづぉーっ!」
故郷の湯長谷で一揆が勃発したらしく、幕府の目付が着くまでに収束させないと藩は取り潰されてしまうので、猶予は2日。
参勤の倍の速さで走らねばならないという、殺生極まりないこの事態を、さてどう切り抜けますやら?

勧善懲悪ストーリーに、チャンバラ活劇、参勤交代を舞台にしたロードムービー的味わいとドタバタの笑いもふんだんに盛り込んで、古き良き時代劇を復活させた前作の面白さがそのまま引き継がれてます。
ぶっちゃけ、やってることは前作と同じなんですがね。
それでもなんかいいなあ。 田舎言葉があふれるコミカル時代劇って。

悪役・松平信祝を演じる陣内孝則の悪そうな顔が一段とパワーアップ。 なんか憑いてんじゃねえかって顔してましたね。
前作よりメイクが濃くなってませんか?
        

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「レッドタートル ある島の物語」

「岸辺のふたり」という短編アニメを御存じでしょうか?
個人的には、これ以上に素晴しい短編アニメにはめぐり会えないのではと思うほどの屈指の名作です。
幼い頃にボートに乗って姿を消した父親を待ち続ける娘の人生を描いた、わずか8分の物語ですが、ラストには熱い涙がほとばしります。
映画館では1度の鑑賞時に2回連続で上映されてましたね。

さて、「岸辺のふたり」を観たスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが、監督のマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットに「長編を撮ってみないか」ともちかけた所からスタートし、8年の歳月を費やして完成させたのが本作。
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嵐の海に放り出された男が、ある無人島に辿り着く。
彼は竹で筏を作って島から脱出しようとするが、一頭の赤いカメの妨害に遭い、筏は壊されてしまう。
筏を作っては壊され、作っては壊され・・・。 男は島での暮らしを余儀なくされるが、そこへ赤い髪の女が現れる。
男は女と島で暮らし始める。
月日は流れ、二人のあいだには男の子が生まれた。
さらに、月日は流れて男の子は立派な青年に成長する。
青年はこの島の向こうにあるであろう、まだ見ぬ文明世界への憧れを持ち始めていた・・・。
ある日、島に巨大な津波が押し寄せて・・・・・
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全編セリフなし。 「Aah!」とか「Ugh!」ぐらい。
海、空、砂浜、竹林、そして人、カメ、カニ、瓶・・・・それぐらいしか出てこないシンプルでソフトなタッチの絵。
どこが見せ場というほどのところもない物語が淡々と進みます。
これは観た人それぞれの感想がありそうですねえ。
観たまんまのファンタジーとしてそのまま受け止めればいいと思いますし、その奥にあるものを無理に読み解く必要もないでしょう。
人間とカメの異類婚姻という奇譚による自然との共生。 そういう話でしょう。 難しく考えない方が楽しめます。
シンプルな映画ですが、じっくりと浸りながら独特のスピリチュアルを味わう一品です。
         

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「シュガー・ブルース 家族で砂糖をやめたわけ」

昔、「砂糖は脳のごはん!」なんて何かの宣伝で言ってませんでしたっけ?
砂糖はね、身体に悪いんですってよ奥様。
チェコの女性ドキュメンタリー映画作家アンドレア・ツルコヴァーは、3人目の子を妊娠した時、妊娠糖尿病と診断されたそうで、それをきっかけに彼女は、砂糖がいかに人体に害悪かを追い続けるドキュメンタリーを作りました。

砂糖消費量は世界的に増加しており、割と少ない日本でも、糖尿病患者の数は60年代から比べると実に50倍に膨れ上がっています。
糖尿病はもちろん、アルツハイマーや統合失調症などの脳疾患、そして心疾患のリスクが高まる砂糖の危険性などを、取材した様々な研究家によるコメントが中心です。
『砂糖を知るための教室』を主宰している精気ムンムンのオバサン、キャシー・ドルジンが目を惹きましたねえ。
それに加えてアンドレアが家族と共に街中で啓発活動もするシーンも挿入されています。

この手の情報は、最近のテレビの健康番組でも何度か採り上げられ、今や砂糖の過剰摂取は百害あって一利なしは常識です。
だもんで、ドキュメンタリーとしては目新しさはないとは言っても、あらためて普段から口にするものについて考えさせられます。
塩分もそうだし、加工食品に当たり前に入っている添加物のあれやこれや、そして砂糖もダメ。
「何を食えっちゅうねん」ってな話になってしまいますが、とにかく自然に近い食品を買い、加工食品を遠ざける意識を持つこと。・・・なんてことを言っても、これもなかなかねえ・・・。
まあ、過ぎたるはなんとやらですよ。
        

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「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」

「チャーリーとチョコレート工場」などで知られるロアルド・ダールの児童文学「オ・ヤサシ巨人BFG」を巨匠スティーヴン・スピルバーグが映画化。
「ブリッジ・オブ・スパイ」でオスカーを獲得したマーク・ライランスがパフォーマンス・キャプチャーで7メートルの巨人を熱演しています。
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ロンドンの児童養護施設で暮らす10歳の少女ソフィーはある晩、街並みでうごめく巨人を発見してしまったことから、巨人に連れ去られてしまう。
だがその巨人BFGは紳士的で、ちょっぴり言葉遣いに誤りが多いけれども、優しい心の持ち主だった。
BFGと仲良くなったソフィーだが、その国には獰猛で人間をくらう悪い巨人たちも住んでいて、匂いを嗅ぎつけてきた彼らから隠れるのに一苦労。
やがてソフィーはBFGが子供たちに夢を吹きこむ仕事をしていることを知る。
"夢の国"で様々な夢を調合して、人間世界の子供たちに幸せな夢を吹きこむ仕事をソフィーも手伝うのだが、悪い巨人から襲われる危険を避けるためにBFGは一旦ソフィーを施設に戻す。
しかし、悪い巨人たちがこれからも子供を食べるかもしれないことを心配するソフィーはBFGを励まして、英国女王の力を借りるためにバッキンガムへと走る。
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う~ん・・・・ なんだろうね・・・
何が足らんのでしょうか?
およそスピルバーグらしからぬ平板さです。
子供向けっていうほど子供向けな感じでもなく、つまらない話ってことはないんですが、なんか入り込めないんですよね。
ひょっとして・・・・・ アッシはオッサンになり過ぎてしまったのか・・・?
汚れなきチャイルドな感覚をどこかに置き去りにしてしまったのだろうか。
多分そうだろう。 こんなホノボノしたお話の世界観さえピンと来なくなってしまって、あとはもうただ老いぼれて屍一直線なのか。
あ~イヤじゃイヤじゃ。
        

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「オーバー・フェンス」

「海炭市叙景」、「そこのみにて光り輝く」に続く、孤高の作家、佐藤泰志の『函館三部作』の最終章。
熊切和嘉、呉美保に続いてメガホンを取るのは山下敦弘。
職業訓練学校に通う孤独な男が、ある一人の女性と出会い、心を交わし、傷つけ合いながらかすかな希望を見出していく物語。
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ある事件をきっかけに、妻子と別れて、勤め先の建築会社も辞めて故郷の函館に帰ってきた白岩義男(オダギリジョー)は、職業訓練学校に通いながら、わずかな手当で気ままに孤独な生活を続けている。
ある日、コンビニの外で、傍らの男に対して、鳥の求愛のポーズで踊る不思議な女(蒼井優)と目があった白岩は、その後学校の同級生の誘いでキャバクラに向かうとまたしてもその女と出くわす。
キャバクラでバイトをしている、その彼女は「田村 聡(さとし)」という男名前を名乗るが、どことなく自分と通じるものがあるのを白岩は感じる。
白岩と聡の距離は、心の不安定な聡のおかげで近づいたり離れたりを繰り返しながら、少しずつ絆を深めていく。
久しぶりに別れた妻と再会し、自分が妻を傷つけていたことに気づいて打ちのめされて涙を流す白岩。
そんな白岩を見つめて、他人と深く交わることのできない聡もまた鬱屈とした人生から脱け出そうともがく。
学校でソフトボール大会が行われたグランドのフェンスの向こうに、白岩が見る希望とは・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
息苦しい閉塞感があった「そこのみにて光り輝く」とはちがい、人物たちの傷はあくまで過去のものであって、まだこれから先のことはいくらでも開けようという状況。
ラストも「そこのみ・・」とは打って変わって爽快な締めくくりとなります。
妻子と別れて、職業訓練学校に通って建築を習い、ソフトボールの練習をして、アパートに帰って缶ビール2本とコンビニ弁当を食って寝る。 その繰り返しの中で、白岩は学校内で様々な境遇の級友と触れ合いながら、聡との気持ちに少しづつ近づいていきます。
死んだような目をした若者や、ヤクザから足を洗った者、「俺が現場出てた頃は」を繰り返す教官、聡とはかつて微妙な関係だった代島(松田翔太)・・・
サブキャラの描写もきっちりしていて、ストーリーにほど良い均衡を作っています。
「そこのみ・・・」が暗い!って感じた方には本作は随分取っつきやすいのではないでしょうか。
        

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「ある天文学者の恋文」

ジュゼッぺ・トルナトーレ監督といえば何といっても「ニュー・シネマ・パラダイス」なわけですが、その後の作品で良かったのは「海の上のピアニスト」ぐらいで、その他は駄作もなければ傑作もないという可もなく不可もなく。
ここらで一発、巨匠の一撃を頂きたいですなと思っておりましたが、その新作「ある天文学者の恋文」を拝見しました。
結論から申しましょう。 これは嫌いです。 アッシにはこれはダメですね。
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天文学者のエド(ジェレミー・アイアンズ)と、その教え子でありながら恋人関係にあるエイミー(オルガ・キュリレンコ)。
周囲には秘密の関係だが、天文学への探求心で結ばれた純粋な愛だった。
ところが突然、エドが死んだことを知りショックを受けるエイミー。
そんな彼女をさらに驚かせるのは、もうこの世にいないはずのエドから届き続ける手紙やメールや贈り物の数々。
まるで彼女の考え方や行動を読んでいるかのように届くメッセージは果たしてエイミーをどこへ導くのか。
命がけのスタントマンの仕事のアルバイトをしている彼女の心の底にある傷を、生前に仕掛けられたエドの言葉が癒していく・・・・・
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なんともミステリアスなラブロマンスで、頭のいい人がやることは一味ちがうもんですなと、一見は「いい話」なんですが、これはIT機器がなければ成立しない作品です。
何が気に入らないかと申しますと、このヒロインのスマホ依存度は異常ですね。
いや、今の御時世はこんなもんでしょうと思われるでしょうが、アッシ自身はスマホををいじる時間は一日の内でも30分程度の男なもんで、この映画でヒロインがスマホをイジイジしてるトータル時間を思わず測りたくなりましたね。
それぐらい、スマホにべったり。
舞台を観劇しに行った劇場でも図書館でもマナーモード(本当は電源OFFじゃ!)にすらせずに着信音を鳴らすという無神経さ。 なんなん?こいつ。
そそくさと退出して廊下に出てスマホにかぶりついてニヤニヤしてるシーンの気持ちの悪いこと・・・。
こういう性格のヒロインなのかと思った途端、いっぺんに興ざめ。
周囲の人も着信音に迷惑そうにしてる描写もあるので、監督さんの意図もよく分かりませんね。
亡き彼との交流に必死になる一途なヒロインを大目に見てやってよとでも? イヤだね。
        

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「高慢と偏見とゾンビ」

その昔、「酒と泪と男と女」があり、「部屋とYシャツと私」があった。
そして今、「高慢と偏見とゾンビ」! なにそれ!

文豪ジェイン・オースティンの恋愛小説の名作「高慢と偏見」にゾンビの要素を混ぜ合わせたマッシュアップ小説「高慢と偏見とゾンビ」。
「リンカーン/秘密の書」や「ダーク・シャドウ」の脚本家でもあるセス・グレアム=スミスが2009年に発表したこの小説は大ベストセラーとなり、ナタリー・ポートマンが映画化権を獲得。 自ら主役のエリザベスを演じるつもりでしたが、なんやかんやございまして製作に専念。
代わってエリザベス役には「シンデレラ」のリリー・ジェームスが扮しております。
監督は「きみがくれた未来」のバー・スティアーズ。

19世紀のロンドンは1世紀以上も人間とゾンビとの戦いが続いているという舞台設定。
父親の財産相続のために婿を探すベネット家の5人姉妹の前に現れる金持ちにぃちゃんと、その親友のツンデレ野郎君。
次女のエリザベスとツンデレ君の恋やいかにという、オリジナル「高慢と偏見」の筋はきっちりと守られています。
しかし、まるで交通安全を促すかのように「ゾンビに気をつけましょう」的風潮が当たり前というシチュですので、随所にゾンビ映画テイストが出てきます。
これはどっち寄りかというと、やっぱりゾンビ映画でしょうね。
クライマックスは完全にバイオハザードっぽく振り切っています。
だけど、そういう企画だと分かっていても、せっかくの名作がなんかもったいないなあと感じますね。
第一、ゾンビになってしまっても、信仰心を持ち、豚の脳を食べてれば落ち着いた状態を保てるという設定は、原作通りに運びたい故のご都合設定のように思えます。
うまくミキシングしてあるとは思いますが、多少食べ合わせの悪さは残りますね。
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