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怒り
2016年10月02日

T0020065p.jpg人を信じる・・・・・
簡単なようで、これがなかなか難しい。

人に信じてもらえる・・・・・
普通のことでも、これほど幸せなことはない。

 ・・
原作・吉田修一&監督・李相日。
映画界を席巻した名作「悪人」(10)のコンビ再び。
八王子で起きた夫婦殺害事件から1年後、千葉、東京、沖縄に現れた謎の3人の男をめぐり、人を信じることの苦悩と尊さを圧倒的な筆致で描き上げた、超ド級のヒューマンドラマ。

原作を読んだ者として触れておきたいのは、この映画が「犯人探し」のミステリーではないこと。
確かに一つの殺人事件があって、3人の怪しい人物が出てきて、「さて誰が?」と思わせる内容であるが、物語の焦点はそこではない。 予告編の作り方ももよろしくない。
そもそも原作にしても、多くの謎を残して読者の感想に丸投げした終わり方だし。

この物語は「信じる」ということをテーマに、猜疑と寛容のあいだで揺れ動く人の心を描かれているものであって、「犯人は誰か?」は二の次。
とにかくこれほどのメンツはなかなか揃わないだろうという超豪華なキャストのアンサンブルも見事な、心震わす人間ドラマの決定版だ。


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ある夏の日。
東京都八王子の住宅街の一軒家で、尾木家の夫妻が何者かに惨殺される事件が起きる。
妻の里佳子は絞殺され、風呂場の浴槽に。 夫の幸則は刺殺され、同じく風呂場の床に倒れていた。
蒸し風呂状態の室内を捜索した警察は、現場のドアに犯人が被害者の血で殴り書きしたと思われる、真っ赤な「」の文字を発見する。

その後の調べで、容疑者が「山神一也」という男と判明。
整形外科医院のあるビルのエレベーターの監視カメラに、山神と思われる人物が映っていたことから、警察は顔を整形して逃亡している山神を全国に指名手配する。
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物語は、千葉(「漁協で働く父とその娘」)・東京(「孤独なゲイの青年」) ・沖縄(「離島に移住してきた女子高生」)の、3つのパートが同時進行する。
この3ヶ所同時に、殺人事件の容疑者・山神かもしれない青年が出現。
3人のうち、もちろん一人が山神なのだが、誰が山神であってもおかしくないミステリアスな状況に包まれてる謎の男が、息苦しい日々を送っていた人たちの前に現れることで、物語は希望と不安をないまぜにしたざわつきを伴って動き出す。

映画は3ヶ所の物語が交互にシャッフルされているが、ここでは一ヶ所ずつ語っていこう。
八王子の事件から一年後・・・・・

【千葉】
勝浦の漁協で働く槙洋平(渡辺謙)は家出した娘の愛子(宮﨑あおい)を探して東京の歌舞伎町に出てきた。
とある風俗店でボロボロにくたびれた愛子を連れ出して、勝浦へ戻る列車に乗り込む。
自分の仕出かしたことなど忘れたかのように無邪気にイヤホンで音楽を聞いてる愛子
「お父ちゃん、ハイこれ、東方神起。」
愛子が差し出したイヤホンをつけた洋平の耳に「Somebody To Love」が流れてくる・・・・。
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妻が亡くなって8年。 男手一つで育ててきた娘だが、少しばかり普通の子とは違っている。
介護の手がいるほどではないが、精神年齢が低く、時として突飛な行動もする、考え足らずな一面が顔を出す。
ぷらっと家を出て東京まで出たら、男に声を掛けられて何も考えずに風俗で働いていたのも、愛子ならさもありなんである。

いわゆる"不憫な子"なのだ。
そんな娘を厳しく叱りつけることなく、それどころか“傷口”にフタをするように現状を受け入れている。
この子は“そういう子”だから、何を言ってもしょうがないし、将来が全く見えないし、洋平愛子のすべてをあきらめている。
親でありながら具体的な何かをしてあげれないことや、この先、この子に幸せな人生など訪れないだろうと、娘を信じてやれない自分自身に怒りを覚える洋平だった。
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2ヶ月前から漁港に働きに来ている田代哲也(松山ケンイチ)は、経歴が不透明なところがあるがマジメによく働く青年だった。
洋平の職場に弁当を届けに来ていた愛子田代と出会い、彼にも弁当を作って持ってきてあげるようになった。
それからほどなくして二人が交際を始めたことに洋平は少なからず動揺する。

二人はうまくいくのだろうか。
娘にまともな男女交際ができるのか。
“あんな子”でも田代は受け入れてくれるのだろうか。
そもそも素性が不明な田代は信じていい男なのか。
愛子を疑い、田代を疑う洋平は、そんな自分をまたしても嫌悪するのだった。
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やがてテレビのニュースで一年前の八王子夫婦殺害事件の容疑者の指名手配写真が公開される。
田代ではないか・・・・?
疑心暗鬼に囚われた洋平は、田代が2ヶ月前に働いていた軽井沢のペンションまで行くが・・・
そのことを愛子に告げると、「なんでお父ちゃんはそんなことをするの。」と泣く。
「田代君から聞いている。」愛子は訴える。
親が作った借金を肩代わりし、ヤクザの取り立てから逃げているのだと。 本当にそうなのか、おまえはだまされてるんだろう、“そういう子”だから、と思いながらも洋平は見守るしかない。

ある雨の日、ずぶ濡れになって家にやってきた愛子は泣いていた。
「警察に通報したの・・・」と泣いている。
あれだけかばっていたのに、たったひとり愛した男なのに、娘は結局信じなかったことが洋平にはそれが大きなショックだった。
この子でも人を疑うのか。 疑わねばならないほどに自分が追い詰めてしまったのか。
田代の指紋が付いた品を警察に渡して、あとは鑑定の結果を待つのみ。
しかし、当の田代は姿をくらましてしまった。 もう彼は帰ってこないのだろうか。
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鑑定の結果が出たことを警察が報告に訪れる。
愛子はただただ声を上げて泣きじゃくる。
なぜ信じてやれなかったのだろうと、自分を責めて責めて責めている愛子の魂が怒りの悲鳴を上げている。
洋平は娘の慟哭を背中越しに聞きながら、後悔し、そして言いようのない自分への怒りと悲しみに襲われていた。


【東京】
大手通信会社に勤める藤田優馬(妻夫木聡)はゲイである。
昼はエリートサラリーマンとして仕事に精を出し、夜はゲイクラブで発散する毎日だ。
マイノリティの自分が辛いなどとは思ったことはないが、ゲイに対して肩身の狭い世の中を怖れずに自分と正面から向き合って愛し合ってくれるような信じれる相手もいない。
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末期ガンを患ってる母・貴子(原日出子)がホスピスに入院している。
母子家庭で二人の男の子を育てた強い母の面影は今はすっかり萎えて、見舞いに行ってもいつも眠っていることの方が多い。
残された時間がわずかな母に、せめて結婚相手の彼女を連れてきたり孫の顔でも見せてやれるのならばいいのだができるはずもなく、ただただいつ来るやもしれぬ母の死に怯えるしかない。
母も息子がゲイだということをうっすらと感づいているのだろうと、そんな母の優しさに優馬は胸が苦しくなる。

ある日、優馬は新宿のクラブで肌の白い華奢な青年(綾野剛)と出会う。 頬に3つのホクロがあった。
大西直人」と名乗った彼と優馬はその日のうちに肌を重ねた。
仕事も住む場所も決まっていないという直人と同居生活を始める優馬
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優馬にとって、どうも素性のつかみ辛い直人を最初は半信半疑だった。 部屋にある金品をいつ持ち逃げしたっておかしくはない。
そいうことを本人に言ってみた。 「おまえのこと、疑ってんだぜ?」
すると直人は言った。
「疑ってんじゃなくて、信じてんだろ? 信じてくれてありがとう。」
「信じてくれてありがとう」と優馬の方から言える相手を彼自身は探していたことに気がつくのだった。

直人に母のことを話すと「会いたい。」と言う。
「そんなことしなくていいから。」と拒否する優馬だったが、後日どういうわけか彼は直人をホスピスに招いていた。
優馬から「俺の友だち。」と紹介された直人を見た貴子はこれまでにない安心した表情を浮かべた。
これが息子のことを信じて愛してくれる相手なのかと心から喜んでいるようだった。
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仕事が忙しい優馬の代りにホスピスに見舞いに行く直人は、すっかり仲良くなった貴子に退屈しない時間を与えていたが、遂に来るべき時が来た。
母の亡骸を前に、優馬直人に対して感謝の涙を流すのだった。

外回りの仕事をしている時、あるカフェの中にいる直人を発見する優馬だったが、向かえの席に座るのは愛らしい女性だった。
その彼女と向き合って、直人は楽しそうに会話をしている。
その夜、仕事から帰った優馬直人を問い詰めた。
「何も話したくない。」と拒絶した直人は翌朝、姿を消しそれ以来消息がつかめない。 電話にも出ない。

テレビのニュースで流れた一年前の八王子夫婦殺害事件の容疑者の指名手配写真が流れていた。 特徴は右の頬にある3つのホクロ・・・
直人のことではないのか・・・?
警察から「大西直人さんについて聞きたい」と問い合わせがあったが、「何も知りません。」優馬はうろたえて電話を切るしかない。
しかし、間もなくして例のカフェで、あの日直人と談笑していた女性が一人でいるのを発見した優馬は居ても立ってもいられず店に飛び込んでいた。
(高畑充希)と名乗った彼女から直人について語られる・・・・・
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いつだったか直人は自分に、「信じてくれてありがとう。」と言った。
そんな彼を自分は心底から信じてやれなかった。
「おまえは大切なものが多過ぎるんだよ。」優馬直人に対して言った言葉が今、自分自身にのしかかっている。
何を守りたかったのだろう。 何を求めていたのだろう。
大切なものを次々と失って、自分の弱さに怒りを覚えながらそれが涙となって頬をつたう。
かけがえのない相手を信じてやれないままに永遠の別れを迎えることになった優馬は人目もはばからず慟哭するのだった。


【沖縄】
沖縄の北端にある離島、波留間島。
そこに高校生の小宮山泉(広瀬すず)が単身で移住してきた。
母親が男と問題を起こしたのだが、これが一度や二度のことではなく、すっかり諦めながらもは夜逃げ同然で福岡から沖縄に渡ってきたのだ。
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転校先の学校で仲良くなった知念辰哉(佐久本宝)にボートを出してもらって無人島に出かけたは、廃墟でバックパッカーの男(森山未來)と出会う。
特に住むところもなく定職もなく、いろんな場所を転々として、日雇いの仕事などをしながら、自由気ままに暮らしていると言う。
彼は「田中信吾」と名乗った。
最初に会った瞬間、逆光のせいでまぶしかったように感じた田中の印象は錯覚ではなかったかもしれないとは思う。

福岡では何もかもが嫌になる毎日だった。
沖縄に来て、なぜかしら不意に「無人島」に足を伸ばしてみたくなったのもそんな心の現れだったのかもしれない。
辰哉は自分に気があるようだけど、正直今の自分には男性不信がくすぶっていて、そこまでの気にはなれないことをは十分判っている。
誰もいない所で、何にも縛られず、自由に自分の人生を謳歌している田中にはうらやましい。
田中「ここにいることを誰にも言わないでほしい。」と言った。
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ある日、那覇まで辰哉と一緒に映画を観に行ったは帰りの繁華街で田中と再会する。
居酒屋に入って3人で語りあいながら、辰哉はすっかり酔ってしまった。
田中と別れた後、酔っ払って徘徊する辰哉を追ったは米兵たちがたむろする界隈に足を踏み入れてしまう。
なんとか脱け出して公園に辿り着いただが、あとを尾けてきた二人の米兵に押し倒されて・・・・・

辰哉は物陰に隠れて一部始終を悟っていたが恐怖のあまりに何もできなかった。
米兵が去った後に、今ようやく来たかのような感じでに駆け寄る辰哉
ボロボロになったになんと言っていいのか、何をしていいのか、泣きながらうろたえるばかりだった。
そんな辰哉は弱々しい声を絞り出し、「誰にも言わないで・・・」と言う。

辰哉の自宅は民宿も兼ねている。
田中辰哉の紹介で住み込みで民宿の仕事をしていたが、徐々に些細なことでイラつき始めるようになる。
田中が何かやり場のない怒りを溜め込んでるようにも見えた辰哉は、のことを伏せながら「レイプに遭った友だちのこと」を相談する。
実は田中もあの場所にいたことが判明する。
彼もまた恐怖で何もできず、それでもなんとか警察が来たようなハッタリをかますため物陰から「ポリース!ポリース!」と声を上げるのが精一杯だったと悔しそうに吐露する。
その日の夜、田中は突然暴れ出し、民宿の設備を散々壊したあげく姿をくらました。
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あの無人島に田中がいると確信した辰哉はボートで海を渡る。
案の定、田中はそこにいた。
彼の住んでいる廃墟の壁には、石で削った「」の大きな文字が刻まれていた。
その下には“あの日の夜”のことを、実は“おもしろおかしく見物していた”ような文章が刻まれている。
辰哉は信じられなかった。 今まで信じてきた男が異常な素顔を見せ始めて、裏切られた思いが辰哉を混乱させる。
田中はせせら笑いながら言った。
「おまえは俺の何を知って、信じたわけ?」
その瞬間、辰哉は足元に落ちていたハサミを手に取った・・・・
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ニュースを知ったは海に向かって叫ぶ。
人を信じた末路に、言いようのない怒りが湧き上がってくる。
信じることは罪なのか。 信じることがなぜにこうも魂を憤怒させるのか。
は青い海に向かって答えを求めて叫び続けた。


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いい意味で疲れる、スキのない映画だ。
李相日監督の映画は、とにかく観客の気を休ませない。
殺人事件の真相がどこかにあるという興味を惹くために、観客をリードするポイントが最初からあるとはいえ、核心がそこではない物語から訴えてくるテーマが物凄い「圧」でもってどんどんと攻めてくる。

人を信じるということは本当に難しい。
「信じる」という行為は「疑う」ことと表裏一体であって、相手と正面から向き合わずに何もかも知ろうとしないまま「信じる」のはただの欺瞞に過ぎない。
疑ってもしょうがないというあきらめや、信じてる自分に対して酔っているなどの、対人からの逃避である。
疑うという試練からステップを踏み出さなければ「信じる」ことはできない。
証券会社の「信用取引」だって、審査を経て担保を差し出して成立する。
「信じれる」ことへの確かなプロセスは絶対必要なのだ。

だが自分は人を信じているのか、それとも疑っているのか、その両極であるはずの心理が曖昧になって、「疑い」と「信頼」が互いに境界を侵食し出した時、人は落とし所のない「怒り」に苛まれる。
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渡辺謙演じる父は奇妙なケースだが、普通とは違う娘の将来について「幸せになれる」ことを疑うと同時に「幸せになれない」ことの方を信じていた。
宮﨑あおい演じる娘は、父から信じてもらえていないというか諦念の目で見られていることを感じてはいる。
そして出会って愛した男がもしや殺人犯なのではないかと、またしても父は疑い、娘も父から信じてもらうことを取り戻そうとして迷路にはまりこんでしまうのだ。

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妻夫木聡演じるゲイの青年は、マイノリティの日陰の身として生きてきたことから、もはや他人から同意されようとは思っていない。
信じれるのは、死の間際まで自分を信じようとしてくれてる母親だけだ。
そこへ現れた綾野剛演じる色白のゲイトモは初めて信じれる相手だった。
ところがその相手はひょっとしてバイなのではないか、いやそれよりも殺人犯かも知れないという、人を信じたこともなく裏切られたこともない彼にとっては、初めて信じた最愛の恋人の裏切りにあからさまにうろたえる。
しかし、お互いに心の底から信じ合ってきた絆が確かなものだったという真相に気づいた時にはすでに大切な存在は遠くに行ってしまい、信じれることができなかった自分を怒り、そして嘆く。

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広瀬すず演じる女子高生は登場人物の中でも人生経験の少ないキャラクターではあり、まだこれからどこにでも希望があることを信じ、だいたいの人には心を開ける子である。
母親に反発して一人でも自由に生きていけるような人生に憧れてるところに出会った田中というバックパッカーに憧れに近い感情を持つが、放浪している男は誰でもかれでも信じる人を小バカにしながら人生から逃げていただけのことであるのは知る由もない。
ひどいレイプを受けても、それを誰に訴えても家出少女の言うことは信じてもらえないのだと怒りをぶちまけるのは、彼女自身、男とトラブってる母親の醜体ばかり見てきたからではなかろうか。 沖縄の人が見て見ぬふりをするからでは?などとは思いたくないが。

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そして山田という男。
一年前・・・・・  日雇いの仕事の現場に日にちを間違えて行ってしまったことを業者に笑われ、むしゃくしゃしながらクソ暑い中、住宅街をぶらついた後、一軒の家の玄関先で座りこむ。
そこへ、その家の主婦とばったり出会うことになる。
主婦から麦茶を差し出された、その優しさに彼の心はタガが外れてしまう。
ついさっき、いろいろと信じてた自分が人に笑われたばかりである。
どこの誰とも知らない男に麦茶を御馳走するほど、人を信じ切っているこの主婦に思い知らせてやりたくなったのだろう。
自分と同じような、「信じた」ことへの後悔を味あわせてやろうとしたのだろうか。
果たしてそんなことで人を殺すだろうか? 殺すのだ。人間というのは。

自分のことを人から理解されなかった、やり場のない「怒り」というのはどんな時にどんな人に向かってくるかは誰にも想像はつかない。 アキバの事件がいい例だ。
ネット上では、猫も杓子も脅迫者になる。 何をそんなに怒っているのかといつも思う。
顔も知らない他人に向かって「コロス」などと書き込める「怒り」がやたらに充満し、「人を信じる」ことが尚更難しくなってきた現代だからこそ、この映画で見せつけられる「信じる」ことの崇高さが余計に重い。

無題 i
この映画は良質の物語なのはもちろん、演じる俳優のパフォーマンスも抜きには語れない。
素晴しいキャストが揃って、誰もかれも甲乙つけ難い「これぞ役者」のキャパシティを存分に発揮している。
納得できるカットが撮れるまでは何度でもテイクを重ねる李監督の妥協しないやりかたが、いい意味で俳優をとことんまで追い込んでエモーショナルな熱演を引っ張り出していくのだ。

妻夫木聡が一番良かったかな。 どの役もそうだが彼もこの複雑な役をナチュラルにじんわりと熱のこもった演技で見せてくれる。
もう「こいつ泣いてばっかりだな。」というほど何度も泣き倒すのだが、最後の泣きはやられた。
綾野剛と実際に同居生活までして役作りしたらしいが、その綾野剛も水ばっかり飲んで10キロ減量した、その役作りが凄い。

自分自身からオーディションを受けて役を勝ち取ったという広瀬すずも、おそらく精神的にきつかったのではと思うほどの凄い凄い凄い演技だ。 あのレイプシーンは観ているこちらもきつい。
森山未來もこんな凄い役者になったのかと感慨深い。 「セカチュー」の初々しさが懐かしい。
もちろん、ずっと抑えっ放しの松山ケンイチも良かった。
新人の佐久本宝君も大健闘。
洋平の姪の役を演じた池脇千鶴もいい味を出してくれている。
宮﨑あおいも、凄く難しい役だったはずだ。 彼女も泣く泣く泣く。 こめかみが切れるんじゃないかというほど泣く。
最後の「お父ちゃん、ありがとう。」にはこっちも泣く泣く泣く。
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広瀬すずの「叫び」。
妻夫木と宮﨑あおいの「泣き」。
さしもの渡辺謙も食われ気味かと思いきや・・・。

あの夕焼け越しの「背中」! 泣いている「背中」!
「気をつけて帰ってくるんだぞ・・・。」
やっぱり謙さん凄い。


「賢人のお言葉」
 
「今日、民衆の中に何が一番欠けているか。 自分を信じ、人を信じ、自分の仕事を信じ、自分の今日の生活を信じていくというような信念が非常に弱いと思う。」
 吉川英治
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