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推理作家ポー 最期の5日間
2012年10月22日

T0014947p.jpg 秋ですねえ。
 秋といえば読書。
アッシは現在、宮部みゆきの「ソロモンの偽証」を読んでいる最中であります。
これがまた長い・・・。
 おもしろいけどね。

 読むのはほとんどミステリー小説なのですが、これまで古典は一切読んだことがありません。
 エドガー・アラン・ポーは、そりゃ名前はもちろん知ってますが、白状しますと、まだケツの青い頃、「江戸川乱歩」の名前の方が先に知識として入り、「江戸川乱歩」をリスペクトして「エドガー・アラン・ポー」というペンネームの人がいるんだと、いい大人になるまで思ってたぐらいです。

 すみません。
誠にすみません、エドガー・アラン・ポー様
なんでも歴史上最初の推理小説を書いた大偉人であらせられるというのに。

200px-Edgar_Allan_Poe_2.jpg 
「本当だよぉ。 頼むよ、そこんとこ。」

「おや? どなたですか?」

「俺だよ、俺。 ポーだよ、ポー。」

「林家?」

「それ、ペーだろうがよ! 全然反省しとらんな!」

「あいあ~い。」


 現代の推理小説の礎を築いた偉大なる作家エドガー・アラン・ポー
少々リサーチしてみましたが、なかなか破天荒な身の上でして・・・。

 1809年、米・ボストン出身。 パパもママも劇団俳優。
 1歳の時にパパ蒸発!(あらっ!)
 2ヶ月後ママ病死!(あららっ!)
 両親の親友の商人アランさんの養子になる。(アララランッ!)
 大学に入る前、近所の女の子エルマイラとラブラブになって婚約までするが、相手のパパの妨害に遭う。(なんてこと・・・)
 トランプ賭博にハマり、2000ドルを散財!(現代の価値で数百万) 大学を辞めざるを得なくなる。(とんだ与太郎ですな)
 26歳の時、13歳の従妹ヴァージニアと結婚!(そりゃ、めでたい・・・ええっ!法的にいいのか?あかんやろ)
 ヴァージニア、24歳で病死。(若いなあ)
 同年に詩人のサラ・ヘレン・ホイットマンにプロポーズ。(早いなあ) しかし、断酒の約束を破って破談。
 その2年後、エルマイラと劇的に再会し、婚約。(ドラマやなあ)


 とにかく酒と博打と女が大好きで、それにまつわる不始末が後を絶たぬヤラカシ人生を送られたようです。
 そして1849年10月7日。 彼は40歳の若さで突然、謎の死を遂げます。 

 10月3日、ボルティモアにて泥酔状態で発見され、病院に担ぎ込まれて、4日間危篤状態の後に息を引き取ったということですが。
最初に発見された場所が、「公園のベンチ」、「街の雑踏」、「酒場」と情報がまちまちなんですけど、それはまだいいとして。
 田舎のリッチモンドから仕事でニューヨークに戻る際、ボルティモアに寄るが、なぜ5日間も滞在したのか?
 発見された時、なぜ他人の服を着てたのか?
 死の間際にくり返し呼んでいた「レイノルズ」という名前は誰のことか?

 死因もはっきりせず、謎に包まれた死は様々な憶測を呼んでいます。
そもそもポーはボルティモアで5日間何をしていたか?を独自の解釈でエンタテインメントに描いたサスペンス映画が本作です。
 監督は「Vフォー・ヴェンデッタ」のジェームズ・マクティーグ。

ポーの小説を模した連続殺人が起こり、恋人をさらわれたポーが犯人を追う物語です。
ポーを演じるのはジョン・キューザック。
120426_CB_JohnCusack_TheRaven-EX_jpg_CROP_rectangle3-large.jpg 

 大酒呑みのトラブルメイカーという設定はそのまま。
最近はどうもスランプで、商売敵の詩人ロングフェローをボロカスにけなし、売上偏重主義の編集長と口げんかが絶えず。

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妻を失くしたばかりだというのに、実業家の令嬢エミリー・ハミルトン(アリス・イヴ)と恋仲に。

エミリーパパさん(ブレンダン・グリーソン)は元軍人で海運業経営者。
「おんどりゃ、わしの娘にこれ以上近づくと、ほんま、いてまうぞ。」
「ひえ~」
エミリー、あんなボンクラ野郎と付きおうたらあかん。 わしは許さんど。」
「もう、お父ちゃまったらぁ~ん。」
 などというマンガのようなシチュが描かれ、ポーは、「自堕落ですけどなにか?」みたいなキャラとして位置づけられています。
 それはそれで面白いのですが、さて肝心の連続殺人事件を巡る謎解きを中心としたミステリーの方はどうも乗れませんでしたな。


 いわゆる金田一ものでおなじみ、「見立て殺人」ミステリーなんですけど。
これにポーとボルティモア警察のフィールズ刑事(ルーク・エヴァンス)のコンビが挑みます。
ポーがさしずめ金田一耕助なら、フィールズさんは等々力警部。
でも、けっこうキレ者&ポーより全然カッコいい。
sub3_large_20121021192813.jpg 
「よし、わかった!」
「なにが?」
「犬神スケキヨは偽者だ!」
「だから?」
「いや、君ね。 ちょっとは乗ってくれよ~」
「やだよ。」


 首なし、逆さ吊り、「SAW」もどきのギロチンで腹バッサリ、さらにはエミリーを誘拐し、次の殺人で彼女の居場所のヒントを提示するという、さぞ、金とヒマがありそうな犯人の手八丁ぶりなら、もっとストーリーが盛り上がってもよさそうなもんですが、なんかフワフワした空気がずっとまとわりついてましたね。

 ポーの小説の内容をなぞった猟奇殺人だけでなく、セリフやシーンの中にポー作品からの引用が多数あります。
アッシは観賞前に、「うわべだけでもエドガー・アラン・ポーの小説の概要をチョチョイと勉強しておいたほうがいいのでは。」と、本当に御愛想程度に知識を仕込んだのですが・・・。

 ポー作品を読んでなくとも、楽しめた方もいらっしゃるのでしょうが、やはりマニアならマニアであるほど楽しめるんじゃないですかね。
いっそのこと、ラストで「オランウータンが犯人でしたよ」というオチなら、「オオッ!」と思えたかも。(思えねえか)

 エドガー・アラン・ポーが残した最後の言葉「レイノルズ」をどう使かは容易に予想がつくし、その通りなのですが、あの死に方はムリありすぎやしませんかね。


「賢人のお言葉」
 「解かれることを望まない秘密だってあるさ。」
エドガー・アラン・ポー 
(「盗まれた手紙」)

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